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日本の子供の孤独感は世界一、子供の幸福感一位のオランダはシティズンシップ教育--心理、教育、社会性の発達(72)

2008/12/03
日本の子供の孤独感は世界一、子供の幸福感一位のオランダはシティズンシップ教育--心理、教育、社会性の発達(72)

2007年度ユニセフが実施した調査の結果がマスコミに取り上げられている。オランダ在住の教育研究家であるリヒテルズ直子さんが来日してこのデータをもとに講演したためである。日本の子供の孤独感は世界一、逆に子供の幸福感第一位のオランダは個別教育とともにシティズンシップ教育に力を入れているのだそうである。
現在の教育の問題点は、子供たちの社会性を育てないことにあると言い始めたのは、このブログが最初だろう。今は、心理学者も教育研究家も、子供たちの社会性を育てることに力を入れなければならないと言うひとが多くなった。たいへんありがたいことである。
一方、外圧に弱い日本人インテリは、海外からも言われないと本気になれないようである。
今回のヒテルズ直子さんの講演は、よい励みであるとともに、社会性の育成=独創力の開発を大きく後押ししてくれるものと期待を込めて受け止めさせていただいた。

毎日jp
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新教育の森
幸福度調査1位、オランダの提言 「自分は孤独」2.9%
 ◇日本は最多29.8%
http://mainichi.jp/life/edu/mori/archive/news/2008/20081117ddm004100018000c.html
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07年発表の国際調査で「孤独」だと感じている子どもの割合が最も高かったのは日本だった。最低だったのはオランダ。今月、オランダから教育研究家が来日し、教育のあり方を提言した。【三木陽介】
◆自己肯定感にも差
 「なぜ、モノが豊かな日本で、こんなに多くの子が孤独を感じているのでしょうか」。今月11日に青山学院大(東京都渋谷区)で開かれた「日蘭共同教育改革シンポジウム」(オランダ大使館主催)で、オランダ在住の教育研究家、リヒテルズ直子さんは、日本の教育関係者ら約300人の参加者に問いかけた。
壇上のスクリーンに映し出されたデータに参加者はくぎ付けになった。07年に国連児童基金(ユニセフ)が発表した、経済協力開発機構(OECD)加盟国を対象に実施した子どもの「幸福度」に関する調査結果だ。
「自分は孤独だと感じるか」という質問(対象は15歳)に「はい」と答えた割合は、日本が29・8%で、回答のあった24カ国中トップ。ほぼ3人に1人が感じていることになる。次いで多かったアイスランドでも10・3%。一方、オランダは2・9%で最低だった。
実はこの調査では、「自己肯定感」にも顕著な差が出ている。「自分は不器用だと思う」と答えた割合も日本が18・1%で最も高かったのに対し、オランダは6・9%。40項目の結果から、オランダは「幸福度」で総合1位を獲得した。
◆一人一人に耳傾けて
なぜこんな差が出るのか。「一因として学校教育の違いがあると思う」。オランダ人の夫との間に2人の子を持つリヒテルズさんは96年からオランダで暮らし、子どもたちの学校生活を通して日本・オランダ両国の教育現場を見つめてきた。
まず、オランダで重視しているのは自立学習と共同学習を柱にした「個別教育」。小学校の教室では、5人程度のグループに分かれ、それぞれが違う課題をこなしている光景がよくみられるという。統一の教科書はなく、習熟度に応じて先生が適切な教材を与える。「各自のサイズに合わせた教育と言い換えることができるかもしれない」とリヒテルズさんは言う。
かつてはオランダでも、日本のように1人の先生が同じ内容を全員に講義する形の授業が主流だったが、不登校や学力格差などが問題化した60~70年代にかけて方針転換した。その後、今年6月16日朝刊「新教育の森」で紹介した「イエナプラン教育」をはじめ多様な教育方法に基づく学校が次々に誕生し、受け入れられている。
日本ではここ数年、国際的な学習到達度調査(PISA)の結果に端を発した教育改革が盛んに論じられている。リヒテルズさんは講演で「学力に偏重した改革ではなく、人間としての総合的な発達を目指してほしい」と注文をつけ、「オランダの教育が最善だとは思わないが、幸福度調査の結果は少なくとも一人一人の子どもに耳を傾ける大切さを示していると思う」と締めくくった。
◇個別教育重視の一方で「シティズンシップ教育」義務化--異なる意見も尊重できるように
