カテゴリー

  • 日記・コラム・つぶやき
  • 経済・政治・国際

« 夜明けの散歩、巨大犬との遭遇--我が家の愛犬様(9) | トップページ | めげずにお料理--オヤジと家族のお料理ライフ(5) »

「あやかしの術」を見抜く力を--社長の条件(17)

2005/12/12
「あやかしの術」を見抜く力を--社長の条件(17)

1.詭道を制するものが企業の防衛戦に勝利する
今回は、かなり違った角度の話題である。
企業には、3つたは5つのの基本戦略があることは以前述べている。
3つまたは5つの戦略--社長の条件(4)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/03/354_39eb.html
また、企業には対敵防衛という重要な任務があることにも触れた。
「戦い」について--社長の条件(3)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/02/3_bf1c.html
真正面からやってくる敵を迎え撃つ勇気と防衛戦の数々は、華々しくもあり、諸君らも、目の当たりにしているだろう。しかし、「戦い」は正規戦ばかりでない。
 始計篇 兵は詭道なり(孫子)
 兵は詭道なり。
 故に能なるもこれに不能をしめし、用なるもこれに不要をしめし、
 ・・・
だましあいの様相を呈するものが多い。詭道を制するものが企業の防衛戦に勝利すると言ってよい。
「兵は詭道」については、ここですべてを語りつくせないので別の機会に譲る。しかし、まずは仕掛けられる詭道を見破ることが大切である。見破れなければ、知らずに詭道にはめられ、気がつくと白旗以外の選択肢はなくなっている。実は、この輩を見破る極意がある。
やってくる邪まな輩は、「あやかしの術」を使用していることに注意すれば、まずは気づくだろう。

2.あやかしの術
「あやかし」とは、少し古いが、手元の「広辞苑」(第2版補訂版、岩波書店(1976))を見ると、下記のように書いてある。
---------------------------------------------------
あやかし
①船の難破しようとする時に出るという海上の怪物。幻覚による。海幽霊。謡、舟弁慶「この舟には___が憑いて候 ②転じて、不思議なこと。怪しいこと。また、そのもの。③あほう。馬鹿者。<日葡> ④コバンザメの異称。この魚が船底に粘着すると船が動かなくなり害をするという。⑤(怪士と書く)能面の一。妖気を表した男面。「鵺(ぬえ)」の前ジテ、「船弁慶」の後ジテなどに用いる。また三日月・鷹などの同系の面の総称。
あやかり
①「あやかし」に同じ。・・・
---------------------------------------------------
実は、他の辞典によれば、"赤ん坊をあやす"の「あやす」も同根で「あやかす」の短縮形という。
船の激しい揺れで、正気を失い、幻覚のなかに漂うにしてしまう現象を「怪物」の仕業とみなしたのであろう。子供をゆらゆらとゆすれば、海中で揺らいでいた太古の生命のように、前後不覚の夢に落ちる現象も「あやかされる(あやされる)」事象である。
現代の「あやかし(妖怪)」も、「あやかしの術」を使う。彼らは人をゆらゆらと揺らしてたぶらかすのである。「親切そうな言動と激しい罵倒」「高邁な理想とあらわな欲望」「対等主義の言説と激しい個人攻撃」「へりくだって下手に出て、機を見て居丈高に声を荒げる」など、極端から極端に言動はゆれる。これが、現代の「あやかし(妖怪)」のはじめに見えてくる特徴である。カルト教団や戦争捕虜に対する洗脳でもこの手法は頻繁に使われる。心許したり、弱い立場にいたりすれば、人は他人に合わせようと自然に心を傾ける。極端から極端に揺れ動く相手の言動に翻弄され、自分を見失い、やがて、その相手の言動に従わざるを得なくなる。「正論とずるい提案」などもたちの悪い営業マンの手口である。極端から極端に揺れ動く言説の中に、ちょうど自分の思いに合う瞬間があれば尚のことである。「この人は、ひどい言い方をするが正しいことも言っている」などと思わせてしまえば、しめたものである。「あやかし」にとっては、相手を絡めとることなどたやすいことである。ゆすりたかりの皆さんは、誰しも「あやかしの術」に長けている。詐欺商法の皆さんもしかりである。甘えてみたり、強く出てきたりの商売女の手練手管もたいていは「あやかしの術」に沿っている。
この術にはまると、まじめな人ほど、情報漏えい、背任、会社乗っ取りへの協力、使い込みや奥さんに言えない金遣いなど、あらゆる犯罪的なことに手を貸すようになる。知らなければ、そんな術にはまっていることさえ気がつかないままに警察のご厄介になったりもする。君たちは、これらの嵌め手をいち早く見抜いて、はまることを避けなければならない。この術は手品のようなものである。目くらましによって、人の心を操ろうというものである。手品もタネがわかってしまえば、人は容易にだまされたりはしない。「あやかしの術」というものがあることをしっかりとわきまえていれば、はめられることは少ないはずである。
「あやかしの術」は、もともと立場が弱く、権威のない人が、対等に競争できない場合に利用して、わが身を守るために発展した。その後自分の能力以上の立場を獲得する魔法の杖として使われるようになった。能力相応以上の立場は周囲に大変迷惑である。直接犯罪とはいえなくとも、その迷惑の程度はまま犯罪にも等しいものがある。たとえば、考えてみればよくわかるではないか。たとえば、社長が商売女にだまされて、いきなり仕事を知らないその女を営業部長にしてしまったら、部下には目も当てられない惨状が待っているに違いない。
さて、実は、「あやかし」は、芸能の世界では、立派な芸術である。虚と見せて実であったり、実と見せて虚を演出するのは舞台や映像の常套手段である。極端から極端への心のゆれを感じさせれば、虚を実と思い、実を虚とも思う怪しくも美しい世界が現出する。芸能の世界の人々は、この術を職能として持っている。しばしば、思わぬところで「あやかしの術」に遭遇すると、実はその世界につながる人がそこにはいたりする。あぶない、あぶない、美しすぎる妖怪がそこにはいる。君は、大丈夫か。

△次の記事: 社長の条件(18)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2006/01/18_c10a.html
▽前の記事: 社長の条件(16)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/12/16_cee7.html

琵琶

(補1)「鐘の声 ブログ」はリンクフリーです。ただし、「鐘の声 ブログ」の記事の一部または全部を引用または翻案して、公的に発言または発表される場合は、事前にメール等でお知らせください。[→連絡先]
(補2)この記事が含まれるシリーズの記事の一覧は下記(別サイト)のとおりです。
  社長の条件シリーズの記事一覧 (GO!)
(補3)ブログ「鐘の声」には、10個ほどのシリーズとシリーズ以外の一般記事があります。シリーズの全体構成やシリーズ別の記事一覧は下記(別サイト)にあります。
  ☆「鐘の声」の全体構成(「鐘の声 ブログ」記事マップ)☆ (GO!)

« 夜明けの散歩、巨大犬との遭遇--我が家の愛犬様(9) | トップページ | めげずにお料理--オヤジと家族のお料理ライフ(5) »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73834/7587428

この記事へのトラックバック一覧です: 「あやかしの術」を見抜く力を--社長の条件(17) :

« 夜明けの散歩、巨大犬との遭遇--我が家の愛犬様(9) | トップページ | めげずにお料理--オヤジと家族のお料理ライフ(5) »