カテゴリー

  • 日記・コラム・つぶやき
  • 経済・政治・国際

« 2005年11月 | トップページ | 2006年1月 »

組織破断限界シミュレーションの試み--感性的研究生活(5)

2005/12/10
組織破断限界シミュレーションの試み--感性的研究生活(5)

これまでも、研究発表にまつわる話題をここには書いてきた。
改めて、振り返るといろいろあった。
これからは、シリーズとして扱うことにする。過去の記事も、適宜整理してシリーズ番号の下に統合してみたい。

12/10(土)、「第49回 SH情報文化研究会」が開かれた。阪井教授のお計らいのおかげで、SH情報文化研究会明治大学情報科学センターの共催の形となった。メインテーマが「組織と情報」で、主たる発表者は、阪井和男様(明治大学教授)と栗山健様(学研編集部)、そして私である。
思いもかけない人々が集まって、最近にない盛況となった。
阪井教授は「組織変革におけるブルーオーシャン戦略」、栗山様は「良い組織・悪い組織」を語った。
私は、「組織破断限界シミュレーションの試み--メンタルパワーモデルの提案」を語った。
最後に、阪井和男(明治大学教授)と栗山健(学研編集部)、そして私が壇上に上がって、「組織と情報」について、鼎談風に意見の交換を試みた。時間はあっという間に過ぎて、近くのレストランで忘年会になった。

企業戦略で言えば、阪井教授と栗山様は、「前方戦略」のイノベーションを語り、私は組織戦略を語ったことになる。鼎談の中で、それぞれの分野の違いを明らかにして、論点を整理した。

私の発表は、組織の運動法則を数値モデルから導こうというもので、開放系の熱力学のアナロジーを用いたものである。組織率とメンタルパワーを指数関数的対応関係とみなしたモデルで、私としてはなかなか気に入っている。今年の春に発表した文字列類似度も「類似性」という感性的量を数値化するという試みだった。この分野は、私のもっとも得意とするところである。「感性工学」と呼ばれる学問領域があるが、これとよく似た分野であると思っている。組織率とメンタルパワーを指数関数的対応関係とみなすと、いろいろなことがわかってくる。ある初期値にある組織率が時間とともに変動する様子を追って、無限時間後の局所的安定領域を求めてみると、次のようなことがわかってくる。
1)thought leader の能力のいかんによらず、初期少数派は消滅する。
2)有能なthought leader のもとでは、志の高い集団(初期多数派)は発展する。
3)thought leader の能力が及ばなければ、志の高い集団(初期多数派)といえども消滅する。
4)志は高いがthought leaderのいない集団は破綻する。
5)対案なき抵抗勢力(初期多数派)ははびこる。
6)鎖国政策は成功する可能性有り。
thought leaderとは、次々に理念に新しい価値を付加し続ける存在で、ありきたりの意見に固執するオピニヨンリーダとは区別した。
心理的な最短距離を突き進もうとすると組織が分裂することも明示された。心理的最短距離と、リアルな最短距離は異なるパスである。曲面幾何学の写像のような関係になっていることが示された。
春から初夏にかけて、思い立って、たまたま座れた電車の中でノートを広げて試算すると、とんでもなく感動的な結果が出てくるらしいことに気がついた。何度も計算をやり直して間違いのないことを確かめた。それから、発表のチャンスを狙っていたのだが、無名で権威のない私に、それほど頻繁に発表の機会はない。人の行動と情報と心理は、人の感性の部分で固く結びついている。わが感性を信じて数値化したら、ドンぴしゃりであった。
これまでも組織論については経営や教育の観点からこのブログにも書いた。
組織を活かす力、改革する力--社長の条件(6)
学生は変わったか--心理、教育、社会性の発達(1)
戦略的情報組織学(再論)--社長の条件(8)
しかし、「局所的安定領域」という部分にスポットライトを当てるのは、この発表が最初である。
いつか、もう少しメジャーなところでも発表して、多くの人の批判を受けてみたいと思う。
2005/12/10の発表資料はまもなく、「スタッフによる主な研究発表と講演」公表されている。

△次の記事: 感性的研究生活(6
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2006/01/6_c2b8.html
▽前の記事: 感性的研究生活(4)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/06/web_c9ea.html

琵琶

(補1)「鐘の声 ブログ」はリンクフリーです。ただし、「鐘の声 ブログ」の記事の一部または全部を引用または翻案して、公的に発言または発表される場合は、事前にメール等でお知らせください。[→連絡先]
(補2)この記事が含まれるシリーズの記事の一覧は下記(別サイト)のとおりです。
  感性的研究生活シリーズの記事一覧 (GO!)
(補3)ブログ「鐘の声」には、10個ほどのシリーズとシリーズ以外の一般記事があります。シリーズの全体構成やシリーズ別の記事一覧は下記(別サイト)にあります。
  ☆「鐘の声」の全体構成(「鐘の声 ブログ」記事マップ)☆ (GO!)

