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イジメ教師の状況証拠--心理、教育、社会性の発達(27)

2006/10/16
イジメ教師の状況証拠--心理、教育、社会性の発達(27)

昨週末のニュースで、福岡県筑前町の町立三輪中学校2年の男子生徒(13)がいじめられたとのメモを残し、自宅で自殺していたことが伝えられた。
男子生徒は11日夜、自宅の倉庫で首をつっているのを祖父が見つけたという。
つらい事件である。子供をもつ親としては、やりきれない思いがする。マスコミは犯人捜しに躍起だが、その子が「死ぬ」などという思いを抱く前に、「大丈夫だよ、私が命がけで君を守ってあげる」といって誰かが彼を抱きしめてあげられなかったのかと庶民感情ではあるが嘆かれる。周囲の教師はどうだったのか。世間では、教師はその抱きしめる側の人間であることが期待されているが、今は必ずしもそうでないことが、大々的に露見してしまったように思われる。

この事件の第一報と思われる時事通信の記事は、下記のように伝えた。
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「いじめられた」、中2自殺=ポケットに遺書-福岡
福岡県筑前町の町立三輪中学校2年の男子生徒(13)がいじめられたとのメモを残し、自宅で自殺していたことが13日、分かった。
同校によると、男子生徒は11日夜、自宅の倉庫で首をつっているのを祖父が見つけた。上着のポケットには、半分ほどに破った画用紙に「いじめを受けて生きていけません」などと書かれていた。
足元には、学校が保護者あてに配布した高校視察案内のお知らせが置かれており、裏面に同様の内容が書かれていた。家族へ「ごめんなさい」と謝る言葉もあった。 
(時事通信) - 10月14日1時4分更新
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上記の記事は、ヤフー、社会ニュースに掲載された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061014-00000000-jij-soci

その後、両親との話し合いで、元担任の教師は事実を認めて謝罪したことが伝えられた。
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「からかいやすかった」両親と学校側話し合いで教諭
「自殺の真相を教えて」――。福岡県筑前町の三輪中2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した事件で、両親は自宅を訪れた合谷智(ごうや・さとし)校長らに詰め寄った。両親と学校側の話し合いは14、15の両日で計約7時間に及んだ。学校側は「教師のいじめ」を認めたものの、肝心な部分については「わかりません」を繰り返し、両親は悲痛な声で「息子を返して」と叫んだ。
15日の話し合いは午前9時半に再開された。合谷校長ら学校側の4人に中原敏隆教育長ら町教委の幹部2人も加わった。合谷校長は「教諭らに確認したところ、1年時の担任教諭の言動が自殺につながったと認識している」と認め、深々と頭を下げた。
「なぜ息子をいじめたのか」。父親が問い詰めると、この教諭はうなだれ、消え入りそうな声で「からかいやすかったから……」。これを聞いた両親らは「子どもと一緒じゃないか」と声を荒らげた。
話し合いの中で学校側は、この教諭がクラスの生徒を成績に応じ、イチゴの品種になぞらえて“ランク付け”していたことも明らかにした。
優秀な生徒を「あまおう」「とよのか」と呼び、成績の悪い生徒を「出荷できないイチゴ」と呼んでいたという。両親は「生徒を人間として扱っていない証拠だ」と憤った。
教諭は国語の担当で、1年時は男子生徒の担任、2年では学年主任。サッカー部を指導している。
一方、自殺の原因を探る調査チームの責任者である教頭が、全校生徒を対象にしたいじめについてのアンケートを一部しか読んでいないこともわかり、両親は「誠意がない」「息子がどれだけ苦しんでいたかわかるか」と詰め寄る場面もあった。
この日の話し合いは3時間。両親は涙ながらに「笑顔の息子をここに連れてきて」と、やり場のない怒りをぶつけていた。校長らが帰った後、父親は「残ったのは怒りだけ。本当に歯がゆい」と唇をかんだ。
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上記の記事は、YOMIURI ONLINE、九州発週刊ニュースの一つである。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06101602.htm

その後、激昂した家族とのやり取りため一部事実を過分に認めた部分があることなどが学校サイドから表明があった。ありうることなのでこれらの報道のすべてが真実かどうかはまだ慎重に判断する必要が残されているのは確かである。