個人主義が行き過ぎると、自己中心主義に陥り、社会性を失わせる恐れもある。そこでオランダでは「シティズンシップ(市民性)教育」にも力を入れ、05年からは日本の小中高に相当する初等・中等教育で義務づけられている。シティズンシップ教育に詳しいオランダ・ユトレヒト大のミシャ・デ・ウィンター教授(社会教育学)はシンポジウムの中で、いくつかの事例を紹介した。
◆社会参加の下地作り
ある学校では、4歳のクラスから週1~2回、ディスカッションの時間を設け、8歳で死刑制度の是非について話し合う。別の学校では、低学年の子ども同士がけんかをしていると、上級生が仲裁者として間に入り、一緒に話し合いながら解決方法を探るといったことが教育活動の一環として行われている。
自分と異なる意見を尊重する態度を身につけさせるのが狙いで、「既成の価値観に対する同化を求める道徳教育に比べ、価値観の多様化した現代社会を意識している」(リヒテルズさん)のが特長だ。デ・ウィンター教授は「未来の社会づくりは、子どもが積極的に社会参加できる市民になれるかどうかにかかっている」と意義を強調した。
◇授業に「市民科」、日本でも
シティズンシップ教育は日本でも最近、一部の自治体や私立校で取り入れられつつある。
東京都品川区は06年度から独自に「市民科」という科目を設けた。小中一貫教育の特区を利用し、小学1年から中学3年までの9年間を通し、系統的に学べるよう独自にカリキュラムを組み、教科書も作った。
リヒテルズさんやデ・ウィンター教授は13日、品川区立小中一貫校「日野学園」を訪れ、小4の市民科の授業を見学した。
この日の課題は「心のわかれ道」。日常の場面で自分がどういう行動を取ったか、その理由を振り返った上で、正しい判断基準を学ぶという内容だ。例えば、電車の中で座っていた時に高齢者が乗ってきた場合。児童からは「『どうぞ』と言って譲る」という「模範解答」から「優先席じゃないから譲らない」「譲りたいけど恥ずかしくて譲れない」「シカト(無視)する」まで、いろんな意見が出た。
教師は最後に、判断する時のポイントとして、(1)命や安全にかかわっているか(2)困っていないか(3)迷惑かどうか(4)相手の気持ち--の4点を黒板に書いて授業を終えた。
◆日蘭でもっと交流を
「いい授業だった」。リヒテルズさんもデ・ウィンター教授も口をそろえたが、授業後の意見交換会で、同区のある女性教員は指導上の悩みを打ち明けた。「子どもたちは頭の中では何が良くて悪いかある程度分かっている。でも、実際に行動に移せない。どうすれば実践できるまでに持っていけるかが難しい」。デ・ウィンター教授は「オランダでも同じ課題があるが、子どもたちには、実際にやってみることで学ぶことを教えなければ身につかない」とアドバイスした。
リヒテルズさんは「今回のように、教育に関してこれから両国間でもっともっと交流を深めていって共通の問題を見いだし、いい面を互いに補い合って解決していければと思う」と話している。
毎日新聞 2008年11月17日 東京朝刊
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日本では、大きく誤解されているらしいが、個性と社会性は対立する概念ではない。社会性は個性が育たなければ育たない。個性は社会性の発展とともに磨かれるのである。と私は繰り返し述べてきた。
上記の記事を書いた記者さんは、個性と社会性を対立するもののようにとらえて、オランダでは個性をのばす教育とシティズンシップ教育が並列して進められていると書いているが、両者は車の両輪であり、片方ずつ伸ばすことなどできないのである。この事実は、随分と昔に私はこのシリーズで述べている。
個性と社会性--心理、教育、社会性の発達(5) 2005.08.29
子供の幸福感一位のオランダでは、個性と社会性をともに伸ばす教育がおこなわれている。子ども孤独感一位の日本では、個性を殺して、社会性を蹴散らかす教育が大手を振ってまかり通っているのである。
個性を殺すために自分の能力に自信のない教師は斉一性への圧力を子供たちに向けてゆく。母親と病院が楽をするための分娩直後の母子分離、保育士が楽をするためのひとり遊び放置理論、学級崩壊を恐れて友達を作らせない教室運営、友達は敵と教える受験教育はまさに子供たちの社会性を蹴散らしているのである。子どもは孤独にさい悩まされ、個性が育たないので自己肯定感が育たないのである。社会性の持ち合わせない子供たちは、社会との不適合を起こして、悶々としてニートになるのである。
どんなに日本在住の私が言いつつづけても、なかなか認めようとしないことを、オランダのヒテルズ直子さんが言うとマスコミはしっかりと取り上げてくれるのである。面目はないが、ヒテルズ直子さんをはじめとして、オランダの教育研究者の皆さんがもっと来日して、もっと語っていただきたいものである。

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琵琶


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