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和のデザインのはじめと今--オヤジと家族のお料理ライフ(8)

2006/02/01-2/11
和のデザインのはじめと今--オヤジと家族のお料理ライフ(8)

お造りなどの盛り付けには、あるデザインの基本ルールが存在する。公家が好んだ庭園の作りにも似ている。このデザインを語るには、ちょっとした回り道が必要だ。
ルネッサンスの巨匠たちは日本の浮世絵などに多くを学んだことが知られている。遠近法のヒントも日本の絵画からもたらされたとされている。しかし、絵画の背後にある構図には、基本的な違いがある。
ヨーロッパの画家たちの絵の作業線(ワーキングライン)は、水平と垂直、放射線など、どっしりとした安定したものが多い。激しい動きのある絵画であっても、画家の視線はしっかりと動かぬ大地に固定されている。
日本の絵画の特徴は、画面に向かう画家自体が漂うがごときであり、視線にはゆれや戸惑いが感じられる。画面を仔細に観察すると、そこにある作業線は、水平と垂直、放射線というような直線的なものは少ない。大きな重心、中ぐらいの重心、小さな重心という3重心が見て取れる。たとえば、広重の「なみうらの富士」は、構図を壊してダイナミックな表現にしているというような評論がよくされるが、構図は壊されているのではない。3重心のうち、大きな重心が左上の大波、中ぐらいの重心が右半ばの小船、小さな重心に富士が割り当てられている。3重心のそれぞれの位置は絵によって自在に変化する。この観察は、私が初めてのようなので、いつかしっかりとどこかで発表したいと思っている。この3重心は、どこかで微妙なバランスが取れている。激しい動を表現していても、平衡点に戻ろうとする力が備わっている。
実は、私は、子供の頃、多分5歳か6歳のとき、この秘密を知ったのである。当時、私は、子供じみたお絵かきにはまっていた。母方の叔父が二科会に属していて審査委員も勤める男だった。どういうわけか、この叔父に私は気に入れらて、かわいがられていた。この叔父にほめられたことがきっかけでお絵かきについては天狗だった。洋風の構図の基本形はそれなりに知っていた。一方、母はお華の道に熱が入っていた。自分が修行するだけでは気がすまなくて、自分の子供に茶道や華道を教えようと躍起だった。流派は龍生派(当時は「池坊龍生派」)である。基本レイアウトは、真(しん)・副(そえ)・体(たい)という3つの軸を広がるようにいけてゆくのである。基本八形、これを崩した形などがあった。お花は根元が固定されているものの、しなやかにたわみ、時には凛として斜めに宙に突き出る。風のない水面や揺るがぬ大地のような固さはない。しかし、それらの3軸には確かなバランスがあった。それは何か、子供の私には不思議だった。あるとき、母は宙づりにする「舟形」を活けた。舟の形をした花器に花材を活けるのだが、その構図は、まさしく帆掛け舟のそれであった。細い紐で下げられた「舟形」は、微妙にかしぎつつ、バランスよく空中にとどまった。私には衝撃が走った。活けられた形は中央のやや傾いた大きな帆、舟の形をした花器の重心、艪を模してやや下方に向かう流れ、3つの重心が存在した。この3つのバランスが舟形を微妙に宙にとどめている。そうか、真、副、体は、波間に浮かぶ帆船のバランスなのだ、と心の中で爆発するような思いがした。