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その後、イジメ実行犯グループ(7名?)が特定され、次のように報道された。
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自殺後も「せいせいした」「別にあいつがおらんでも、何も変わらんもんね」「おれ、のろわれるかもしれん」などと校内で友人に話したほか、十三日の通夜の席では、笑いながらひつぎの中を何度ものぞき込む姿も目撃されている
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北海道新聞(2006.10.22)
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061022&j=0022&k=200610220665
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福岡中2自殺 いじめ集団1年前からしつこく 死後「せいせいした」  2006/10/22 06:59
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福岡県筑前町の中学二年男子生徒(13)による自殺事件で、同級生の一部のグループが、一年前からたびたび、「死ね」「うそつき」などと生徒をののしっていたほか、自殺後も学校で「せいせいした」などと口にしていたことが二十一日、複数の関係者の証言で分かった。生徒を自殺に追い込んだいじめ行為の根深さを物語る証言で、福岡県警もこの情報を把握しており、近く同級生らから事情を聴くことにしている。
証言によると、いじめは主に特定のグループによって繰り返されていた。その中の一人は一年前から被害生徒を「死ね」「うそつき」などと罵倒(ばとう)。「近寄らんめえよ(近寄らないがいいよ)」と、周囲に無視を呼び掛けることもあったという。生徒が自殺した十一日には、別のメンバーが教室で生徒の机をたたき、「消えろ」と大声でののしった。
また、自殺後も「せいせいした」「別にあいつがおらんでも、何も変わらんもんね」「おれ、のろわれるかもしれん」などと校内で友人に話したほか、十三日の通夜の席では、笑いながらひつぎの中を何度ものぞき込む姿も目撃されている。
メンバーたちは二十一日までに、入れ替わり生徒宅を訪れ遺族に謝罪。その際、これらの行為の一部を認め「(自分も同じ立場だったら)死にたくなる」などと答えた。さらに被害生徒が一年生の時、いじめを誘発する発言をしたとされる男性担任教諭(47)の言動を見て「先生と一緒になってからかったりしてました」と、教諭の影響があったことも口にしたという。
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教唆煽動も罪であるが、結果として実行犯もまた厳罰の対象になるであろう。

また、これに先立って、次のような報道もあった。ほぼ同一の事実を指しているが、実行犯に対する言及を控えているようにみえる。

アサヒドットコムasahi.com(2006.10.21)
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「先生もからかっていたから」同級生が遺族に告白し謝罪
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2006年10月21日06時19分
福岡県筑前町の町立三輪中学校2年の男子生徒(13)がいじめを受けたという遺書を残して自殺した問題で、同級生が「先生がからかうようなことをしているから、自分たちもしていいと思った」という趣旨の発言を遺族にしていたことがわかった。遺族が朝日新聞のインタビューに対し、明らかにした。
遺族によると、焼香などに訪れた複数の同級生の男子が「自分の発言で死んでしまったのではないか」と、気に病んでいる様子で遺族に告白し、謝罪した。その上で、同級生らは、1年生の時の担任教諭の生徒に対する言動を見て、「自分たちもしていいと思った」と話した。泣きながら話し、疲れた様子で「眠れない」「気力がない」と訴えた生徒もいたという。
同級生の告白について遺族側は「すごく勇気のいることだったと思う。正直に言ってくれたので私たちは彼らに(責めるようなことも)何も言わなかった。子どもたちが一歩ずつ前進しようとしていると感じた」と話している。
同校の合谷智(ごうや・さとし)校長は、自殺原因の詳細は調査中としながらも、教諭による不適切な言動が生徒の同級生に波及し、自殺の誘因になったとの見方を示してきた。遺族に対する同級生の発言は、そのことを改めて裏付けた形だ。教諭は、生徒が友人が落とした文具を拾ってあげた際に「偽善者にもなれない偽善者」と言うなどしたとされる。
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未確認情報ではあるが、実行犯らは、小5のころから自殺した少年をターゲットにしていじめを繰り返しており、一時沈静化していたが、中1になって担任教師の「からかい」風の発言をきっかけにしてイジメを再開しエスカレートしていたとも言われている。また、別のニュースソースからは、県警がこの実行犯の少年らが自殺のニュースが流れるや早くから「元担任教師のイジメ」を言いふらして、アンケートにも「元担任教師のイジメ」を書いた事実を掌握しているらしいことがわかった。この実行犯グループが、自分たちの罪を軽く見せるためにあらかじめ共謀して組織的に「原因は元担任教師のイジメだけ」という風説の筋書きを作った可能性も指摘されている。
これら実行犯グループも彼らを助長放置した者にも罪はあるだろう。学校サイドが、教師だけに問題を限定することに躊躇する理由はここにありそうである。もっとも、それまで行ってきたイジメの隠蔽(他の事例十数件も報告しなかった)もあるので、学校側の主張に説得力が欠けるのは否めない。
(10/23追記)
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しかし、学校でのイジメ、学級崩壊には共通の問題があり、多くに教師起因性が想定されると私は繰り返し指摘してきた。
急増する小学生の教師への暴力--心理、教育、社会性の発達(9)
やはりあった「教師の本音」--心理、教育、社会性の発達(14)
その他
これらの記事では、私は、主として、2つの側面を取り上げた。
(1)社会性の発達未成熟な教師たちが自身の偏った好みに基づく「斉一性への圧力」を強めていること。
(2)子供たちの結束を恐れて、子供たちの交流・接近を禁止し、社会性の成長を押しとどめる指導方針の存在。
そして、イジメと学級崩壊の多くは教師起因性である、かも知れないとしばしば述べてきた。

