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家族を救え--我が家の愛犬様(8)

2005/10/30
家族を救え--我が家の愛犬様(8)

「我が家の愛犬様」と題して、我が家の元気者の紹介を記事にしたところ、なぜか、会う人が、皆、ニコニコと接近してくるようになったような気がする。これも愛犬様のおかげだ。感謝、感謝。
ところで、愛犬様の記事は、家族にもおおむね好評なのだが、最近、小さなクレームがあった。「かわいそうだよ、お父さんはあいつの情けないところばかり書いてるじゃないか」「そうね、いいとこも書いてあげなくちゃ」と言うわけである。私は、あやつのいいところを書いたつもりなのだが、私と息子や家内では評価の基準が違うらしい。

そういえば、愛犬様は見かけによらず、家族思いなのである。家族を気遣うところは、ヒト以上である。いや、ヒトが発達する現代文明の中で自然な家族思いの感情を忘れかけているだけのことで、自然児である愛犬様は生き物として当然の感情を持続しているだけなのかも知れない。
息子が愛犬様のお散歩当番のときは、息子と愛犬様のふたり(一人と一匹?)で出かける。私や家内が当番のときは、愛犬様と私のふたり(一人と一匹?)、または愛犬様と家内のふたり(一人と一匹?)で出かける。たまに、私と家内と愛犬様のさんにん(二人と一匹?)で出かけることもある。家内は、もともと運動が苦手である。ましてや、車に撥ねられて(「妻が、車に撥ねられる(1)」http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/01/1.html)からと言うもの、走ったりするのは楽ではない。愛犬様と家内のふたり(一人と一匹?)で出かけるときは、愛犬様がソリを引くの犬のごとく、ひき綱を目一杯ピンと張りつめるので、家内ははや足にひきづられるように歩き続けることになる。私は、老いてはいるものの、まだ、少しは走れるので、手綱が緩んでいることのほうが多い。愛犬様が本気で走れば私もとうてい追いつかないが、我慢できる程度には愛犬様も手加減してくれる。
さて、問題は、お散歩のとき、私と家内が一緒の場合だ。私が手綱を握るとこうなってしまう。道の曲がり角から次の角までは、一気に駆け進む。愛犬様は曲がり角では自分のテリトリを誇示するためにオス犬らしく猛々しく放×すると、すぐさま、次の角に向かって突進してゆく。家内は取り残されて、後方を彼女としては精一杯の速度で走ってくる。愛犬様は、突然、立ち止まって後ろを振り返る。「あれっ、オカアサンがいない。しょうがないな、待ってやるか」と言うように、後ろを振り返ったり、進行方向や左右を忙しく観察しながら待っているのである。家内が追いつけば、また一気に駆け出す。愛犬様は、疾走と放×の快感に浸って、時々、家内を待つことを忘れて、振り返りもせずに角を曲がって次の角へと疾走してしまうこともある。そんなとき、私が「あれっ、オカアサンは?」と問いかける。愛犬様は眉間に深いしわを寄せて、あわてて、後ろを振り返る。「あっ、お母さんが来ていないぞ」と突然、不安げな顔になる。不安なときは、首を下げ、上目遣いに周囲をうかがうのでそれとすぐに分かる。不安げに待つこと1-2分、「オカアさん」が到着すると、頭をもたげて、嬉しそうな表情をすると、嬉々としてまた歩き始める。犬は群で生活する習慣を持っている。一緒に行動する群の仲間が一匹(一人)でも欠ければ、犬としては不安になるのだろう。
