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やはりあった「教師の本音」--心理、教育、社会性の発達(14)

2005/11/06
やはりあった「教師の本音」--心理、教育、社会性の発達(14)

私は、2005/09/23、このブログに「急増する小学生の教師への暴力--心理、教育、社会性の発達(9)」という記事を書いた。
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/09/9_c332.html
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(前略)
教員たちには気の毒だが、「いじめ」「学級崩壊」「校内暴力」などは、社会性の発達を阻害する教師起因性であるとも書いた。教室内が安定せず、不安定が生ずれば、教師は防衛上、子供たちに斉一性の圧力を大きくしてゆく。子供たちは本能的に(ウソでも)自分を受け入れてくれそうな仲間を探して、教師の目の届かないイジメグループに接近してすぐにその餌食になってしまうのである(「金もってこい。そうしたら仲間にしてやる」「俺たちは仲間だろう。仲間が大事だったら、万引きしてこいよ」・・・)。「仲間にしてやる」というエサは、成長期の子供たちや青年たちには抗いがたいものである。バカなことと言うなかれ。かく言うあなたも、どこかに似た記憶があるのではないだろうか。イジメるな、イジメグループに接近するな、余計なことをするな、と斉一性の圧力が強まれば強まるほど子供たちの言い知れぬ反抗心が湧き上がってくる。理屈では説明のできない反発である。子供たちは自分の個性を認めて受け入れてくれる場を求めているのだ。個性を殺すことを求められ、かつまた優劣の比較(「かけっこはボクのほうが速いよ」「歌は私のほうが上手でしょ」・・・)を禁じられた子供たちに理論で反論するだけの力はない。教師の教育理論の前に屈服するしかないだろう。しかし、それでも承服しがたいものは承服しがたいのだ。「ボクたちの話を聞いてくれない」「教え方がヘタ」「何を言ってんだかわかんない」というとてつもない言葉が子供たちの口から吐き出される。教師はただただ逆上してしまうのである。自分が愛してやまない子供たちから、教師に向けられた侮蔑の言葉だ。「私の気持ちがなぜ分からないの」というわけである。教師以外の人たちにその苦痛と苦悩を分かってもらえるだろうか。教師たちの絶望感は深い。教室の秩序を維持するためには、子供たちに対する斉一性の圧力をますます強めることになる。強圧によって、子供たちを押さえ込むことに成功する"有能な"教師は多いが、押さえつければ何かのきっかけで爆発する。学級崩壊である。いま教師は学級崩壊と戦っている。学級崩壊を避けるためには、子供たちの自由な結合を禁止して、人間関係を築かせないようにアンテナをカメレオンの目のようにめぐらせながら、子供たちの共謀を防止しようと躍起である。しかし、武力で制圧された民族がテロとゲリラで抵抗するように、子供たちは仲間を募って教室をひっくり返してしまうことをあきらめるかわりに、突然教師に殴りかかったり、机や椅子を投げつけたりするようになるのである。教師に向かって刃物を振り上げる子供までいる。「校内暴力、とくに教師に対する暴力」が増大しても事の成り行きの通りで当然なのではないのだろうか。
(後略)
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長く引用したが、つまり、ここでは、教師たちは、学級崩壊を避けるためには、子供たちの自由な結合を禁止して、人間関係を築かせないようにアンテナをカメレオンの目のようにめぐらせながら、子供たちの共謀を防止しようと躍起であること、しかし、武力で制圧された民族がテロとゲリラで抵抗するように、子供たちは仲間を募って教室をひっくり返してしまうことをあきらめるかわりに、突然教師に殴りかかったり、机や椅子を投げつけたりするようになること、を私はのべたのである。
子供たちの自由な結合を禁止することを正当化するために、ある種の教師たちは「イジメをなくすために他の子供とは関わらせない」という理論を作り上げている。これは、どうしてよいか分からない現場の教師が子供たちを抑圧し、万力で押さえつけるように、子供たちの社会性を発達させまいとがんばるための"素敵な"理由なのである。この正当化理由(心理学風に言えば「合理化」)は、イジメと学級崩壊の特効薬として、全国を駆け巡っているかのようだ。誰も助けてくれない孤独な現場の教師たちは、すがるものといえば、子供に対する教師と言う特権的優越性だけなのである。普通ならば、子供も親も、教師の「指導」の前には身と心を投げ出す以外にないからだ。
何の権利があって、こんなことを書くのかと、お叱りの声が聞こえてきそうだ。
学生たちのうつむき加減に語る、思い出話や、疲れた心をさらけ出したときの言葉の数々は、小・中・高の時代の忌まわしい出来事、楽しくない教室の思い出がぎっしりと詰まっている。大学の教師である私の目の前に、彼らの心の底にしまわれた忌まわしい出来事が透けて見えてくるのである。名門校の出身者であれ、そうでない者であれ、それは同じである。首都圏や大阪周辺の出身者にこの悲しみを口にする学生は多く、地方からやってきた子に少ないという傾向はある。しかし、全国的な傾向であることは否めない。
大学の教師も、教師である。子供たち(大学生)の悲しみを理解できずに大学の教師などは務まらない。大学の教師にも、教師としての発言を認めていただきたいものである。