ここまで、私が語って、これ以上に筆を進めなかったのは、マンリキ(万力)で我がベロを押さえつけられているかのような苦痛が伴っていた。ひょっとすると、うっかり、私は「教師のイジメが子供同士のイジメを誘発している(場合がある)」と言ってしまいそうだったのである。その誘惑はまさに強くなりつつあるのである。しかし、まだ証拠は少ない。ここではまだ状況証拠があるとだけ述べておきたい。

学級崩壊が発覚すれば、教師はマイナス評価され、出世競争に敗れるだけではなく、退職に追い込まれるかもしれないのである。教師としての手腕と能力に乏しい社会性の未発達な教員にとって手っ取り早い予防法は、子供たち同士を話し合わせない、教師の権威に傷がつけられるような児童の口を封じておくことである。そのためには、教師は子供たちに猛烈なプレッシャーをかけるのである。それが、いまどきの「教師による斉一性への圧力」の正体である。これは子供たちを追い詰めることなので、追い詰めて一見成功する場合もあるが、子供たちの多くに「囚人のアパーシー」に似たPTSD(精神的後遺症)を色濃く残してゆく。一方、その圧力が強ければ、突然に切れて暴発する事件も起きてくる。小学生たちによる教師への暴力は年々増えている。子供同士仲良くすることを禁じられて集団で教室で暴れる手段を奪われた子供は、教師への暴力に一気に突き進むのである。
このとき、子供たちは子供たち同士で遊びたいのである。この年頃の子供たちには遊びが社会に参画してゆくための本能的な準備行動であり、押しとどめようのない情動に見舞われているはずである。昔は「遊びは、子供にとって仕事のようなもの」と言い習わしていたものである。いつの間にか、こんな言葉も聴かなくなっている。
一方、やや問題のある教師は、自分の気に入らない子供に対して、自分の手を汚さずに教室内のイジメグループを暗にそそのかしてイジメを誘発させたり、言葉によるイジメを堂々と繰り返して、いじめターゲットとしてマーキングするような反社会的行動をしたりするのである。あるいは教師のイジメが直接自殺に結びつく証拠がなくとも、マーキング行動と紛らわしい事実はあったのではないだろうか。まだ断定はできないが、少なくとも、専門家によるカウンセリングによって事実を把握しておくことは大切に違いない。関係各位の注意深い対応を期待したい。