しばらくして、私は、叔父の勧めで油絵をよくする画家(一水会)のご夫妻に師事することになった。小学校に通いはじめるころだったと思う。このご夫妻は、ともに流山の旧家のご出身で、もともとおっとりしていてお金に疎く、いつも貧乏を嘆いていた。お金のことで、口論をしていることも多く、私は、日曜日の朝お宅に到着すると、朝食の続きで口論が始まっており、待たされることも多かった。そんなときは、廊下の隅に座って、先生たちが読みおかれた画集や絵画についての雑誌を読みふけった。それはそれで至福の時間だった。ご夫妻や出入りされるお仲間の方の絵は巧みで、いつも驚嘆するものばかりだった。子供じみたお絵かきの世界とはまったく異なる世界がそこにはあった。私は、ここで、石膏デッサンや、油絵の具の溶き方から、キャンバスに筆をおく仕方のイロハから教えられた。先生は、私の絵を見て、書くべき対象を良く見て書きなさい、君の絵の中に雪見灯篭があるけれどそれに触ったことがありますか、ざらざらしていて重いでしょう、一度触って持ち上げようと試してごらん、それに、石灯篭の後ろはどうなっているのかここからでは見えないところも良く見てくるんだよ、、、と教えてくれた。見たなりを書くんじゃない、実際を五感で知って理解して描けと教えてくれたのである。日暮れまで絵を描いて、私は帰る。しかし、いくらかいても、先生たちのようにはうまく描けない。あせりは年々、日々募った。先生たちは自分が教えられている油絵の基本とは異なる絵を描いていた。油絵でありながら、水彩画のような絵を描いている。まるで日本画のような色合いと構図だった。作品を盗み見て、自分も真似てみたいと思った。そうだ、3重心で描いてみようと私は生意気にも思った。あるとき雪景色を3重心で描いてみた。自慢したいはちきれんばかりの気持ちで、先生に持ってゆくと、先生はいつになく不機嫌そうな怖い顔で、基本もできていないのにこんなものを書くんじゃないと叱った。その顔はマジだった。多分、基本もマスターできないうちに発展領域に手を出せば基礎がしっかりと固められないということだった。私は、そのとき、自分がヘタなのでしかられたのだろう思うだけだった。小学校3年生か4年生の頃だったと記憶している。ご夫妻の家には、その後も、毎日曜日、小学校を卒業するまで電車で通った。
私が生まれ育った家には、庭があり、大部分は食糧難時代を通して家庭菜園用の畑になっていた。それでも、松が5本あった。大きな柿の木が3-4本、イチジクの巨木、枇杷の大木などがあった。生垣が敷地を回っており他にもいろいろな木が植わっていた。おカシラ、と呼ばれていた近所の庭師のおじさんが、気が向くとやってきて、庭の手入れをした。普段は鳶の棟梁として働いているのだが、仕事にあぶれると、一杯引っ掛けて赤柄顔でやってきた。庭の手入れを済ませると、坊ちゃん坊ちゃんと私を呼び、私相手にいろいろなことを話してくれた。カシラは父が帰宅するのを待つのである。カシラは小学校時代、父の教室にいて算数が一番だったというのが自慢だった。学校に上がる前からカシラの親方がカシラに和算を教えていたのだ。父が勤務先の学校から帰宅すると、父は熨斗袋にご祝儀と書き何がしかのお金を入れて出し、母に燗をつけさせると、縁側に腰を下ろして、スルメの焼いたものなどのささやかなつまみでカシラと一杯やるのである。熨斗袋に入れずにむき出しのお金を渡そうとしてもカシラは受け取らなかった。あるとき、酒の席のおつまみを狙ってそばを離れなかった私が、カシラに庭の造り方とお花の盛り花の形は似てますよねと言った。カシラは、えたりとばかりに力を込めて教えてくれた。庭師も華道の先生も元は同じなのさ、お寺に仕えて、庭を造ったり仏様にお茶や花をささげたりしていたのさ、庭だってお花だって、築山があって手前に池があってさ、左右に茂みを作るのさ、そうだよね、奥さん、と母に向かって同意を求める。お寺の娘だった母は、部屋の奥で、一瞬緊張した表情を見せて、そうよ、父がそう言っていたわ、と応えた。母の父とは大きな寺の和尚だった。私には、また衝撃が走った。そうか、日本の美のルーツは一つなのだ。