ところで、10月の上旬に震度4強を記録する地震があった。茨城県沖が震源地である。休日だったが、私は仕事仲間との打ち合わせと一杯のために出かけていた。都心に向かう地下鉄の中でその地震に遭遇した。電車は長いトンネルの半ばで突然ブレーキを踏んで停止した。しばらく、車内アナウンスもない。乗客は、不安げに周囲を見回す。誰しも無言だ。私は、ここから地下を歩くと次の駅も前の駅もかなり遠いな、どの方向に歩いたほうがいいのか、と一瞬考えた。そのとき、車内アナウンスは、「地震発生のため、列車は自動停止しました。しばらく停車します。そのままお待ちください」と告げた。そうか地震か、電車に乗っている私たちには感じなかったが、たぶん大きな地震だったのだろう。私の家族はどうしているか、とやや心配になる。家内は別件で出かけると言っていた。やはり列車の中だろうか。隣に住む老母はどうか、息子(老母の孫)がそばにいるから何かあっても対応するだろうなどと思い巡らせた。携帯電話は電波が届かないようで、つながらない。
ちょうどそのころ、息子は愛犬様とお散歩に出かけたところだったそうだ。出かけるとすぐに家内に追いついた。家内は近くのバス停でバスを待っていたそうだ。愛犬様は、「あっ、オカアサンだ」と急いで駆け寄って、前足をそろえて高く挙げ家内に差し出す。家内は、二つの足を両手で受け止めてから、頭をなでる。愛犬様は満足して、前足を下ろす。いつもの行動である。愛犬様は家内に挨拶を済ませると、またお散歩の足を進めて、家内のいるバス停を後にした。息子も一緒である。愛犬様は元気に走る。息子も走る。その先の角を回って、さらに進んで、さらにその先の角を左に曲がったあたりで、愛犬様は、突然、ガバッと向きを変えると気が狂ったように暴れだしたそうである。手綱を自分の口にくわえて、奪おうとするかのように激しく左右に振る。何事がおこったのかと、息子が綱をたぐり寄せようとすると、愛犬様は2度3度と宙を舞って、激しく抵抗する。綱は愛犬様の体に巻きついてしまう。そのまま、強く綱を引くと、窒息してしまいそうなので、息子がやや手を緩めると、愛犬様はいま来た道を逆方向に一目散に走り始める。息子も全力疾走だ。愛犬様は、耳を伏せ、歯を食いしばり、全力で息子を引きずるように走る。角を2度曲がって、バス停までの直線コースに入ったところで、とうとう、手綱は息子の手を離れて、愛犬様の体の後に宙を舞ってゆく有様だった。愛犬様は、家内の姿を見つけると、いっそう力をこめて飛ぶようにやってきて、遠くから、一気に飛んで、家内に飛びつく。家内は愛犬を受け止めようとよろけた。愛犬様は、耳をぴったりと後ろにつけたまま、家内の手や顔をぺろぺろとなめた。
実は、散歩の途中に愛犬様がガハッと向きを変えた瞬間、地震があったのだ。息子は走っていたので気づかなかった。しかし、自然児愛犬様は、走っていても、この異変に気づいたのである。愛犬様は、とっさに、いささか運動能力に問題のあるオカアサンが心配になったのだ。何事かあってはならじと、なりふり構わぬ行動に出たのである。バス停で無傷の家内に再会した愛犬様の喜びようは尋常ではなかったようだった。息子は遅れてバス停に到着して、家内から、たった今大きな地震があったんだよ、と聞かされて、なるほどと合点がいったようである。
お前は、ほんとうにいい奴だよ。お母さんを心配してくれてありがとう、私はこの話を聞かされて、愛犬様に感謝した。しかし、お前のおとうさん(私)も、その頃、地下鉄に閉じ込められて、不安な時間を過ごしていたんだけどな、と一瞬、妬みたい気分にもなった。まぁ、知る由もなかっただろうし、群のボス(私のこと)は強くて当たり前と思っているのだろうと自分を慰めた。本当に、愛犬様は、家族思いで、弱いものをかばおうという今どきの人間様にはないような男の子らしい精神の持ち主である。

(息子さん、奥さん、こんな紹介でいいですか。・・・?) 

閑話休題。

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琵琶

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