まじめな教師の多くは、人格高潔にしてバランスも柔軟性にも富んでいる知性にも品格にも恵まれた方たちだろう。亡くなった私の父がそうであったように、子供たちのためならば我が命も地位もなげうって惜しくはないと心底から感じている教師は今でも少なくないだろう。おかしな教師は、相対的に少数だろうと信じたい。しかし、大学に入学するいまどきの学生の約10%がほぼ反社会性人格障害に近い傾向を持ち、約50%程度の学生が回避性人格障害に近い傾向を持っているのである。この調査は、私が教えている4大学、6教科、7クラス、合計8コマ約250名の学生を対象に今年の春初回の授業時間にささやかに行われたものである。これがすべてとはいわないが、私立のトップ~上位クラスの大学のほぼ平均といってよいと思う。大学生くらいになるとこの人格はほとんど固定されており変化することは少ない。教育学部での調査はないが、教育学部に問題学生が他学部より多いのか少ないのかについては諸説あるので、同じ比率にとどまるとここでは仮定しておく。そのような学生がそのまま小中学校の教師になってゆくとすれば恐ろしいことである。福岡の元担任教師が反社会性人格障害(イジメを率先してやる)または回避性人格障害(イジメグループに迎合してしまう)であったかどうかについての言及はまだないが、少なくとも専門家の丁寧な診断が必要であると思う。少なくとも、これらの問題を抱える若者だあっても、人格障害の有無についてはノーチェックで教員になってゆくことだけは確かである。チェックができないのは、単純に心理検査を実施すれば差別だと騒がれかねないし、「試験対策」で人格詐称(演技)が横行すると予想されるからであろうとは容易に想像がつく。しかし、全国の小中高に子供を通わせている親御さんの立場に立ってみれば、まことに空恐ろしいことである。十分な議論のうえに適切な検査と教員資格授与または非授与が、これまでと違った意味で必要なのではないだろうか。
今回、まだ断定はできないが、この事件を契機にしてのマスコミ等でみられる会話(言説)では、一般論としてはイジメ教師の存在を否定しない現場関係者が多いようだ。マスコミでは年間150件~200件程度のイジメを苦にした子供たちの自殺が報道されているが、学校から文部科学省への報告では、「イジメを苦にした自殺は皆無すなわちゼロ」とされている。どちらかまたはどちらもがウソをついていることになる。これまでのマスコミの報道がすべてウソとは思えない。半分真実であってもかなりの数のイジメ自殺が実在することになるのである。一方の「イジメを苦にした自殺は皆無すなわちゼロ」は明らかに意図的なウソに違いない。しかし、今はこの隠蔽体質の衣の下から真実がいくらか見えかかっているのではないだろうか。無辜の教員が根拠なく犯人扱いされるようなことがあってはならないが、今回の報道は教員が主犯であるイジメもあることを教育関係者の多くの人が認めている(知っている)ことを図らずも明らかにした事件である。亡くなった子供さんのご冥福を祈りつつ、これからの教育現場の改革を命がけで進めなければならないと思う。少子化が問題の日本列島で、大切な次代の宝である子供をこんなことで失ってはならない。
さて、「イジメを苦にした自殺は数百件/年」「内、教師が主因として考えられるケースは30%、教師が加担または容認したイジメは40%で合計すると70%に達する」などという記事が新聞紙面に登場するのも遠くはないかも知れない。ただし、回答者が教師ならば教師が不利になる回答をするだろうかという疑問はぬぐえない。もちろん、ここで取り上げた30%とか40%とかいう数字は単なる架空のものである。"実はほとんどなかった"とはっきりわかるほうがもっと良い。今は、真実が隠されていることが問題であるといいたいのである。真実を知りたいと思う。
今、私は、「小中学校の教師が主導するイジメ、それら教師が加担または容認するイジメ」が少なくともゼロではない、とだけは述べておきたい。問題は構造的で根深いと思う。個々の教師の人格だけが問題なのではない。個々の教師の人格を正しく育てなかった悪循環(人格障害の拡大再生産サイクル)の教育や学校制度、ならびにこれを自助努力によっては改善できない教育制度と学校制度に問題があると思う。
解決の方策には、以下のようなものが考えられる。
・教育機関の民営化を
小中学校等の公教育機関は、比率を減らして独立行政法人化し、私立小中学校の比率を8-9割程度までに増加させること。反社会性または回避性の仮性人格障害教師、能力不足教師が放置されている学校は、子供たちが去って倒産してよいのである。
・教員にも競争原理を
教員に民間並みの競争原理を導入すること。他方に、教育機関を民営化せずに個人間の競争原理だけを導入したがる人々もいるのはよく知られている。これはしてはならない。昇進昇格試験の机上の勉強だけに明け暮れて子供たちを顧みない教員を増やすだけである。
・教職課程改革を
教職課程に「子供たちの社会性伸張のための教育支援技能」の習得、「社会性獲得の心理学の履修」の義務化をすすめること。グループ活動の実習を課すこと。これらの授業実習指導に付いて来れない学生は教員にしないことである。
・教育理論/社会性獲得心理学の研究発展を
正統的周辺学習理論など、社会性が身につく自然な学習教育理論と実践技能に関する研究の活性化を進めること。この心理学は「発達心理学」で事足りると勘違いされやすいが、今日までの「発達心理学」は2-3歳程度の乳幼児を対象にしているに過ぎない。もっとも必要とされるのは4-5歳から10歳前後までを中心とする社会性獲得の時期に焦点を合わせた心理過程の研究である。このような学問領域は、悲しいことに現在の日本にまだ成立していないのである。
・その他

