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子供たちに自己有用性の確信を!、昨年の学生・生徒自殺過去最悪886人--心理、教育、社会性の発達(38)

2007/06/11
子供たちに自己有用性の確信を!、昨年の学生・生徒自殺過去最悪886人--心理、教育、社会性の発達(38)

6月7日、マスコミ各社は、警視庁の調べとして、「自殺者数、9年連続で3万人超え」と報じた。

(例)6月7日ヤフーニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070607-00000039-san-soci
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自殺者数、9年連続で3万人超え 警察庁まとめ
6月7日15時50分配信 産経新聞
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昨年1年間の自殺者数は3万2155人で、前年より1・2%減少したものの、9年連続で3万人を超えたことが7日、警察庁のまとめで分かった。統計を始めた昭和53年以降6番目に多い。特に学生・生徒らの自殺は同2・9%増の886人で、53年以降、最悪となった。
年齢別では、前年比2・1%増となった「60歳以上」が1万1120人で全体の34・6%。以下、「50歳代」7246人(同22・5%)▽「40歳代」5008人(同15・6%)▽「30歳代」4497人(同14・0%)-の順。男女別では男性が約7割を占める状況は変わらないが、女性が9342人で前年より330人増加した。
自殺した学生・生徒ら886人のうち、小学生は14人で前年の2倍。中学生も22・7%増の81人。高校生は220人、大学生は404人だった。
(後略)
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実は、中でも深刻なのは、子供たちの自殺の増加である。