めげずにお料理--オヤジと家族のお料理ライフ(5)

2005//12/13-2006/01/01
めげずにお料理--オヤジと家族のお料理ライフ(5)

お料理を作り続けるというのは、結構大変である。昔は、料理しなければ食べられなかったから、自然に何かは作ったのであろうが、今時は自分で作らなくとも、多少のお金を支払えば食べられないことはない。それでも作り続けるというのは、意志の力が必要だ。
--------------------------------------
[火曜日(12/13)]--担当、息子
先週、軽い失敗したので、本人は挫折気味。前日の晩、明日はやらないと息子はいう。家内と軽い口論。以前なら、激しい応酬になっただろうが、熟年学習で大学に通って心理学を学んだ家内がやや押さえ気味。だめかな、と私と話し合う。だめなら、私がやるさ、と私。家内が、いや私がやりますとけなげな発言。しかし、いずれも杞憂だった。
・ふろふき大根
息子が5時に起きだして台所に立つ。カツオダシ、塩、みりんで大根をコトコトと煮る。大根は、角を落として、丸みをつけたもの。ネギのミジン切りを加えた梅ダレをかけていただく。トロリととろけるようなダイコン。ネギの香りと梅のぴりっとした酸味がうまい。やるもんである。
・鮭の塩焼き
焦げ目がなくて、しっかり火が通っている。立派なものだ。
・ナスのミソ汁
根ミツバにナスがたっぷり、スリオロシショウガを加えて、ナスの甘ったるさを抑えた。よくぞ、ここまで考えたものだ。
[水曜日(12/14)]--担当、奥さん
本来は、老母のためのお料理はお休みのはず。老人向け配食センターからお弁当がとどく。しかし、前日の息子の活躍に発奮した奥さんが、「一品だけは作る」と言い出したもの。
・ワンタン
エビとブタひき肉の具でワンタン。「皮の数よりも具のほうがたくさんできてしまった」そうで、具だくさんのワンタンになった。ぷりぷりのエビとたっぷりのニク。スープも独創的だが、不思議とうまかった。
[木曜日(12/15)]--担当、奥さん
・ポテトグラタン
ジャガイモの皮を向いて一口大に切り、トリモモニクをさいころに切って、タマネギのミジン切りを用意する。タマネギを植物油で透明になるまで加熱してトリニクとバターを加えて軽くいためる。グラタン皿に盛り、牛乳と小麦粉を混ぜてシオとコショウで味を調えたクリームの素を加える。短冊状のチーズを重ねて15分ほどオーブンで焼く。4人分作る。うまい。
・カブとグレープフルーツの蜂蜜サラダ
カブを薄切りにして、グレープフルーツの身をほぐしたものと、オリーブオイルを加えて合わせる。塩を軽く振って蜂蜜をかけ、具が崩れないようにゆっくりと混ぜ合わせる。サラダ菜を敷いた小どんぶりに盛って完成。緑のサラダ菜、白いカブ、クリーム色をした透明でプリブリとしたグレープフルーツ、見た目もたいへんよろしい。グレープフルーツの甘酸っぱさが蜂蜜で強調され、蜜の甘い香りが周囲にも漂う。老母が絶賛した。
[金曜日(12/16)]--担当、私と奥さん
・サケのハラミの照り焼き--私
サケのハラミをミリンと塩で漬けて、グラタン皿に盛り、電子レンジで「煮物」の加熱を行う。半分に切ってレタスを敷いた小皿に盛る。サケのハラミ1枚分では老母には大きすぎるのである。電子レンジを使うと身が崩れずに仕上がる。レタスの緑にサーモンピンクが映える。
・大豆とヒジキ、ガンモドキの煮物--私
大豆とヒジキに、ガンモドキを1センチ角程度の将棋のコマのように切って合わせて、カツオだしとミリンとショウユで炊く。ショウユは抑え目。昔ながらの安心の味。
・天津肉饅頭--私
材料を買って、電子レンジでチンするだけ。カンタン、おいしい。いわばオマケ料理。
・サトイモとブロッコリの煮物--奥さん
サトイモを一口大に切って、ブロッコリと合わせる。ヒキニクを加えて、カツオだしとミリンとショウユ少々で煮たもの。ブロッコリの鮮やかな緑が食欲をそそる。
[土曜日(12/17)]--担当、私
・水餃子
タマネギと白菜のセンギリを沸騰したカツオダシの汁に加えて、米黒酢、紹興酒、ミリン、ショウユ、ゴマ油、コショウ少々でタレを作る。食材屋さんで買った冷凍水餃子を解凍し、これに加えて10分ほど煮る。白菜の甘みと米黒酢の酸味がおいしい。
・ソーセージのカラシマヨネーズ
できの良い手作り風ブタ肉のソーセージを安く購入できたので、これを利用する。沸騰する湯でソーセージを煮沸する。ツブツブの練カラシとマヨネーズをホールで練り合わせて、ミリンでやや伸ばしておく。アツアツのソーセージを一口大に切って、カラシマヨネーズのボールに入れて十分にまぶしたら、サラダ菜を敷いたお皿に盛って出来上がり。
[日曜日(12/18)]--担当、私
・トリのから揚げの甘酢掛け
カツオダシに、米黒酢、紹興酒、ミリン、ショウユ、砂糖、ゴマ油をやや大目に加えて、タマネギと水菜を加えて沸騰させ、カタクリ粉を多めに加えて、甘酢アンを作る。トリのから揚げは、スリオロシショウガと塩をまぶして、しばらく置いておき、カタクリをまぶして短時間ずつ3度揚げにした。表面がカリカリの白っぽい仕上がりになる。これを薄切りにして、皿に盛り、甘酢あんをかけて出来上がり。
・白菜とブタニクのトロトロ煮
前日、老母から白菜が余ったから使ってほしいと、白菜3/8くらいが届いた。この白菜をすべて2センチ幅くらいに切って、1/3位の水を入れたナベにすべて入れて、くつくつと煮込む。カツオだし、塩、ミリン、コショウで味を調える。ブタニク薄切りを短冊に切って、1枚ずつナベに落としてくっつかないようにする。白菜から出る水で、白菜の葉の上にまで煮汁が上がってくると出来上がり。コショウが多すぎて少々からかったが、白菜の甘みとブタニクの味が微妙に絡んでうまい。「トロトロ煮」とは白菜が煮込まれてトロトロになることから。
[月曜日(12/19)]--担当、私
・ナベ料理
姉の家から上質のカキをいただいた。前日は、このカキとトリの手羽元、ブリの切り身、シイタケ、エノキダケ、ハクサイ、ゴボウとニンジンのセンギリ、大根、でコンブだし、カツオだし、ミリン、ショウユで味付けしたものを作った。
昨夜のナベ料理の具を最初に取り分けて、ふた付きの小どんぶりに取り分けておいたもの。
・キャベツ巻きのホワイトソース
キャベツ巻きを牛乳で炊いたもの。トリのだし汁、シオ、コショー、砂糖少々で味付ける。
[火曜日(12/20)]--担当、息子
