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必殺仕事人は段取り上手、料理・仕事・アルゴリズム--社長の条件(39)

2008/03/03
必殺仕事人は段取り上手、料理・仕事・アルゴリズム--社長の条件(39)

社長は、必殺仕事人でなければならない。当たり前のことである。社員の誰よりも仕事ができて当たり前である。少なくとも専門分野の一つと営業においては、誰に対しても勝てる自信がなければ勤まらない。
映画007のジェームズボンドのように、狙いを定めたターゲットに対しては万難を排して、思いもよらぬ方法を考えて、着実にすばやく正確に任務を実行しなければならない。
言うは易し、行なうは難し。そんなことを言われてもどうしたら必殺仕事人なれるのか、わからないという者もいるに違いない。

2月21日の日経産業新聞(23面)に面白い記事が載っていた。
「仕事の段取り 料理から学べ」
-まず完成形イメージ、物探す時間は最もムダ、失敗と反省 繰り返せ-
記事では、まずは、料理研究家の加藤和子氏と服部幸應氏に聞いている。以下は、この記事からの引用である。
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加藤氏「まず完成した料理をイメージすることが大切」と話す。「熱々の状態で食べたいものは何か、冷やして食べたいものは何か?を考える」。たとえば夕食のトンカツ定食を想像する。ご飯は炊きたて、カツは揚げたててで衣がサクサクした状態がおいしそうだ。みそ汁も熱いほうがいいが、風味が飛んでしまっては味気ない。
完成した絵を想像できれば、おのずと手順は見えてくる。最初に炊飯器のスイッチを入れ、カツは肉への味付けと溶き卵につけるなど下準備まで。みそ汁も出しや具を入れていったんあたためておく--といった具合。
プレゼンなどをする際も闇雲に作るのではなく、まず完成形をイメージすれば、必要な資料やデータなどを漏らさず集められるだろう。
・・・。
「物を探している時間は、もっとも無駄だ」と言い切る。段取り良く料理をするためには使いたい道具がすぐ使える状態にあるかが重要。包丁も時間に余裕のあるときにあらかじめ研いでおく。
仕事でも、資料探しなどにかける時間は案外長い。一つ一つは数分でも積み重なると1日1時間近く仕事を滞らせてしまっていることも少なくない。机周りの整理整頓やホチキスの芯などの補充も、段取り良く仕事を進める上で大切なポイントとなりそうだ。
・・・
(服部氏は、)料理を三分間で作るテレビ番組やレシピ本はあるが、初めて作る人は大抵三分では作れない。「頭で考えるだけではなく、実際に作ってみる」。火加減などを反省しながら繰り返し作ることことでできるようになる。仕事も同じ。プレゼンなどは何度も練習し、失敗・反省を繰り返すことで、段取り良く進められるようになる。
・・・、時間がないのを理由に「電子レンジの加熱に使うプラスチック容器のまま料理を出す」という声の多さに驚くという。「お皿にきれいに盛りつけるだけで、見栄えも相手の心象もよくなるのに」と嘆く。
取引先に見せる資料も同じ。必要事項が書かれていても、手を抜いたのが明らかな乱雑な掻き方では読む気がうせる。服部氏は「段取り良く仕事をすることと手を抜くこととは違う」と話す。ちょっとした気遣いが結果的に仕事を円滑に進めるのだ。
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-最悪の事態 回避するには?、自分独自のルール作りを-
この記事の中では、マーキュリッチ代表取締役西野浩輝氏にも聞いている。西野氏の発言部分を続けて引用する。
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・・・。
料理の場合はおいしく出来上がった場面を創造するが、仕事の場合は成功した場面に加えて、失敗したケースも考えることが大切。今日この作業をおろそかにしたら明日はどうなるだろう、一週間後どうなるだろうといった「バッド(悪い)イメージング」を合わせることで、段取り力が養われる。
料理の前に調理道具を整頓するように、机の周りや仕事道具を使いやすい状態にする。その状態にするための自分独自のルールも欠かせない。
たとえば手帳だが、私はやるべき仕事のメモはボールペンで掻き、変更する可能性がある予定は鉛筆で書く。手帳が汚くならず、予定の重複や締め切り忘れと言った最悪の事態に陥らずにすむ。治部に会ったルールを見つけてほしい。
・・・。
聴衆がどの程度知識があるのか、事前の情報収集は必須。わからないときは先方に聞く。相手の好みを知るためには「聞く」のが一番確実。聞くことをためらう人は多いが、情報を集めなければ成功できない。
こういった段取りを練る時間に、仕事の10%程度を費やしてもいいと考えている。利用利も仕事も、段取りこそおいしい結果をもたらす。
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長々しく引用したが、大切な内容がいっぱい詰まっている。
何であれ、極めた人の言葉は重い。彼ら必殺仕事人は段取りこそ大切と言っているのである。