さて、やがて長じて、私は出版社の編集部に約10年勤めた。最初の給料日から8年ほど通った料理屋さんがある。この店の主人は大きな料亭の跡継ぎになるべき人だったが、商社勤務だったそうである。店を訪れた最初の日は開店してまだ1か月もたっていないということだった。ご主人の料理はお世辞にもうまいとはいえなかった。素人の私のほうがうまいくらいだった。しかし、彼の母親が作る煮物はうまかった。実は、この店には、日替わりで調理の先生がやってきており、店長をしごいていた。未来の料亭のご亭主となるには、職人に馬鹿にされるようではダメだということで、彼の親父さんがそうしていたようである。私以外に客はめったに来ない店なので、週に1,2度私が行くと、私も手招きされて、厨房に入ることになるのである。煮方、焼き方、揚げ方、お造りの先生とその時々の先生の専門が異なっている。店長と同じ勢いで、どやされながら料理を習うのである。材料は見たこともないような高級品ばかりである。ヘタなネタで練習するとウデが腐るのだそうである。お造りの練習には、天然ブリやシマアジなどがふんだんに使われた。タイラ貝もプリプリの動いているような奴である。エビは飛び跳ねるので捕まえるのが一苦労である。私が練習して刺身包丁で切って、皿に盛り付けして、うまくできると先生はウンとほめた。スジがいいだの、出版社勤めなんかじゃもったいないなどと褒めちぎるのである。いやー、ほめ上手な先生が多かった。失敗したりモタモタしていれば、拳固で頭を殴られるくらいは当たり前、包丁の先でケツをつつかれたこともある。ほめてくれたって、実は厳しい。そのまま、一切れくらい口にしてみたいと思っていると、先生が皿を奪って、バサッとごみ捨てにほうり込む。これは練習したものだから食いモンじゃない、食べたかったら向こう側(客席のあるほう)に行って注文しな、という。ハイ、と言って、私は客席に回って、シマアジ一人前お願いします、と言う。そうすると、先生はニコニコと鮮やかな手つきで、シマアジをお造りに仕立てて、ハイよ、と私の前においてくれる。勢い良くおいたお皿なのに、コトリとも音がしないし盛り付けた形も崩れない。熟達の手わざである。凛とした空気がただよう。どこが違うのか、刺身の切り口も鮮やか、並べられた形にも品格がある。口に含む前に神々しさが満ちてくる。あるとき、お造りの盛り付け方が、枯山水の庭に似ていると私が言うと、その先生は、おうよ、そのとおりよ、大きな築山があって、手前に低いくぼ地があって中くらいの山、さらに手前に小さな山があるだろう、庭はもともと縮景と言ってな、自然の風景を縮小して写したんだがな、庭を鑑賞するのに適した形に整えられて、この形が基本形になったのよ、いろいろとバリエーションもあるけどな、と先生からのありがたい講釈があった。3つの重心があると言うわけですね、活け花でも3重心がありますよね、と私がまぜ返すと、当たり前だよ、和の心よ、と先生。実はその男前の先生は、華道も習っているのだそうで、古流だと言った。ときどき展覧会にも出品していると言う。驚いた。板前さんも極めるためには、大変なものなのだと恐れ入った。先生は、日本人の心に合う色と形があるんだと力説。理屈は分からないが、昔から、日本人の生活の中にある色と形には基本形があるんだ、それを見つけて再現して、こうして鮮やかに見せることが職人の腕なのだと言う。なるほど、日本の絵画、日本式の庭園、和風の料理、活け花、どれをとっても、3重心バランス構図が貫かれている。先生は絵画については語らなかったが、私の心の中ですべてが結びついた。これは、日本人の美意識の隠された秘密なのである。私が日本の美意識に3重心バランス構図(倒れんとして、倒れない)が貫かれていることを確信したのはここである。そのルーツについては、さらに30数年を過ぎて最近、あることに気が付いた。その話は別の機会に書くことにする。
何を隠そう、私は、この流行らない店長実習用のお料理屋さんで、料理の基本を習ったのである。講習料はただで、きっと名もある先生方だっただろうに名前も聞かなかった。もったいなくも申し訳ない。今も、料理をして盛り付けをする段になると、あのお造りの先生のことを思い出す。別の先生方からも煮物や焼き物、揚げ物は教えていただいた。教えられたとおりには今でもできてはいないに違いない・・・、不肖の弟子、というよりも門前の小僧に近かったのだから。