ナベの残りがあるから、新しいのはあまり作らないよ、と息子が言う。それももっともなので、了解する。しかし、実は、息子には秘密兵器があった。
・カレー
トリ肉、シメジ入りのカレーを作った。ジャガイモ、ニンジン、タマネギは当然入っている。実は、シメジの味が利いている。市販のルーの素は使用したようだが、レシピなしに作ったらしい。うまい。老母にも届ける。老母にはチョット辛すぎたかも知れないが、老母はマゴに賛辞を惜しまなかっただろう。息子は終日笑顔、えがお。めげずにやれば、いいことがある。
[水曜日(12/21)]--お休み
配食センターからお弁当が届く。老母もある程度元気を取り戻して、少しだけ嫁に対抗心も生まれたらしい。自分でもまたいろいろと作り始めている。
[木曜日(12/22)]--担当、奥さんと息子
・サツマイモの炒め物--奥さん
サツマイモのセンギリ、タマネギの薄切りを沸騰した湯に入れて火を通して、ざるに揚げておく。油をひいたフライパンを加熱して万能ネギを入れる。ゆでたサツマイモのセンギリ、タマネギの薄切りをフライパンにあけ、溶き卵に酢、塩、カタクリ粉などを加えたものを入れて混ぜてあわせる。ほんのり甘く、あっさりとした炒め物である。
・サケのかす汁--奥さん
塩ざけの切り身を一口大に切り、ササガキにしたゴボウ、センギリのニンジン、短冊状のダイコンとコンニャクを入れて湯だきし、酒糟を水に溶いたものを入れて沸騰すれば出来上がり。味が薄かったらミソを少々加える。今回はミソ無しで仕上げた。体が温まってうまい。
・ラーメン--息子(番外編)
文末に書くので、ここには省く。
[金曜日(12/23)]--担当、私
天皇誕生日だが、顧客の合宿所での会議に出かけることになっていた。犬の散歩を済ませたら、息子がラーメンを作ってくれた。前日の夜、老母に届けたラーメンと同じものということだった。短冊切りのベーコンと薄切り短冊のニンジン、ネギ、白菜が入っている。うまい。とりわけ、薄切り短冊のニンジンは、厚さがテレカやバスカードくらいにきっちりとそろっているもので、息子の几帳面さが現れている。確かに、このくらい薄いニンジンだと、ニンジンの味やにおいが威張ってこないので、食べやすい。
ラーメンを食べた後、ラーメン作りで残った野菜と冷蔵庫のあまりもので、私がヤサイ炒めを作った。
・ヤサイ炒め
息子が以前煮ブタを作ったときに取れたラードを使用。息子の使い残した野菜類に新たなニンジン薄切り、ダイコンセンギリ、たっぷり目の短冊の白菜、マイタケのザク切りとベーコンの短冊切りをあわせて炒める。スリオロシショウガ、ニンニク少々、紹興酒、ショウユで味を調える。白菜の甘みとラードが絶妙のハーモニー。息子はラーメンの後に、このヤサイ炒めで白いご飯を追加で一膳食べた。
・ブタニクとコンブのあわせ炊き
ブタニクの薄切りを半分に切って、細切り昆布を短めに切りそろえて、タマネギと水菜で煮込む。湯の表面に浮き上がった油はシンクに流してしまう。米黒酢、ショウガ、ショウユ、ごま油で味付けして、カタクリ粉でとろみをつける。沖縄風の健康料理である。料理しながら味見して、思わず、私も、もう一膳ご飯が食べたくなったが、すでにラーメンを食べていたのであきらめた。
出来上がった料理を老母に届けると、あわただしく、私は箱根に向かった。
[土曜日(12/24)]--担当、私
・金目鯛とエボ鯛の網焼き
箱根の帰り道、小田原で、名物の干物を買ってきた。頭や尻尾、ヒレをアルミホイルで保護して焼く。形が崩れずに焼きあがる。新鮮なこともあっておいしい。
・山形の青菜
会社のビルのオーナーの奥さんの実家は山形。おいしい山形の珍味産物を時々いただく。青菜の漬物をいただいたので、短冊に切ってだす。
[日曜日(12/25)]--担当、私
・春巻きのアンカケ
春巻きを揚げて、アンをかけたもの。アンはシメジにネギの短冊切りを加えて、コンブだしとショウユ、スリオロシショウガとごま油を加えて、カタクリ粉でまとめた。
・サツマアゲのステーキ
サツマアゲをバター、スリオロシショウガ、ニンニクでいためる。最後に酒とショウユを加えて、ステーキ風に仕上げる。ヘルシーステーキの出来上がり。
・ケーキ(1/4カット)
前夜、ささやかにクリスマスを祝ったので、小さなケーキを買った。4分の一ずつ家族で食べたので、残りは老母の分。
[月曜日(12/26)]--担当、私
・ブタニクのシャンペン焼き
ブタ薄切り肉(ショウガ焼き用)にフライパンに入れて、土曜日の残りのシャンペンを思い切ってたくさん入れる。ほとんど飲まなかったので、ボトル1本分を入れたといっていい。ちょっといいシャンペンだったが気が抜けてしまうので、やむを得ない。炊き上がったところに、スリオロシショウガ、ショウユを加えて、取り出す。シャンペンのさわやかな酸味が感じられる絶品料理になった。大きな一枚を細く切って、食べやすくして皿に盛る。
・カボチャとカラーピーマンのサラダ
タマネギのスライスを水にさらしたもの、レタス、茹でたカボチャのカット、加熱済みカラーピーマンの乱切りを加えて、コショウとマヨネーズで和える。いろいろな野菜の味が混じってうまい。カラーピーマンは、乱切りにしてから電子レンジで加熱した。甘みがまして食べてうれしい。
・2年漬けのタクワン
京都の土産に、友人から届いた「2年漬けのタクワン」があった。冷蔵庫の中で、特別強烈なにおいを放っていた。取り出して、ヌカを洗うといい色のタクワンが出てきた。食べやすい大きさに切って、小皿に盛り分ける。我が家の食卓でも好評だったので、老母にもウケたに違いない。
[火曜日(12/27)]--担当、息子と私
朝6時、息子が起きてこない、、、。仕方がない、私が台所に向かう。奥さんが愛犬様の散歩に出るという。何を作ろう、冷蔵庫を覗き込んで考える。サトイモ、ニンジン、インゲン、レンコン、ダイコン、シイタケ、、、フムフムと確認して、取り出す。皮をむいてブロックに切って、なべで加熱する。常備のひき肉(牛・ブタの合挽き)を解凍して、ホールにあけて、オロシショウガを加えたところに息子が部屋から出てきた。しめた。この後は息子に任せよう。声をかけると快い返事。何を作るべきか、息子は悩んでいたようだ。彼にとってもラッキーだったようだ。私は、食器洗いをしながら、息子の料理に時々口を挟む。
・肉団子と根ヤサイの煮物--ちょっとだけ私、ほとんど息子。