6月7日ヤフーニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070608-00000005-san-soci
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昨年の学生・生徒自殺 過去最悪886人
6月8日8時1分配信 産経新聞
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≪いじめ深刻≫
昨年1年間の自殺者は計3万2155人で、前年より1・2%減ったものの、9年連続で3万人を超えたことが7日、警察庁のまとめで分かった。このうち学生・生徒の自殺者は同2・9%増の886人で、昨年のいじめ自殺の続発を背景に、統計を始めた昭和53年以降で最悪となった。
年齢別では、前年比2・1%の増加となった「60歳以上」が1万1120人で全体の34・6%。以下、「50歳代」7246人(同22・5%)▽「40歳代」5008人(同15・6%)▽「30歳代」4497人(同14・0%)-の順。男女別では、男性が約7割を占める状況は変わらないが、女性も9342人で前年より330人増加した。
自殺した学生・生徒ら886人のうち、小学生は14人で前年の2倍。中学生も22・7%増の81人。高校生は220人、大学生は404人だった。
自殺者の32・5%に当たる1万466人が遺書を残しており、原因・動機は「健康問題」が4341人で41・5%を占め、依然高率。次いで「経済・生活問題」が3010人(28・8%)だった。
遺書を残した自殺者の動機を年齢別にみると、60歳以上と20~30歳代で「健康問題」が最も多く、40~50歳代は「経済・生活問題」が最も多かった。いじめや成績などの「学校問題」を理由に書いた人は、前年より28・2%多い91人で、統計の残る平成10年以来最多。遺書だけでなく、警察の調べで「学校問題」が原因と判断された自殺者は242人で、前年を9人上回った。
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イジメの影響も大きいが、いじめられて抵抗を試みる心のエネルギーもない子供たちが多数をしめていることが見て取れる。
誤解のないようにはじめに断っておくが、抵抗しない子供がいけないというような主張をする無能な頑固ジジイのまねをする気はない。抵抗できない子供たちを放置している親と家庭とこれを取り巻く環境や教育機関にこそ問題があると言いたいのである。
私が接しているのは、大学の学生たちである。彼らは体こそ大きいが、精神はまことに幼い。誰も彼らの心をオトナになるように育てていないのである。学生たちは、いつでも「教えてくれないからわからない」という言い訳をする。私は、拳固を振り上げて「馬鹿タレ、自分で考えろ!」などとおどけて見せ、学生たちも笑いながら逃げるまねをするというようなことはあるが、ほとほと、学生の言うことがもっともだと思うこともある。
まず、彼らと接すると、ライフコンペティンシー(生活の手段、生存の方法)に関する確信らしいものを持ち合わせていないことに気づく。将来に対しては、不安と不確実性だけしか感じていないのである。昔風に言えば、な~に、自分を世間が認めてくれないなら、乞食になっても生きてゆくサ、という最後のよりどころもないのである。我々の世代(60歳前後)でも、自分を世間が認めてくれないなら、パチンコ屋の住み込みをしてででも生き抜いてみせる、というぐらいの気概はどこかに秘めて生きてきた(のは、私だけ?)。
年寄りには考えも及ばぬ若者の弱さに付け入る輩も登場する。大学の教育の現場にさえ、カルトもどきの怪理論を無責任に振りまく学者も、詐欺師まがいに"人をだましてこそナンボ"と教えるセンセイも居るのである。
 スタディ オン ザ ××元助教授の講義内容--感性的研究生活(17)
この種の問題は、立場上、支障がないとはいえないので今は詳細を語ることができない。しかし、学生らのライフコンペティンシー(生活の手段、生存の方法)の欠如は、実際大きな社会的問題であると思う。
さらに、ゼミなどで学生らと、じっくりと話し合ってみると、もっと重大なことがわかってくる。学生らは、「生存の方法を確信していない」だけではなく、「生存の自己理由をほとんど確信していない」のである。
学生が、ポツリと「卒業したくないっスよ。社会に出て何をしていいのかわからないっス」というとき、たぶん、彼は、単に「生活の手段、生存の方法」がわからないといっているのではないに違いない。大学の手だれの教師の皆さん、皆さんは、この言葉をどのように解釈されるだろうか。私には、自分が生きていることの意義、これから生きてゆくだけの価値がわからないと訴えているように感じられる。それこそ「誰も教えてくれなかった。だからわからない」と、言葉には表さなくとも彼は肩を落として、体で訴えているのである。
そんなとき、「そんなことがわからないのか!」とは、私にはとてもいえない。--、君が考え込むことはもっともだ、人は一人では生きてゆけないのさ、逆に言えば君は誰かのために役に立つことによって相手は生きてゆけるのさ、君は自分だけのために生きてゆく価値をすぐには見つけられないかもしれないが、誰か他の人のためになることはできるだろう、君が66億人の人のために、平均すればそれぞれに66億分の一の貢献をすることが期待されているんだ、聞こえない声は世界から君を呼んでいる、とやや芝居がかってと語りかけることもある。こんなときは私がどんなにおどけて見せても、学生は真剣な顔をして私の話に聞き入っている。他所では聞けない話だからだろう。もっと他所でも、違った言葉で、青年たちに、君たちは生きてゆくことがたくさんの人々から期待されている、と、告げてもらいたいものである。そう、これこそが、今オトナたちが子供たちにしてあげるべき、最大の仕事ではないのだろうか。
自分が、66億の民から、たとえ66億分の一ずつであっても期待されているということは、彼らにとってはとってもうれしい話のようなのである。場合によっては涙を流して聞き入る学生も居るくらいである。解答用紙を片手にお前はだめだ、ここの成績が悪い、ここを直さなければ、いい学校には行けないぞ、・・・と、学生は20年近く追い回されて育ってくるのである。自分は、果たして誰かに望まれてこの世に居るのだろうかと、疑問にならないほうがおかしいと言ってよいだろう。
特に男子学生にこの肯定感の希薄化が顕著に見受けられるのである。女子学生は、恋をするととたんにある程度は自己効力感と自己肯定感に満たされるようである。男の子は、よい彼女に恵まれても、自分の存在に確信がもてないと、どこか幸せ感が欠けているのである。