店長は、気まぐれにお店の「料理教室」に現れる私をすぐに追い抜いて、着実にさまざまな技を習得し、ウデを上げ、免許皆伝となり、堂々たる風格も自然に備えるようになっていた。そんな、ある日忽然として店は閉じられてしまった。店には、1枚の張り紙がしてあった。「本店勤務となりましたので、閉店いたします」本店がどこにあるのか一度は聞いたが忘れてしまったので、もう一度聞こうと思いつつ、ついに聞きそびれてしまった。
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[水曜日(2/1)]--この日は、配食センターからお弁当が届く日である。老母向けの料理はお休みである。
[木曜日(2/2)]--担当、奥さん
・雷汁--奥さん
お豆腐とゴボウの味噌炊きである。木綿どうふ1丁、ゴボウ3分の一程度、ネギ4分の一を用意する。豆腐は、ふきんにくるんで、皿に載せ、電子レンジであためる。一気に水がでて、身がしまる。ゴボウは食べやすいように1-2センチにさきがけに切る。ナベにごま油を敷いて、ゴボウを軽く炒めて、豆腐を入れる。豆腐の水気を飛ばすように身を崩しながら炒める。だし汁600CCくらいを加えて、味噌大さじ2、ネギのミジン切りを加えて味噌をよくといたら火からなべを下ろす。お椀に盛って出来上がり。体がぽかぽかになる。
・白菜とキクラゲの甘酢炒め
酸味がおいしい温野菜料理。白菜200グラム、キクラゲ5-6枚(乾燥)、ショウガ小カケラ、唐辛子半分くらいを用意する。水に戻したキクラゲを2ミリ幅くらいに切る。白菜は1.5センチ角くらいに切る。ショウガはせん切り、唐辛子は輪切りにする。ごま油で、白菜、キクラゲ、ショウガ、唐辛子をフライパンで炒める。黒酢、砂糖大さじ各1、塩少々を加えて、よくあわせれば出来上がり。ピリッとした酸味が疲れを癒してくれそう。
・おみ漬け
いただいた山形のおみ漬けを小皿に盛り分ける。
[金曜日(2/3)]--奥さん
・カリフラワーのカニ餡かけ
カリフラワー400gを小房に分けてなべでゆでる。湯だったら小立どんぶりに入れ、煮汁にカニ缶詰をあけ、生しいたけとショウガのみじんぎりを加える。酒大さじ1、カタクリ粉小さじ1を溶かして加えて、加熱してトロミを出して、カリフラワーの上にかける。
・うなぎと豆腐のレンジ蒸し
うなぎは150g、豆腐は1丁使う。うなぎは幅3ミリくらいに切る。崩した豆腐とともにボウルであわせる。溶き卵2個、カタクリ粉小さじ1を加えて、良く混ぜる。極小の耐熱どんぶりに分けて入れて、電子レンジで3分、上にショウガのミジンを振る。だし汁でショウユを割って、上からかけて完成。
・天津の肉団子
具材は食材店で購入。電子レンジで暖めれば完成。うなぎと豆腐のレンジ蒸しのために作った出し汁のあまりを掛けて出来上がり。簡単でおいしい。
[土曜日(2/4)]--私
・ガンモドキとタラの旨煮
老母から、食べきれないからと買ったばかりのガンモドキを1パック貰った。最近、週に2-3度くらいは老母も買い物に出かけるらしい。ずいぶん元気になったものだ。買い物はついうれしくて、いろいろと買い込みすぎる。食材を買いすぎると我が家に回ってくる。これで何か料理してくれという意味でもある。
貰ったガンモドキは、4センチ角くらいの大き目のサイコロ状のものである。10個入っていた。これを斜めに2つ切りにする。タラの切り身が2枚冷凍庫にあったので、解凍して2センチ幅くらいに切る。白菜は8分の一を2センチ角にザク切り、タマネギは半個をせん切り、長ネギは1本斜め切りにしてなべに入れる。カツオ出汁、ミリン、紹興酒、スリオロシショウガ、オイスターソース、ショウユ、酢でふたをしてとろ火でコトコトと煮る。タマネギが透明になったら、水溶きしたカタクリ粉を加えてトロミをつける。ゴマ油は最後に香り付けにたらして混ぜる。暖かいうちに食べるとやたらとうまい。深めの小どんぶりにいれてさめないにくくする。
・シシャモの唐揚げ