サトイモ、ニンジン、インゲン、レンコン、ダイコンを一口大に取り揃えて、湯に加える。カツオ出汁、コンブ味、ミリンで味をつける。ひき肉(牛・ブタの合挽き)にたっぷり目のスリオロシショウガ、コショウ少々、塩、サケやや多目、カタクリ粉少々を加えてこねる。最後に、ナベにショウユを加えて、ひと煮立ちさせて完成。私の定番料理が息子に取られたかも知れないと、うれしいような、ちょっと複雑な思いがした。
・京のべったら漬け--私
いただき物を切って盛っただけである。これも友人からの贈り物の一品。そのままの大きさでは老母には大きすぎる。真白ろの大きな円を描くダイコンのべったら漬けをイチョウに切り、お皿に盛る。一緒に漬け込まれていた昆布も細く切って、その傍らに添える。見た目にも鮮やか。奥歯のあたりがムズムズするようなうまさである。
[水曜日(12/28)]--お休み
配食センターからお弁当が届く日なのでお休み。本日仕事納めのため、業者への支払いや最後の請求書発行など奥さんは忙しい。私は、大掃除の監督くらいしか仕事がない。ややスマナイ気持ち。
[木曜日(12/29)]--担当、奥さん
会社には前日の大掃除で出てきた廃棄物(パソコン8台など)を産業廃棄物処理業者に引き渡すなどの残務がある。地元の街の開発の調整のための打ち合わせ、しめ縄の買出しなど、年末はいろいろと忙しい。奥さんもお料理は一品作るだけで精一杯だ。
・ブタニクとダイコンの煮物
ブタニク薄切りを2センチ角くらいに切りそろえる。やや太目のセンギリにしたダイコン、1センチ位に刻んだダイコンの葉を加える。ミリン、オロシショウガ、ショウユ、サトウで味をつける。ゆっくりと煮詰めるとダイコンの美しいテリが現れる。おいしい。
[金曜日(12/30)]--担当、私
・ブタニクとパイナップルの炒め物
冷蔵庫の奥にあった豚カツ用の厚切りブタニク3枚を5ミリくらいに細長く切る。1本のパイナップルを解体して、4分の一くらいを1センチ角くらいに切り、加えて、ごま油でいためる。純米黒酢、紹興酒、スリオロシショウガ、ニンニク少々、ショウユで味をつける。カタクリ粉を水で溶いて加える。八宝菜風の炒め物となる。ご飯が進む。
・カツオの土佐作り
前日の夜遅く買い物したところ、安売りしていたので買ったもの。刺身包丁で切り、大葉を敷いた小皿に盛る。
[土曜日(12/31)]--担当、私
・ブタニクのあんかけ
仕込み途中のお正月料理の一品。少しだけ、取り分けた。
・焼きブタ
お正月料理の一品。
[日曜日(2006/01/01)]--担当、私
お正月、我が家では、お雑煮、おせち料理である。
老母には、次の品を届けた。
・たけのこ芋とトリのユズ炊き
お正月のおもてなし料理。たけのこ芋の輪切りを半分に切って、トリササミを一口大に切ってを加え、ユズの皮のセンギリをたっぷり入れる。ユズの実の残りも手で絞って、汁のすべてをナベへ。カツオ出汁、スリオロシショウガ、米黒酢、塩で味付け。たけのこ芋の輪切りは、割れやすい。煮ると真ん中が膨らんで、周囲が縮む。今回は、半分に切ったところ、ほとんど煮崩れしなかった。大きさも箸にとりやすい。イチョウに切っても良かったかもしれない。さっぱりしていて、芋らしいマッタリ感がない。あっさりした食感である。この芋は味にアクがあるが、酢を加えると消える。
・八つ頭とセレベスのカツオ味
いただき物の八つ頭1個とセレベス1個。両方とも単独では、お正月おもてなし用としては少なすぎたので、一口大に乱切りにして、あわせて煮込んだ。外見は違うがどちらの芋も身がしっかりしていて切り込むと良く似ているので、違和感がない。ハナガツオ大づかみ2回分、ミリンとショウユで味付け。ハナガツオにしたのは、いかにもカツオ味!という演出をしたかったから。この土地の普通の伝統料理である。
・壬生菜の浅漬け
京の土産品である。切って小皿に盛る。
--------------------------------------
12/16(金)、老母から我が家にファックスが届いた。軒を接する位置に住んでいるものの、帰りが遅いこともある息子夫婦にはファックスでのメッセージが確実である。いろいろと用件を書き綴った後に次のように書かれていた。
//○○子さん この頃 お料理が大へん上手になりましたね。昨日の料理も きれいで おいしく 食べました。今朝いただいたのは 夕食にいただきます//
私の奥さんは、感激して、何度も読んで、私にも読めと強要する。めげずにやればいいこともあるもんだ、と私は言う。
12/22(木曜日)、なぜか、息子が夕飯にラーメンを作って老母に届けたのだそうだ。老母から、//今日のラーメンは良くできていました。ヤサイも薄く仕上がっていて、食べやすかったです//というファックスが届いていた。遅く自宅に到着した私と奥さんは、びっくり。へえー、やるもんじゃないかと私。息子はすでに寝ていたので、そのファックスを息子の部屋のドアの外に置いた。
12/27(火曜日)、洗い物をする私の側で息子が料理する。肉団子と根やさいの煮物である。私ならば、手ゴネにするところだが、息子は大きめのスプーンで丁寧にこねる。ナベのヤサイの灰汁も丁寧に杓子ですくう。ヤサイの灰汁が取れたところで、肉団子を作ってなべに入れてゆく。私は、右手のスプーンですくった練り肉を左手で軽く2-3度揉込んで沸騰するナベに乱暴に放り込んでゆくのだが、息子は丁寧に丸めてからナベに入れてゆく。"肉団子だけ、別に作っておいてから、すべてそろえてなべに入れたほうがいいんじゃなかったか" とは息子のご意見。ごもっともである。肉団子を入れると肉の灰汁がたくさん出る。すごいね、などといいながら息子はあく取りに熱中している。他所の家庭では、母と娘の会話かも知れないが、ここでは父と息子の会話である。彼の少年期、私は忙しすぎて、息子の話を聞いてあげる時間がほとんど取れなかった。朝5時、息子が寝ている間におきだして、朝飯の仕度をして弁当を作ると、慌しく息子を起こして、食べさせて支度させて送り出すのが精一杯だった。話す時間は、その間だけ、実質5分か10分。私が帰ってくる頃には、おばあちゃんの家で夕飯をご馳走になってひとりの家に帰ると息子はたいてい先に寝ていた。この生活は、彼の新しい母(今の私の奥さん)がやってきた高校1年生の後もほぼ似た状態で続いた。その頃の埋め合わせを今頃している感もある。やがて、奥さんが、愛犬様を連れて帰ってきた。激しい運動の後とわかる上気した顔である。食卓はにぎやかになる。