今回の事件は、氷山の一角、小中学校による習慣的隠蔽工作のほころびからかろうじて見えた1例に過ぎないように私には思われてならない。子供たちよ、他の子供たちからイジメに遭って抗議しても改善が見られなかったら、教師がイジメを容認していたら、教師がイジメに加担していたら、教師からイジメにあったら、保護者に相談して堂々と転校してしまおう。保護者の皆さんも子供に受けさせる教育に選択の自由があることをはっきりと自覚しよう。そのために子供とよく話し合おう。問題教師の支配下に置かれたたままでは親子ともに言いたいことも言えないのが現実である。問題教師の支配を逃れるのが先決である。こどもの命を守ることが先決である。子供はひとりでは逃げ出すこともできない。逃げるときには、保護者がその手をしっかり握って逃げたいものである。問題教師が我が物顔の学校からは子供たちがこぞって逃げ出せば誰もが沈黙していてもその問題点は如実に知られてゆくことになるだろう。いな、それだけではなく、問題が知られてゆくに従って、(民営であれば)その学校はつぶれてしまうだろう。こうして、浄化選別が進むのがもっとも妥当というべきではないだろうか。

小中高の教育に携わる教育界の人々は、これらの意見を「教育に関する言説(「取るに足らない言説」の意味)」などといつまでも高みの見物を決め込んで侮蔑せず、本当にまじめに取り上げていただきたい。
私は大学で、あなたたちが育ててしまった反社会性仮性人格障害者、回避性仮性人格障害者と日々悪戦苦闘し、ほとんど手遅れになっている社会性育成に日夜悩まされ、教壇に立つたびに徒手空拳のままに工夫を重ねる非力な大学教員の一人である。大学の教育においてもこれぞ万能薬と言うものはない。毎日改善して全力で学生に当たるだけと今日も明日の2クラス分の授業計画を立てているところである。
反社会性仮性人格障害者、回避性仮性人格障害者等の問題人格は異性を意識し始める10歳前後で他の多くの望ましい人格とともに多くは固定され、いわばその本人の「思想信条」になってしまうのである。その後になってその反社会性・非社会性を指摘して変更を加えようとすれば、本人にとっては思想信条に対する侵害と感じられてしまうので、軌道修正にはたいへんな困難が伴うのである。あえて言えば、人格形成における幼保指導員と小学校の先生たちの責任は重いのである。とはいえ、2-3歳児の発達心理学を学ぶ機会のある幼保指導員はまだましである。幼保指導員を別として、小中教員の大半は教員資格取得前の教育において7-15歳くらいの子供たちの社会性育成の必要性についての教育をほとんど受けてきていない現実がある。これらの教員にとっては、いまさら子供たちの社会性育成などと言われても、戸惑うばかりだろう。知られるところの少ない事実だが、たいへんお気の毒な現実である。教員たちにも子供たちの社会性育成に関する理論や実習を再履修する機会をもっと増やすべきだろう。大学にはその能力も義務もあるように思う。
また、幼小中高大の教育関係者は、力を合わせて、この難局に対応する方法を討議し、検討し、ともに手を携えてさえて改善を実行すべきではないだろうか。一人ひとりが、別々に艱難に耐えてそれぞれ努力するだけではもう間に合わないと思われるのである。
多くのご専門の方々のご意見を頂戴したいと念願させていただきたいと存じます。

△次の記事: 心理、教育、社会性の発達(28)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2006/11/27_d58c.html
▽前の記事: 心理、教育、社会性の発達(26)
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琵琶
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