付け合せに、これも冷凍庫に眠っていた生のシシャモを解凍して薄力粉で唐揚げにする。衣には塩とオロシショウガとニンニクを少々を仕込んだ。
・おみ漬け
いただいた山形からの贈り物。これが最後。--実は、昨日、贈り主のヒトからメールをいただいた。このブログを読んでいるとのこと。本当においしいものの数々、ありがとうございました。今度会うときには、私の地元の品を持ってゆくからね。いただいたほどたくさんはあげられないに違いないけれど、気持ちだけ、ちょっぴりと。
[日曜日(2/5)]--私
・たけのこ芋とトリニクの合わせ煮
老母からたけのこ芋が届いた。いただき物だという。どなたからいただいたのかは聞かなかった。面取りの要領でたけのこ芋の皮をむく。表面近くは、やや悪くなっているところもあるので、厚めに皮をむく。一口大に切ってなべに入れる。大きな芋3個で、ナベが半分ほど埋まる。トリムネ肉、大きなものを1枚、2センチ角のさいころに切る。ゴボウを半分、2センチくらい斜め切りにして、ニンジンを彩りに加える。トリニクの臭みが、ゴボウの香りで消える。トリニクとゴボウは相性がいい。カツオ出汁、ミリン、ショウユを加えて、芋が崩れないようにプツプツと泡が出ている程度にとろ火で煮る。ほっとするうまさである。
・サバの照り焼き
サバの一夜干しを照り焼きにした。そのままでは大きすぎるので、切り身をさらに2つ切りにした。油断して少し焦げ目がきつくなってしまったが、食べられないほどではない。ごめんなさい、とムネのうちで手を合わせた。
・トリ肉とカリフラワーのホワイトシチュー
トリモモ肉を使用した。やや大きめに切り分けたモモ肉、乱切りにしたニンジンをなべに入れ、油をまわして、軽くいためる。あまり野菜のレタス、春菊を刻んで、コショウ、塩、オロシショウガとともに加えて、具の半分ほどの高さまで水を入れ、たっぷり牛乳を入れる。具はすっかり白い液体に隠れてしまう。吹き零れないように弱火でコトコトと煮て、トリニクに火が通ったら、火を止めて、白ワインを4分の一ボトルほどたっぷりと加えた。ワインを加えて煮てしまうと固まりができてしまうので、追加で火には掛けない。ワインの香りがたまらない。朝からワインを一杯やっているようなものだが、日曜日だからまぁいいか、というのが、私の考えだった。贅沢で、うまい。
[月曜日(2/6)]--お休み
2/3-2/5は、県の華道協会主催の華展が地元で開かれていた。実は、老母はこの華展のプロジューサだった。病み上がりなのに、こうした行事になるとひときわがんばってしまうのがこの母の性癖である。周囲ははらはらのし通しだったが、100鉢くらいの展覧会なのだが、何と自分のお弟子さんたちの作品も含めて12鉢も出展し、かつ全体の展示会を仕切ってしまったのである。当然、私は送り迎えの義務と鑑賞の義務がついてきた。こういうとき母は元気である。そして、母は、毎日、昼は近くのデパートでお仲間とおいしい昼食を食べてくるのである。最終日ともなれば、打ち上げの宴ために夕食も食べてきた。こうなると、冷蔵庫のお料理はだぶついてしまう。朝早く、老母はうちの奥さんに「今日は、お料理はいいわ。まだあるから」と言ったのだそうである。奥さんは、料理を作りかけていたのでややご不満だったが、明日に持ち越そうと私がなだめると、納得してくれた。明日は順番からすると息子の番、ローテーションの調整が必要だ。チョッと大変かも。
[火曜日(2/7)]--奥さんと息子、私
奥さんは、昨日作りかけたお料理を今朝完成した。私の作品も1点。息子は、和風カレーライスほかに挑戦した。
作ったもの全部を老母には届けられない。食べきれないというだろう。届けるつもりで作って、届けなかったお料理もある。どれを届けたかは、秘密ということにしておく。なにやら、お料理オリンピックのような賑わいとなった。昼も夜も食べたので、我が家で消化し終わったのは夕食の後である。
・和風カレーライス--息子