料理は元気の源泉。めげずにやれば元気になる。食は人生の楽しみである。

△次の記事: オヤジと家族のお料理ライフ(6)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2006/01/6_5df8.html
▽前の記事: オヤジと家族のお料理ライフ(4)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/11/4_99b8.html

琵琶

(補1)「鐘の声 ブログ」はリンクフリーです。ただし、「鐘の声 ブログ」の記事の一部または全部を引用または翻案して、公的に発言または発表される場合は、事前にメール等でお知らせください。[→連絡先]
(補2)この記事が含まれるシリーズの記事の一覧は下記(別サイト)のとおりです。
  人生に詩歌ありシリーズの記事一覧 (GO!)
(補3)ブログ「鐘の声」には、10個ほどのシリーズとシリーズ以外の一般記事があります。シリーズの全体構成やシリーズ別の記事一覧は下記(別サイト)にあります。
  ☆「鐘の声」の全体構成(「鐘の声 ブログ」記事マップ)☆ (GO!)

「あやかしの術」を見抜く力を--社長の条件(17)

2005/12/12
「あやかしの術」を見抜く力を--社長の条件(17)

1.詭道を制するものが企業の防衛戦に勝利する
今回は、かなり違った角度の話題である。
企業には、3つたは5つのの基本戦略があることは以前述べている。
3つまたは5つの戦略--社長の条件(4)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/03/354_39eb.html
また、企業には対敵防衛という重要な任務があることにも触れた。
「戦い」について--社長の条件(3)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/02/3_bf1c.html
真正面からやってくる敵を迎え撃つ勇気と防衛戦の数々は、華々しくもあり、諸君らも、目の当たりにしているだろう。しかし、「戦い」は正規戦ばかりでない。
 始計篇 兵は詭道なり(孫子)
 兵は詭道なり。
 故に能なるもこれに不能をしめし、用なるもこれに不要をしめし、
 ・・・
だましあいの様相を呈するものが多い。詭道を制するものが企業の防衛戦に勝利すると言ってよい。
「兵は詭道」については、ここですべてを語りつくせないので別の機会に譲る。しかし、まずは仕掛けられる詭道を見破ることが大切である。見破れなければ、知らずに詭道にはめられ、気がつくと白旗以外の選択肢はなくなっている。実は、この輩を見破る極意がある。
やってくる邪まな輩は、「あやかしの術」を使用していることに注意すれば、まずは気づくだろう。