こんなことを感じているのは、一人私だけなのだろうか。
たまたま、ここ数日の内に読んだ本のあとがきに次のような記載があった。この作者も、私と同じ意見のように感じられる。しかも、この著者は子供たちに直に接しているカウンセラーのお一人である。私などよりも事実をたくさん掌握しているに違いない。
青木和雄、「ハートボイス--いつか翔べる日」、フォア文庫、金の星社(2004)
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作者あとがき---青木和雄
・・・。
 子どもと向き合ってカウンセリングをしていると、子供たちの「ハートボイス」が聞こえてきます。言葉にならない悲しみが、子供たちの心からあふれだしてきます。いじめ・不登校などの現象のおくには、規則と管理のあみをかぶせて、子どもの心をふうじこめようととする、おとなたちの顔も見えてきます。
 ある中学を訪問したとき、「うちの学校にはいじめはありません。生徒たちには、自分の進学のことだけ考えるように指導しています。友だちと関わらないようにすればいじめも起きませんから」といった教師がいました。わたしが、子どもたちの「ハートボイス」を、本に書こうと思ったきっかけにもなる、重いことばでした。
 ・・・。
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やはり、そうだったのか。そうに違いない、心重く、私は納得した。小中高の教師たちは汲々として「子どもたちが、友だちと関わらないように」あらん限りの力を尽くしているのである。十分な社会性の発達の余地などありえないのである。むしろ教師たちはそれとは知らずに社会性を発達させまいという涙ぐましい努力をしているのである。
小中高の先生たちにお願いです。子どもたちが健全な子どもたち同士の交流と仲間作りをする拙い努力を側面から助けてあげてください。「友だちと関わらないように」ではなくて、「友だちと関わる」ように指導してください。いじめグループや万引きグループに近づかないように気を配りながら、その反対にいる健全なこどもたちのグループを育ててください。いい子のグループと悪い子のグループをはっきり区別してあげることは、大人の責任です。子どもたちは、まだ分別が十分ではありません。幼子や少年少女は、悪い子のグループでさえ仲間ほしさに容易に接近したちまち悪に染め上げられてしまいます。区別を教えることは決して悪いことではありません。親や近所の大人たちにもお願いします。よい子の仲間たちを大人たちが暖かく育ててください。ほんとうに、本当にお願いします。

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琵琶

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コメント

もう30年前のことになりますが、私が初任のとき、職員から集団のいじめを受けました。「やめろ」という言動。毎日求人誌を机上におく。2年で精神科にかかりました。
先生なのになんでこんななの?学校が変わり、もう52になりましたが、安定剤は
飲みながら仕事してます。飲まないとおきあがることも無理になりましたが、相変わらず勤務してます。ところが、35過ぎたとき自分が非常に強くなり、仲のいいベテラン教諭と喫茶店などで、さえない男性職員の誹謗中傷してました。職員会議でその教員が
的外れなこというと、顔をおもむろにしかめたり、「ばっかみたい。」とつぶやきました。
10年前の同僚に会ったとき、「こんな仕事は散々だ。子どもには勧めたくない。」
とつぶやかれた。

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