カツオ出汁、ミリン、ショウユであらかじめタレを作っておく。ゆで卵とネギのせん切り、三つ葉のミジン切りを用意しておく。トリニク、ジャガイモ、ニンジンなども炒めずに少な目の水で煮込む。灰汁はこまめに取り除く。ジャガイモやニンジンが柔らかくなったら、和風のタレを加えて沸騰させる。カレーの素を加え、ひと煮立ちしたら、ご飯を盛ったどんぶりに掛ける。ゆで卵を剥いてのせ、ネギのせん切り、三つ葉のミジン切りを飾る。見た目にも鮮やかで食をそそる。ネギと三つ葉の香りがいい。カレーの辛さに生ネギのピリッとした辛味が良く合う。これは絶品。
・ダイコンの土佐作り--奥さん
ダイコン500g、カツオブシ20gを用意する。ダイコンは1センチほどの輪切りにして、カツラ剥きの要領で皮を除く、4つのイチョウに切っておく。カツオブシを乾煎りしてから、調理用のポリ袋に入れてよく揉んで小さくしておく。ここにダイコンを入れ、しょうゆ、みりん、酢を各大さじ2ずつ加えて、混ぜ合わせるだけ。「ご飯お代わり!」の食欲ススム君だ。だまされたと思って、皆さんもつくってみてはいかが。
・ピーマンとニンジン、ジャガイモの炒め物--息子
すべて2-3ミリの幅に切る。ジャガイモは四角柱。形をそろえるのはやや難しいが、息子らしく几帳面にそろえた。ラード、塩少々、で出来上がり。シンプルでうまい。
・白菜とハムの煮物--息子
白菜の芯の柔らかい部分を1センチ幅に切る。ハムも1センチ幅。コンソメと塩少々、ワインとコショウで完成。これも暖かくてうまい。
・カボチャのチーズ焼き--奥さん
カボチャ400g、タマネギ200g、プチトマト12個、溶けるチーズ100gを用意する。カボチャは5ミリの厚さで、沸騰したお湯で2分ほど湯がく。タマネギは薄切りにする。プチトマトはヘタを取って半分ずつに切る。生クリーム、牛乳各40cc、ナツメグ、コショウ、塩を混ぜる。耐熱容器にバターを塗って、カボチャ、タマネギを広げて、トマトとチーズをその上に掛ける。オーブンで30分焼くと香ばしく出来上がる。彩り華やか。
・春菊のゴマ和え--奥さん
春菊300g、黒スリゴマ30gを用意する。春菊の葉だけをつまみ取り出す。塩を入れて沸騰しさせた湯で、ゆでて、ざるに揚げ、冷水にさらす。水を切って長さ3センチくらいに切り、しょうゆ大さじ半分を混ぜる。黒いスリゴマを鍋で軽く炒めて、砂糖、しょうゆ各大さじ1を加え、春菊を和える。ゴマの香りが食欲をそそる。粒のゴマを炒ってすったほうが香りが出るが、擂(す)るのは一苦労なので、スリゴマを利用した。今は便利になっている。
・ジャガイモとダイコンとイカと小エビ--私
ジャガイモとダイコンとイカをすべて一口大に切って、小エビとあわせてなべに入れ、カツオ出汁、ミリン、ショウユで炊く。ダイコンは灰汁をすべて吸ってしかもダイコンの味かよくなるので、煮物に欠かせない楽で楽しい食材だ。汁が透明に仕上がるので、なお、おいしそうに見える。伝統の味だから、老母でも安心して食べられる。
[水曜日(2/8)]--お休み
配食センターから老母にお弁当がとどく日。我が家から老母に届けるお料理はお休みである。
[木曜日(2/9)]--私
・煮ブタの酢味噌アンかけ
焼きブタ用のブタブロックを前の晩から、とろ火で塩茹でにした。灰汁取りシートが欠かせない。朝もしばらく煮たあと、取り出して、薄切りにして、酢味噌のアンをかけた。酢味噌アンは、煮汁をおタマ一杯分別の小ナベとり、味噌を溶かして、酢、ミリン、ごま油を加えて沸騰したところに水に溶いたカタクリ粉を加えて出来上がり。ブタのうまみがぎゅうぎゅうに詰まったブロックを薄切りにしたので、うまさは抜群である。
・キャベツ巻きのショウユ風味
キャベツ巻きをショウユ、ミリン、米黒酢少々で炊いたもの。牛乳のホワイトスープで炊くものとは一味違う。関係者には評判の一品。
・カレイの煮付け