2.あやかしの術
「あやかし」とは、少し古いが、手元の「広辞苑」(第2版補訂版、岩波書店(1976))を見ると、下記のように書いてある。
---------------------------------------------------
あやかし
①船の難破しようとする時に出るという海上の怪物。幻覚による。海幽霊。謡、舟弁慶「この舟には___が憑いて候 ②転じて、不思議なこと。怪しいこと。また、そのもの。③あほう。馬鹿者。<日葡> ④コバンザメの異称。この魚が船底に粘着すると船が動かなくなり害をするという。⑤(怪士と書く)能面の一。妖気を表した男面。「鵺(ぬえ)」の前ジテ、「船弁慶」の後ジテなどに用いる。また三日月・鷹などの同系の面の総称。
あやかり
①「あやかし」に同じ。・・・
---------------------------------------------------
実は、他の辞典によれば、"赤ん坊をあやす"の「あやす」も同根で「あやかす」の短縮形という。
船の激しい揺れで、正気を失い、幻覚のなかに漂うにしてしまう現象を「怪物」の仕業とみなしたのであろう。子供をゆらゆらとゆすれば、海中で揺らいでいた太古の生命のように、前後不覚の夢に落ちる現象も「あやかされる(あやされる)」事象である。
現代の「あやかし(妖怪)」も、「あやかしの術」を使う。彼らは人をゆらゆらと揺らしてたぶらかすのである。「親切そうな言動と激しい罵倒」「高邁な理想とあらわな欲望」「対等主義の言説と激しい個人攻撃」「へりくだって下手に出て、機を見て居丈高に声を荒げる」など、極端から極端に言動はゆれる。これが、現代の「あやかし(妖怪)」のはじめに見えてくる特徴である。カルト教団や戦争捕虜に対する洗脳でもこの手法は頻繁に使われる。心許したり、弱い立場にいたりすれば、人は他人に合わせようと自然に心を傾ける。極端から極端に揺れ動く相手の言動に翻弄され、自分を見失い、やがて、その相手の言動に従わざるを得なくなる。「正論とずるい提案」などもたちの悪い営業マンの手口である。極端から極端に揺れ動く言説の中に、ちょうど自分の思いに合う瞬間があれば尚のことである。「この人は、ひどい言い方をするが正しいことも言っている」などと思わせてしまえば、しめたものである。「あやかし」にとっては、相手を絡めとることなどたやすいことである。ゆすりたかりの皆さんは、誰しも「あやかしの術」に長けている。詐欺商法の皆さんもしかりである。甘えてみたり、強く出てきたりの商売女の手練手管もたいていは「あやかしの術」に沿っている。
この術にはまると、まじめな人ほど、情報漏えい、背任、会社乗っ取りへの協力、使い込みや奥さんに言えない金遣いなど、あらゆる犯罪的なことに手を貸すようになる。知らなければ、そんな術にはまっていることさえ気がつかないままに警察のご厄介になったりもする。君たちは、これらの嵌め手をいち早く見抜いて、はまることを避けなければならない。この術は手品のようなものである。目くらましによって、人の心を操ろうというものである。手品もタネがわかってしまえば、人は容易にだまされたりはしない。「あやかしの術」というものがあることをしっかりとわきまえていれば、はめられることは少ないはずである。
「あやかしの術」は、もともと立場が弱く、権威のない人が、対等に競争できない場合に利用して、わが身を守るために発展した。その後自分の能力以上の立場を獲得する魔法の杖として使われるようになった。能力相応以上の立場は周囲に大変迷惑である。直接犯罪とはいえなくとも、その迷惑の程度はまま犯罪にも等しいものがある。たとえば、考えてみればよくわかるではないか。たとえば、社長が商売女にだまされて、いきなり仕事を知らないその女を営業部長にしてしまったら、部下には目も当てられない惨状が待っているに違いない。
さて、実は、「あやかし」は、芸能の世界では、立派な芸術である。虚と見せて実であったり、実と見せて虚を演出するのは舞台や映像の常套手段である。極端から極端への心のゆれを感じさせれば、虚を実と思い、実を虚とも思う怪しくも美しい世界が現出する。芸能の世界の人々は、この術を職能として持っている。しばしば、思わぬところで「あやかしの術」に遭遇すると、実はその世界につながる人がそこにはいたりする。あぶない、あぶない、美しすぎる妖怪がそこにはいる。君は、大丈夫か。

△次の記事: 社長の条件(18)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2006/01/18_c10a.html
▽前の記事: 社長の条件(16)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/12/16_cee7.html

琵琶

(補1)「鐘の声 ブログ」はリンクフリーです。ただし、「鐘の声 ブログ」の記事の一部または全部を引用または翻案して、公的に発言または発表される場合は、事前にメール等でお知らせください。[→連絡先]
(補2)この記事が含まれるシリーズの記事の一覧は下記(別サイト)のとおりです。
  社長の条件シリーズの記事一覧 (GO!)
(補3)ブログ「鐘の声」には、10個ほどのシリーズとシリーズ以外の一般記事があります。シリーズの全体構成やシリーズ別の記事一覧は下記(別サイト)にあります。
  ☆「鐘の声」の全体構成(「鐘の声 ブログ」記事マップ)☆ (GO!)