さて、自己肯定感や自己有用性などという言葉か出てくると、心理学の皆さんは、我が意を得たりといろいろなことをおっしゃりたがるようである。しかし、待ってほしい。皆さんの多くの議論は、青年には自己効力感や自己肯定感を渇望するものが多かれ少なかれそもそも備わっていて、ここを刺激すれば誘導効果が発揮できるとおっしゃりたいのであろう。立派なご説である。子供の心理を操作することがお仕事の人はそれでよいと、それに私も異存はない。
(1)浦上昌則、自己効力理論を用いた進路指導(南山大学文学部)
http://www.nanzan-u.ac.jp/~urakami/pdf/edu99.pdf
(2)今野芳子、自己をコントロールする力が育ち、自己肯定感が実感できる学習の在り方(第2集)、京都府総合教育センター、第3章自己コントロール力が育ち、自己肯定感が実感できる学習の在り方
http://www.kyoto-be.ne.jp/ed-center/ed04/kyosi/h13/selfcontrol/02self-04.pdf
しかし、いまどきの青年たちは、おっしゃるようなそもそも自己効力感や自己肯定感を渇望しておらず、そのようなモノがこの世にあるということを知らないようなのである。この事実を皆さんはどのように感じられているのだろうか。専門家ではない私は、専門家の皆さんに対してずうっと疑問を持ち続けているのである。
青年の多くは、そもそも自己効力感や自己肯定感を自分がもっていいのかと、不安に駆られ疑いに悩まされているのである。否、そもそも自分が生きてゆく価値があるのかという点に肯定的な感情がわいてこないのである。
このような人格は、大学に入って急に作られるわけではないだろう。幼児期に自分は母親を求めているのに母親は「抱き癖をつけないように」子供を求めないように努力している、学校に行くと友達はみなライバルで敵であると教えられ友達から頼りにされる経験はつまない、子供は友を求めようとすればイジメに会う経験をする、教師は学級崩壊やイジメを警戒して友達と仲良くしないように指導する、高学年になり中学に進み高校に進学しても友達はすべてライバルで互いにけんかにならぬようニコニコ顔で接するが内心では互いに窺うように暮らしており、他を求めたりしないのである。孤独である。だれからも求められず頼りにされない、見えない檻に囲まれる半生の中で、どうして自己効力感や自己肯定感が生まれる余地があるのだろうか。
こう言うと、自己効力感や自己肯定感ではなくて、自己有用性を強調する学者の皆さんも居ると思うが、他人から自分がヒトとして求められていないのにたとえ特殊な技能があっても、自己の有用性を感ずることができるだろうか。どんなに技能があっても自分が求められているという実感がなければ、自己の技能は何の意味もないのである。
青年たち、子供たち、幼児に、--君は世界から求められている、それだけではない、君のご家族も、君の友達も、そして私も、君たちの存在を喜び、君たちの活躍を求めている。私は、そう声を大にして言いたい。
世間の親も、小中高の教師の皆さんも、大学の教員の皆さんも、子供たちに、死ぬな、君たちの存在と成長は世界から求められているのだ、君の家族も君の友達も、そして私も君の存在と成長をこそ喜びにしているのだ、と言ってほしい。場合によっては抱きしめて、繰り返し、言ってほしい。こう言ってあげないと(特に男の子は)自分の生存への確信を保てなくなり、その継続努力を放棄してしまうことがあるのである。
子供は、宝である。大切に育てよう。自殺者を増やす家庭環境や教育環境は、なんとしても改めなければならない。ヒトとの交わりの喜び、ヒトから求められていることの充実感、ヒトの交わりに貢献する醍醐味を子供たちに、もっともっと体験させてあげよう。
社会性を育てるとは、ヒトから自分が求められていることと、期待されていることにこたえることによって自分が活かされる実感を積み重ねることによってなされるのであると私は思うのである。私は、古いと言われようと子供を抱きしめる教育をこそ、と思うのである。

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琵琶


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