和風の基本料理。卵をいっぱい抱えたカレイの切り身を煮崩れないように水から、中火程度でゆっくりとあたためる。水にはあらかじめ、カツオ出汁を加え、昆布一切れを入れておく。泡が出てきたら、ショウユとミリンとオロシショウガを加えて、とろ火にして、静かに煮る。灰汁取りはこまめにやる。息子曰く、こんなに難しい料理、良くやるねと。いやいや、難しくはないのだが、集中力がないと煮崩れてしまう。カレイの切り身からもうまみはたくさんでるが、事前にカツオ味を加えることで、うまみに深みが出てくる。この味は、日本人なら誰でも納得のはず。
[金曜日(2/10)]--奥さん
・トリスキナベ
トリムネ肉400g、ダイコン400g、マイタケ1パック、ネギ1本、卵4個を用意する。トリニクは細く長くなるように刻む。ダイコンは、2センチ幅に切って八つ割にする。ネギは斜め切り。卵は溶いて呑水(どんすい)に入れる。カツオ出汁に、酒、ミリン、ショウユを各大さじ4を加えて煮たて、その中に砂糖大さじ1を溶かし割り下とする。ナベに油をしいて、トリニクを軽く両面を焼いて、割り下とダイコン、ネギを加える。トリニクに火が通ったら、溶き卵に漬けて食べる。隣の家の老母に溶き卵を届けるのは困難なので、子どんぶりにナベのおいしいところを掬って卵をかけて、電子レンジに掛けて卵とじにした。
・ブリのユズ味噌焼き
ブリの切り身を塩を溶かした酒に10分ほど漬けておく。味噌40g、砂糖大さじ3、ユズの皮を千切りにしたものを加えて小ナベでかき混ぜる。ユズは我が家の庭になっていたもの。贅沢に使用する。オーブントースターのトレーの上にアルミホイルを敷いて、漬け込みの終わったブリの切り身とシシトウを並べて、7分ほど焼く。シシトウを取り出して、ブリにはユズ味噌を塗って、さらに3分ほどオーブンで焼く。こんがりといいにおいが部屋中に満ちてくる。文句なしにおいしい。
[土曜日(2/11)]--私
・肉団子と根ヤサイの和風煮込み
牛ブタの合挽きにオロシショウガ、塩を加えてよく練る。持ちつきの要領で手で挽肉を返しながら、こぶしで突くようにすると粘りが出て、よくまとまる。サトイモ、ニンジン、ダイコン、しいたけを大きさがそろうように切る。ナベにヤサイを入れ、カツオ出汁、ミリン、酒、ショウユで炊く。沸騰してきたら、右手のスプーンで練り上げられた挽肉を掬って、左手でこれを受け、そのまま左の片手で団子にまとめて湯に落としてゆく。灰汁を掬いながら、しばらく煮込むと出来上がり。赤いニンジンと白いサトイモと黒いサトイモ、透明感のあるダイコン、澄んだショウユの汁にうまみがたっぷり。作者が言うのもおこがましいが、キレイでおいしい。
・生利ブシのマヨネーズ和え
生利ブシを電子レンジで、加熱して生臭いにおいを飛ばす。1センチくらいの厚さに切ったら、ボウルに入れ、マヨネーズとコショウをたっぷり加えて和える。小どんぶりに盛って、トマトケチャップを飾って完成。ボリューム感のあるおかずである。
・ダイコンのべったら漬け
京都のべったら漬けを4等分して、一緒に漬けられていた昆布を細切りにして飾りとして副える。見た目も鮮やかで食が進む。
(学会発表が近くなり、ここに記事を書く余裕が乏しいので、しばらくお休みにします)
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和の美意識は食にも貫かれている。和の美に、少しでも近づきながら、食を楽しみたい。食は人生の楽しみである。

△次の記事: オヤジと家族のお料理ライフ(9)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2006/03/9_a32b.html
▽前の記事: オヤジと家族のお料理ライフ(7)
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琵琶

(補1)「鐘の声 ブログ」はリンクフリーです。ただし、「鐘の声 ブログ」の記事の一部または全部を引用または翻案して、公的に発言または発表される場合は、事前にメール等でお知らせください。[→連絡先]
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