夜明けの散歩、巨大犬との遭遇--我が家の愛犬様(9)

2005/12/11
夜明けの散歩、巨大犬との遭遇--我が家の愛犬様(9)

今日も朝は冷え込んだ。
愛犬様は朝の5時ころから落ち着かない。「オサンポ!」という声を待っている。夏は5時の散歩、さすがに最近の5時はつらい。5時半、愛犬様がキューン、キューンとご主人様を呼ぶ。
5時45分、「オサンポ!」という掛け声をかけると、愛犬様はパッと駆け始める。我が家の愛犬様とのお散歩の開始である。愛犬様は、最初から疾走を求めている。私は昨夜のアルコールが頭を締め付けている。まて、まてっ、と心で叫びつつ、私も走る。ままよ、汗でもかけば体からアルコールが抜けるかなと考える。周囲はまだ漆黒の闇。近隣はまだ寝静まっている。空気は冷たい。身が引き締まる。
愛犬様が好きな鉄塔通りのグリーンベルトで、密集する草の上を行ったりきたり、土のにおいをかいだり、おしっこをしたり、ときには仰向けになって背中をこすり付けたりとうれしくてたまらない! を全身であらわしている。
グリーンベルトに飽きると、次の大好きスポットである町の公園に走る。ここは、地元の農家が、耕作しきれなくなった広い広い土地を町会に貸し出しているところである。周囲が木立に囲まれて房総大地のおもかげの残る一帯となっている。昼間は子供たちの野球場やサッカー場になっている。道路から一段と高くなっている入り口をすばやく駆け上がり駆け抜けて中に入ると、そこは、いっそうの暗闇である。足元の霜柱がひどく深いことに驚かされる。足をとられないようにと走る。
公園の中のグラウンドの半ばまで走り進むと、愛犬様がビタリと動作をとめた。何かを警戒したらしい。闇の向こうの木立の中で、なにやら白っぽいものがかすかに動いている。愛犬様は、やや身を沈めて、少しずつ、ゆっくりと進む。白っぽいものはどうやら軍手らしい。人がいる。そして、目を凝らすと、わが愛犬様の3倍はあろうかという巨大な犬がいる。まだこのお犬様はこちらに気づいていない。愛犬様は、獲物に忍び寄るライオンのように頭を低くしたままゆっくりと進む。足音はしない。ついてゆく私は愛犬様ほど巧みではない。足元ではガサコソと霜柱を踏み敷く音がしてしまう。闇の向こうの巨大な犬がはっとしたように振り返ると、いきなり、猛然とうなり始めて、地面を掻き立てて襲い掛かろうと走り掛ける。あちらの飼い主さんは必死だ。身を反り返らせて、ツナを引く。わが愛犬様も同じくらいのうなり声を上げて、地面を掻き立てる。私も必死だ。ツナを引き締める。愛犬様の足元のグランドの泥は、周囲に一気に跳ね上がる。相手の犬の周囲からは、猛烈な土煙が立ち上がる。私は、ゆっくりと、愛犬様を誘導しながら、右手に回り込むように移動する。相手のお犬様が、やや左向きの位置にいたからである。右手に回り込めば相手のお犬様は左手に逃れてゆくだろうという計算である。お相手の飼い主様も私の動きを察して、すぐに左へお犬様を誘導し始めた。こうして、両者は一定の距離を保ちつつ、巧みにすれ違うことに成功した。どちらかの飼い主が犬に負けていれば、壮絶な死闘がそこでは繰り広げられることになったに違いない。やれやれ。
わが愛犬様は、お相手のお犬様がいたあたりに到着すると、お相手のお犬様のにおいを打ち消そうとばかりに盛んにおしっこをして、最後には特大のウンコもした。愛犬様は得意げに私を見上げる。私がウンコの後始末をしている間、愛犬様はおとなしく待っている。しばらく公園の中を散策すると、愛犬様は満足して、公園の出口に向かう。足取りを緩めて、私の速度に合わせてくれる。いつもならば、まだまだ元気をもてあまして、どこかに飛んで行きたいとばかりに走るのに、今日はややおとなしい。巨大なお犬様との遭遇で、少しはエネルギーが発散できたのかもしれない。夜はしらじらと明けるつもりの時刻になる。自宅からはずいぶんと東のほうにやってきていた。「オウチ」と私が小声で言うと、愛犬様は、すなおに自宅に向かう道に入ってゆく。帰宅を承諾したのである。愛犬様は並足である。西に向かう道を私は大またかやや小走り程度で進んでゆく。帰路、日の出を迎えた。愛犬様が、においをかぐために脇にほんの少しの寄って立ち止まったあたりに、地元ではジジヒゲ(正式名称不詳)と呼ばれる蘭科の密生する自生植物が見えた。キラキラと凍り付いている。手に触れると固くもろくなっている。冬では当たり前の光景である。なおも進むと、陽の光に当たって、ジジヒゲは表面の氷が解けかけている。
 朝陽注ぐ、ジジヒゲの凍てつくや、蘇る (琵琶)
愛犬様は、もうすっかり、私の足の速度に合わせている。やっとお散歩に満足したのだろう。我が家は目の前である。
愛犬様は、私の体と心の健康のもとである。酒はすっかり抜けたようだ。

△次の記事: 我が家の愛犬様(10)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2006/01/__10_c8c4.html
▽前の記事: 我が家の愛犬様(8)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/10/8_433d.html

琵琶

(補1)「鐘の声 ブログ」はリンクフリーです。ただし、「鐘の声 ブログ」の記事の一部または全部を引用または翻案して、公的に発言または発表される場合は、事前にメール等でお知らせください。[→連絡先]
(補2)この記事が含まれるシリーズの記事の一覧は下記(別サイト)のとおりです。
  我が家の愛犬様シリーズの記事一覧 (GO!)
(補3)ブログ「鐘の声」には、10個ほどのシリーズとシリーズ以外の一般記事があります。シリーズの全体構成やシリーズ別の記事一覧は下記(別サイト)にあります。
  ☆「鐘の声」の全体構成(「鐘の声 ブログ」記事マップ)☆ (GO!)

