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MMLの終息、そして今へ「世界初MMLシステム-その4」--アルゴリズム戦記(20)

(「鐘の声 ブログ」記事マップ)

2008/03/07
MMLの終息、そして今へ「世界初MMLシステム-その4」--アルゴリズム戦記(20)

ミニシリーズ:アルゴリズム戦記「世界初MMLシステム」(全4回)
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1.花のマックスファクターとの出会い「世界初MMLシステム-その1」
  --アルゴリズム戦記(17)

2.ユーザを待たせないアルゴリズム「世界初MMLシステム-その2」
  --アルゴリズム戦記(18)

3.早く到達しすぎたリッチクライアントシステム「世界初MMLシステム-その3」
  --アルゴリズム戦記(19)

4.MMLの終息、そして今へ「世界初MMLシステム-その4」
  --アルゴリズム戦記(20)

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前回の記事から続く

アメリカのマックスファクター本社はプロクター&ギャンブルに買収された。日本のマックスファクターの株式の51%はアメリカのマックスファクター本社のものであった。日本のマックスファクターがどのように買収され解体されて行ったかは、24時間体制で仕事をしていた私たちには、誰よりも良く分かった。どんな小説よりも陰惨で熱く激しいドラマだった。もはや時効ではあると思うが、まだ関係者が存命なので今は多くを語らないでおく。

MMLの成功は、我々を英雄にしたが、多くのねたみも買ったようである。
大手のコンピュータメーカ数社が広くシステムハウスにMMLシステムの構築の提案を求めた。当時のマイコンソフトハウスならどこでもできるに違いないと大手のコンピュータメーカは予想して、一番安い提案を求めたのである。しかも、実際はMMLで成功を収めた当社は嫌われていたらしい。自分たちよりも先を走る小ぶりだが気合の入ったシステムハウスなんて、うざったいだけで「可愛くない」と思われていたらしい。下請け企業は目立ってはいけないのである。我々は目立ちすぎていた。我々は、幾つかのコンピュータメーカに提案した。他社からは目指すような提案はなかった。当たり前である。マイコンシステムハウスはマイコンのことしか分からず、伝統的なホスト系システムハウスは相変わらずマイコンを知らなかったからである。その上、データベースも通信にも、そして画面のデザインにも強くなければならないのだから、おいそれとは新規参入者はなかった。当社は、パッケージ化したものをカストマイズしてコストを下げる提案をしたが、コンピュータメーカの担当者は当社以外に発注先がないことにいらだっているのが手に取るように見えた。そして、全てのメーカが撤退した。
実は、そんなことで、グスグスしているうちに、クライアントサーバシステムが台頭し、クライアント(パソコン)とサーバ(比較的大きなマシン)を結ぶことが容易になってきたのである。当初はMMLのほうがスピーディで、大型計算機の巨大パワーが生かせるという意味での利点も多かったが、いかんせんクライアントサーバシステムのほうがはるかに安かった。イノベーションは安くて劣るパフォーマンスの姿をしてやってくるのである。我々も時間の勝負と早くから決めていたが、交代の時期はすぐにやってきていた。
マックスファクターの後には、エステー化学(株)に当社のMMLの製品であるDSS-CUBICを納入してカストマイズし幾つかの追加機能を製造したのを最後にMML事業は終わった。
MMLの歴史的役割は終わったが、歴史に足跡を残すことができたこと、この仕事で通信の技能を獲得し、分散協調システム、後の世の言葉で言えば「リッチクライアントシステム」の実際を作り上げた実績を蓄えることができたのである。これらは、今でも我々の財産である。
ミニシリーズ:アルゴリズム戦記「世界初MMLシステム」終わり。

ミニシリーズ:アルゴリズム戦記「世界初MMLシステム」の先頭へ。

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琵琶


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コメント

アルゴリズム戦記 一気に読ませて頂きました。
まさに「戦記」ですね。CPソフト開発草創期の数ページを垣間見た思いです。芸大のお仕事をされていたのは少し記憶に在りますが、向ヶ丘の2階で既に「戦い」が始まっていたとは思いませんでした。

懐かしさとほろ苦さとを思い出しながら「鐘の声』を聞いていました。
お体を大切にこれからもご活躍して下さい。

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