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「"一人にしない" 情報コミュニケーションシステム」へ、新春に思う--社長の条件(18)

2006/01/01
「"一人にしない" 情報コミュニケーションシステム」へ、新春に思う--社長の条件(18)

あけまして、おめでとうございます。
旧年中はたくさんの皆様に支えられ、お陰さまで希望あふれる新年を迎えることができましたことを心から感謝いたします。本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。(平伏)
<--次期の社長の候補の諸君も、しっかり頭を下げるように。稔るほど、頭(こうべ)を垂れる、稲穂かな。

さて、電子式計算機(コンピュータ)の歴史は1945年頃から始まりました。1980年代のパソコンブームは、それまで人を支配する道具でしかなかったコンピュータを、人々の側に立つコンピュータに転換させた大きなムーブメントでした。当社は、このムーブメントの直前に設立され、この流れに棹さすように発展してきました。世は急速に高度情報化社会へと向かってゆきました。不肖私が命名した「人に近づくコンピュータの時代」「人類の共生を支援するコンピュータの時代」などの言葉もそのときどきの時代を表すものとして幾分か世に知られたりもしました。さて、ハードウエアの発展普及はすでに成熟期を迎えています。このままでは、2010年には、この熱気は失われているだろうと予測されるところです。
しかし、今、また新しいムーブメントが起きかけてます。足元を見れば、高度情報化社会によって成立した「一人とその他多数」という乾いた弱い関係は微妙に人々を孤立させてゆきました。今、始まっているものは、人々の孤立感をぬぐうための「一人にしない重層的組織構造」を社会の隅々で再構築しようという心の熱くなるムーブメントです。日本はかつて「一人にしない重層的組織構造」をしっかりともつ有数の社会(「一人にしない社会」)でした。欧米からのねたみの声に気おされるかのように、わずか直近二十数年で「一人にしない社会」は破壊され、この民族的性格は失われたかのように見えます。アメリカは日本の高度成長期に日本に負けないために日本から「身近な人々の協調」の精神を学びました。アメリカの友人は、最近「日本人にはチームスピリットがないのか」と言う始末です。あらためて、今、日本でも「一人にしない社会」が熱く求められています。とはいえ、古い社会の枠組みはもう返ってはきませんし、情報ネットワークシステムをなくすことも不可能です。
以前の(重苦しく感じた)「一人にしない重層的組織構造」を壊すのに手を貸したのも近年の情報システムですが、新しい「一人にしない重層的組織構造」を構築を手助けするものも近未来型の情報システムのはずです。SNS(ソーシャルネットワークシステム、紹介者のある人しか参加できないネットコミュニティ)は、これに対する新しい回答のひとつの例ですが、ひとつのよい例です。昨年、SNSは爆発的な普及を見せました。人々は、未知の犯罪者が混入する危険性の少ない新しいネットコミュニティを歓迎しました。相互に互いの人格を知りうるコミュニティこそ、人々の求めていたものでした。人々は「一人にしない情報コミュニケーションの時代」の到来を求めています。「一人にしない情報コミュニケーションシステム」はSNSにとどまらないはずです。
経済界に目を向ければ、企業は最強の企業となるべく熾烈な競争を繰り広げています。市場開拓、調達ルート開発、学術研究戦略、海外戦略、、、そして組織戦略、手がける分野は広大です。しかし、その企業が最強の組織となるためには、社会環境から学習し、構成員がすばやくその知識を共有できるための「情報コミュニケーション能力」を持たなければなりません。なるほど「社長とその他多数」という広報的コミュニケーション技術は極限まで発達しています。それだけではありません。社員から社長へのご意見メールも自由に出せる企業もあります。しかし、社員は相互に孤立し、かつてのようなノミニケーションは廃れて、隣席同士の交流も親身なものではありません。ある社員が良い知恵を得てもその知恵を縦横に広げて行く道が狭められています。これでは「最強の組織」は成立しません。「一人にしない重層的組織構造」が最強のビジネス軍団を作り出すはずです。その逆は負ける企業です。チームスピリットが育たないサッカーチームが勝てないのと同じ道理です。「一人にしない重層的組織構造」を支える「一人にしない情報コミュニケーションシステム」が、今、どの企業、団体にも必要です。
高度情報化社会の成立によって、旧社会の重い社会制度のくびきは破壊され、人々は開放され、新しい自由を手に入れたように見えます。封建制度の終わりに人々は農村の因習から解放された開放感を満喫したように、高度情報化社会の成立には、二つの大戦のあとにも根強く人々を縛り付けていた古い門閥と戦後金閥などのしがらみから開放された喜びはありました。これは経済の高度成長にとっては大変好都合でした。ビジネス兵士である"自由な労働者"を一人でも多く作り出すためには、家族と地域社会を末端まで解体して、男女を問わずに人をバラバラにすることが役に立ったのです。一方、社会の隅々までが「一人とその他多数」という乾いた関係になり、老人、中年、青年、少年少女のそれぞれに広がると、地すべり的にさまざまな社会的弊害を発生させてきました。老人の孤独死、中年の自殺の増加、知性なき丸暗記族(社会的不適応)、ニートキレる子供たち、殺される子供たち、、、。・・・。私たちは、老人のグループホーム、中年のための生涯学習、大学での協調学習、ひきこもり青年のためのニート塾、子供たちのための防犯ボランティアと集団登下校など、この社会の悪しき圧力にさまざまな抵抗を試みてきました。これらの貴重な志に、高度に発達した情報システムはもっと力強く奉仕すべきです。
 幸い、当社は1981年の設立以来、システムハウスでありながら出版活動も絶やすことなく続けてきました。また長く人工知能システムの研究開発の仕事に取り組んできています。人の感性を大切にすること、知性なき単純処理を超えた人に優しい情報システム作りに長けています。「情報コミュニケーション」の何たるかを最もよく知る技能チームのひとつであると自負しています。
 当社は、本年、特に「”一人にしない”情報コミュニケーションシステム」の普及確立と運営支援に注力してゆきたいと決意しています。企業・団体と社会のすべてに。
 私たちのスタッフは、額の汗と脳みその汗を厭いません。皆様のご鞭撻とご指導をなにとぞよろしくお願い申し上げます。

参考:「戦略的情報組織学」
http://www.sciencehouse.jp/research/20050423strategy_info.pdf
「組織破断限界シミュレーションの試み--感性的研究生活」
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2005/12/x_3eb6.html

2006年元旦
北総の森の近くで


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琵琶

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