貧すれども貪せず、われらアネハにあらズ--社長の条件(16)

2005/12/06
貧すれども貪せず、われらアネハにあらズ--社長の条件(16)

今(2005.12.06時点)で、耐震構造計算の捏造(偽造)が大問題になっている。この偽造を直接行ったのは、姉歯一級建築士であると言われている。彼が設計して建てられた建物は200棟を超えている。大半は、マンションである。この事件は、姉歯一級建築士の単独犯であるというには、規模が大きすぎる。これら欠陥建築には、経営コンサルタントのS社が総括的にかかわっており、H社というマンション販売業者、K建設という建設会社が積極関与している。どうやら漏れ伝わるところでは、S社が顧客の前に立ち、セミナ商法のテクニックで顧客にまがい物のマンション等を販売していた一連のまやかし商法であるらしい。S社はH社からコンサル料金などの名目で多額の資金を得ていた。H社はまがい物であることを承知でマンションなどを安く販売していた。K建設もまがい物であることを承知でマンションやビルをたてていたということらしい。姉歯氏は、まがい物の物件を正当に見せかけるためのウソの耐震構造計算書を営々として作成していたという構図らしい。今は捜査の最中で、どこまで真実に迫れるかまだわからない。S社、H社、K社の「故意」を立証できるかどうかも不明である。無罪放免となる可能性もなきにしもあらずである。したがって、ここでも実名を挙げることをあえて避けている。姉歯氏自体は、ウソを承知で、お金のためにやむにやまれずにやったと告白しているので、有罪は間違いがないだろう。
建築業界の元請・下請け関係の中で、建築設計事務所というのは実に弱い立場に立たされているということも、この事件は鮮明に示している。S社、H社は利ざや稼ぎの上澄み商売である。建築設計事務所は、彼らのいうことを聞かなければ仕事にも日銭にもありつけなかったのである。しかし、この場合、心弱きは罪であった。姉歯氏は、敢然と要求を拒否すべきであったのである。
システム業界も、事情はよく似ている。建築業界によく似た「元請・下請」の構造が出来上がっている。利益を得るのは、主として元請や仲介業者たちである。当社のように技術力を売り物にしている零細なシステムハウスは、建築業界における設計事務所に立場はよく似ている。普段から大きなお金には恵まれず、ヒルズ族とは雲泥の差がある清貧を余儀なくされる業種である。貧乏を画で書いたような会社経営である。このような貧乏を付け入る隙とみなす、不逞のやからもいないわけではない。
おかげさまで、私の会社がWeb-DBシステム構築の名手であるということはよく知られている。評判は広がり、そこそこにはお仕事のお話もいただく。ここにきて、「DBを使用しなければ、システムは安くできるだろう。普通のファイルで作って、予算を3分の一程度にできないか。メンテナンスや機能拡張は犠牲にしてよいから」という類の値下げ圧力がかかる。われわれがそれに応ずれば仕事を出すというのである。安普請の強要である。「メンテナンスや機能拡張は犠牲にしてよいから」という仲介業者の甘言は、うかつには乗れない。要は地震に耐えられない構造計算で建物を作れといっているのと同じである。最終ユーザにバレなければいいというようなやり方をしてもいずれはバレる時が来る。そのとき、その責任は誰が負うのか。「技術に精通したシステムハウスに一番の責任がある」といわれるのは当然のことである。仲介御者は逃げの一手で雲を霞にと姿をくらますに違いない。われわれに逃げるすべはない。手抜きの安普請を突貫工事でやっつけてくれという言葉には、どんなに魅力を感じても、ノーと言おう。貧しても鈍するな。目先のお金がどんなに魅力に見えても、ノーはノーである。われわれはアネハになってはならない。少なくとも、私は、25年間、そうやって歯を食いしばってきた。
今度、「手抜きの安普請を突貫工事でやっつけてくれ」という仲介業者がいたら、「われわれはお受けできません。アネハに行ってください」とでもいうことにしたい。
諸君もまた誘惑に負けずに、技術中心企業としての誇りを貫いてほしい。

△次の記事: 社長の条件(17)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/12/17_9846.html
▽前の記事: 社長の条件(15)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/11/15_b96e.html

琵琶

(補1)「鐘の声 ブログ」はリンクフリーです。ただし、「鐘の声 ブログ」の記事の一部または全部を引用または翻案して、公的に発言または発表される場合は、事前にメール等でお知らせください。[→連絡先]
(補2)この記事が含まれるシリーズの記事の一覧は下記(別サイト)のとおりです。
  社長の条件シリーズの記事一覧 (GO!)
(補3)ブログ「鐘の声」には、10個ほどのシリーズとシリーズ以外の一般記事があります。シリーズの全体構成やシリーズ別の記事一覧は下記(別サイト)にあります。
  ☆「鐘の声」の全体構成(「鐘の声 ブログ」記事マップ)☆ (GO!)

« 2005年11月 | トップページ | 2006年1月 »