たとえば、協力会社さんの管理の段取りを考えてみよう。「今は忙しいから発注仕様書をヒマになったら書こう」という発想はどうだろうか。合理的な仕事の仕方と言うことができるだろうか。
その後の様子を予想すると「ヒマになったから、発注仕様書を掻き始めた」「発注仕様書を詳しく書くよりは、自分で作ったほうが思い通りで来そうだなァ・・・」「発注を取りやめよう・・・」・・・。そして、また繁忙期にまたたくさんの仕事が重なって、アップアップして「なんでオレだけこんなに忙しいんだよ」と悲鳴を上げるのである。
何処が間違っているのだろうか。段取り上手の諸君はすぐにわかると思うが、忙しいときにこそ、協力会社さんに働いてもらわねばならないのである。自分が他の仕事に熱中しなければならないとき、併行で協力会社さんがお願いした仕事に熱中していなければおかしいのである。自分が忙しいときまたは忙しくなる直前に発注しなければ、忙しいときに助けてはもらえないのである。
目前の仕事に熱中するのは当然だが、一日に何回かは、少し頭を高い位置において、先を見て、年度末までの仕事の完成状態を思い浮かべて、いい結果を生むケースと悪い結果になりそうなケースをいくつもシミュレーションしてみればよい。いい結果を生むケースと思われる段取りを採用すればよい。いま取り上げた協力会社さんへの発注管理は、「忙しいときほど、他の仕事を後回しにしても、発注仕様書を書き上げてしまう」という段取りが正しいのである。
私は、料理もたくさんするしアルゴリズム戦線では負け知らずだった。仕事も多分普通の他人よりはやっただろう。今は楽をさせてもらっているが、人一倍「段取り」には踏ん張ってきたように思う。もっと優れた人たちもたくさんいるだろう。諸君はそれらの優れものたちとこれから競争するのである。アルゴリズムという言葉には 故 高橋秀俊東京大学名誉教授による「算法」という訳語が与えられているし、「チューリングの状態遷移」をアルゴリズムというという狭い解釈もあるが、要するに私は「乱暴に言えばアルゴリズムとは"段取り"のことである」といい続けてきた。だからこそアルゴリズム戦線では負け知らずだったとも思うのである。算数でも数学までも状態遷移理論でもない、「段取り」が日本語としては一番意味が近いと思うのである。「段取りを想起しうる能力」つまりは「戦略が常に想起できる能力」こそが、社長に必要な能力の一つである。
目的なくして戦略はない。目的なくして段取りもない。段取りを考えるときは目標となる結果を思い描くところから始めよ、と料理の達人たちは教えている。
諸君も、いっそう段取り力を磨いてゆけ。
段取りを考えるのは、囲碁や将棋の手を読むことと基本的には同じである。いくとおりもの手筋をたどってみて、よい結果になりそうなものに照準を合わせて、一手目はこれ、二手目はこれ、と予定を積み上げてゆくことである。実は、そのためには、その未来の手筋を忘れずに記憶している時間的展望の能力が必要である。
時間的展望が欠落するのはアスペルガー症候群などに良く見られる現象である。鬱や統合失調症にもみられる。それらの人々の時間的展望を維持するには本人の努力のほかに周囲の人々と医師たちの支援が必要である。それはたいへんな努力が必要である。諸君のように正常な精神と人格の持ち主には、そもそも正常な時間的展望の能力が備わっているので、それほど困難ではないはずである。
「段取り力の向上」、これも社長の条件である。

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琵琶


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