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起業する元部下との対話--社長の条件(29)

2006/10/20
起業する元部下との対話--社長の条件(29)

今回は、起業する中国人の元部下との架空の対話である。
実は、ずいぶん以前に派遣会社から当社にやってきた中国人技術者張君が日本を離れて諸外国で働いた後、最近故郷に帰って起業することになった。急遽、かれは私の自宅にやってきたり、メールや電話でいろいろなことを相談した。たまたま私の地元のお祭りと重なって、二人でワタアメを片手に町の出し物を見て歩いたりもした。実に愉快である。
多少支障のあるところは伏せて、当社の社長候補の若者にも役立ちそうな話題を、社長候補の若者向けに翻案して、ここに書くことにする。張君という名前も仮名である。しかし、内容の骨格にウソはない。「人件費倒れ」「資本提携」など、普段は話題になりにくいテーマも率直に語っているので、わが社長候補の皆さんにも十分役に立つと思う。

張さんと私の架空の対話
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(1)どのリズムで会社を拡大すればよいか
<張>:
まずは、会社の発展です、最初のところ、2人、3人しかないですが、社員がどんどん増えていて、規模を大きくなっていきます。問題はどのリズムで会社を拡大すればよいかということです。はじめから社員をたくさん抱え込んだらあっという間に倒産するかもしれません。2人、3人だけならば、大規模の開発を受注できません。今迷っています。
<私>:
2人、3人にとどめて始めたほうがよいでしょう。
手があまる大規模の開発があれば、仲間の会社で手分けするのがベターです。仕事には波があります。仕事が多すぎるときと仕事が足りないときが、交互に入れ替わります。人材は、仕事が少ないときにあわせて少なめにして「人件費倒れ」を防がなければなりません。
親しい仲間の会社をたくさん作っておくことが、仕事が多いときにせっかくの顧客からの依頼を断わらないですむ最良の方法です。
同業他社はライバルですが、仲間でもあるのです。
<張>:
確かにそうですね。私はそれに従って頑張ります。
「仲間を大切にするのが、客からの依頼を断わらないですむ最良の方法」「同業他社はライバルですが、仲間でもある」は、本当と感じました。
<私>:
がんばってください。

(2)毎年の受注案件数と工数の変動について
<張>:
例えば、琵琶さんの会社の場合、毎年の受注案件数と工数は同じくらいでしたか? それとも、どんどん増えてきたのですか?
<私>:
いいえ、年度によって受注案件数と工数は膨らんだり、しぼんだりの変化が激しかったです。年商は、25年間ではX億円~Y千万円の間で上下しました。今はZ千万円/年前後を振動しています。1年の間でも、収入のない月とまとめて入金がある月があります。年度後半に仕事も入金も集中しますので、年度前半はほとんど売り上げがありません。
これらの変動に耐えるには、銀行との取引が欠かせません。借り入れをしたり返済をしたりして資金の運用を平準化します。日本の場合、当地営業実績3年以上が貸し出しの最低条件です。移転しただけで借り入れが困難になることがほとんどです。
同じ理由(当地営業実績3年以上)で、日本では創業後3年間は借り入れできませんから、その間は、少ない人材で無借金を原則に経営します。
中国の場合についてはわかりませんが、日本では"創業時から人材を多くせよ"と言う外野(出資者など)がいるとすれば、倒産を期待する悪い下心がある危険性も疑わざるをえません。
<張>:
中国銀行での融資はとても難しいなんです。最初のところ、完全に自己資金でいきます。アドバイスいただき、大変助かりました。
<私>:
どういたしまして。
自己資本でできる範囲で事業を進めるのが原理原則に合う経営の方法です。立派な考えです。

(3)事業拡大の計画について
<張>:
もし、私の会社との提携が順調にいければ、琵琶さんには事業拡大計画があるのでしょうか?
<私>:
はい、あります。当社のスタッフたちは張さんの会社にたいへん期待しています。今は事業を拡大したくとも、今のスタッフだけでは対応できないので躊躇しています。張さんの会社と提携できれば、事業拡大に向かいます。
<張>:
ありがとうございます。私も期待に副えるように頑張ります。もし、私の事業が順調にいけるなら、琵琶さんの会社のコスト負担が軽くなって、売り上げも伸びると思います。
<私>:
私も、お互いに良くなることを、つよく期待しています。

(4)後継者問題について
<張>:
先日、琵琶さんは会社のことを引退するっておっしゃいましたが、本当でしたら、後のことはどうなるのでしょうか?
<張>:
私の会社は私の人生そのものでした。心正しく事業を通じて社会貢献できる人物に譲ることができたら幸せです。単なる儲け主義の商売人には譲りたくありません。「心正しく事業を通じて社会貢献できる人物」がいなければ、老いて私の身が持たなくなったときに会社を閉鎖する覚悟です。私の身が滅びるまでは私が引き続きがんばります。
張さんが日本にいるころ、張さんが日本に残ってくれるなら私の会社の社長になってくれないかと内心願っていました。うどんのおいしいの「歌行燈」で私の奥さんが言っていたとおりです。
今は、複数のスタッフが次期社長になってよいと言ってくれていますので、数年後、誰であれでも「社長にふさわしい人格と能力」を持っていれば、その人に譲ってよいと思っています。「社長にふさわしい人格と能力」を身に着けていなければ、私一代で解散ということになります。
いろいろありますが、今、当社の社長に一番近い人物は当社にいるスタッフたちと言うことになるでしょう。
<張>:
私は琵琶さんに信頼されて、本当感謝します。今後もいろいろ可能性がありますね。
<私>:
もちろん。よろしくお願いします。

(5)資本提携
<張>:
私の新しい会社と琵琶さんの会社で、できる提携関係にはどんなことがあるでしょうか。
<私>:
仕事のやり取りのほかに、張さんの会社と私の会社が、資本提携できることを希望しています。相互に負担のない形がよいですね。たとえば、株式を相互に交換するなどの方法があります。いかがでしょうか。ただし、双方とも取得した相手の株を第3者に譲渡しないなどの制限を決めておくことを希望します。張さんと私の間ですから株式を互いに持ち合うのは問題ありませんが、見ず知らずの第3者に株式が渡るのはお互いに困ると思われるからです。これらのことについては、たぶん、張さんのお父さん〈金融関係のお仕事をされている〉が詳しいと思いますので、ご意見を聞いておかれるとよいと思います。私は、顧問経理士に聞いてみたいと思っています。
<張>:
今自己資金が少ないので、資本金が琵琶さんの会社と比べて、少ないすぎかな・・・・、それでも株式交換できますか?
<私>:
もちろん、大丈夫です。株式の交換は互いの結束を高めることが目的です。交換する株式の額を少なめにして、互いに負担のないようにすれば良いと思います。お互いに資本が入っていることを意識すれば気持ちも入ると思います。

(6)張さんの奥さんの来訪
<張>:
ところで、結婚したばかりの妻と一緒に皆さんのところに訪問したいと思います。まだ日時については決まってないんですが、×月×日午後によろしいでしょうか?私と妻、知り合いの人、3人で行きたいと思っていますが・・・
<私>:
もちろん、歓迎です。この日は、私に講義がないので、あけておきます。スタッフらにも声をかけます。
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琵琶


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