お父さんのお布団、み~つけた!--我が家の愛犬様(32)
2009/04/20
お父さんのお布団、み~つけた!--我が家の愛犬様(32)
土曜日の夜、私(愛犬様のお父さん)は、帰りが遅かった。午前1時ころ、車を運転して妻とともに帰ってきた。
愛犬様は、ずうっとお父さんが帰るのを玄関の外で待っていたのだ。
息子が家に入れようと悪戦苦闘したらしいが、愛犬様は、抵抗の姿勢を崩さず、無理をすると縄抜けをしそうな態度を見せるのであきらめたらしい。
愛犬様は、玄関前の石畳の上に寝そべって、じっと待っていた。車の音が近づくと、耳をそばだて、じっと闇の中に目を凝らしている。木立の間から、お父さんが運転する車がちらりと見えると、間違いないっ! お父さんだ、と、ばかりに、飛び上がり、長い綱をなびかせて、綱の届く限り、たぶん左右10メートルくらいの空間を激しく走って、自分がここにいるということをアピールする。お父さんが視線もくれなかったりすると、走りながら、小さくウワンッ、と吠えて、気を引こうとする。
やがて、お父さんが車を降りて、近づく。ボクは、うれしい、嬉しい。お父さんに近づいて、ポンと飛びかかってみたり、玄関に向かって走ってまだ戻ったりと、一緒に玄関に入ろうという意思を示すのである。あれっ、お母さんが遅いぞ、と思ったら、お父さんの後ろにいるお母さんのところに走り寄って、さぁ、一緒に玄関に行こうと誘うのである。
お父さんはあわただしい。大急ぎで玄関のかぎを開けて、ボクとお母さんを中に入れる。ボクの水の容器を洗ってきれいな水をいっぱいに入れて玄関内のボクのペットの脇に置いてくれる。ボクは、ちょっとだけ、お愛想で、水を飲んでみせる。だってせっかくお父さんが用意してくれたんだよ、飲まないわけにはいかないだろ?。
それから、お父さんは、服を着替えて、また玄関のボクのペットのそばにやってくる。「ゴハンだよね」と言いながら、食事の器をもって一度姿を隠してしまう。ボクのゴハンの準備をしてくれてるって、ボクはわかるから、玄関で正座して待っていたり、ちょっと興奮して、玄関内を走り回ったりしちゃうこともあるんだ。この瞬間が一番待ち遠しいんだ。
すぐに、食事の器にいつものペットフードを入れてお父さんがやってくる。今度は、ちゃんと正座しなくちゃね。正座してっと、耳をぴったり後ろにそろえて、お父さんの眼をしっかり見る。すると、お父さんは「よし」と言ってくれる。ぱっと、ボクは、容器に顔を近づけると、バクバク食べるんだ。これって夕飯かって? ちがうんだなぁ、夕飯は夕方の散歩の後にお兄ちゃんからもうしっかりもらっているから、これは夜食なんだ。お兄ちゃんは、夜食は太るから駄目だよ、とよくいっているんだけれど、ボクにとって寝る前のこの食事が一番の楽しみ。だって、食べている間、ずうっとお父さんは僕のことを見ているんだよ。こんなに幸せなことってないだろ。
食べたいだけ食べると、少し残っても、そのままにすればいい。食べたいときに食べられるだけを食べるというのが、ボクの健康の秘訣なんだよ。エヘン。
さて、ゴハンが終わると、まず、水を飲んで、それから、お父さんに抱っこを頼んじゃうんだ。いいだろう?
でも、素直に抱っこをねだるのはちょっと照れちゃうから、お父さんの近くに行って、鼻を床につけて、手で目の周りをこするようなしぐさをするんだ。すると、ドレドレ、ダッコだね、って、ボクを抱き上げてくれるんだ。これって幸せ。
あおむけになれば、お腹を掻くようにさすってくれたり。喉の下を掻いてくれたりするんだよ。
目ヤニを指先でそっとふき取ってくれたりもするんだ。これが気持ちいいんだ。生まれたばかりの頃、実のお母さんがよく、目ヤニを舌でなめてくれたんだけれど、あのときと同じくらいに気持ちがいいんだ。
首筋をもんでくれたり、背中をさすってくれたりもする。体の力がだんだん抜けていって、いつの間にか、まぶたも閉じかけてしまう。・・・、あぁ、もうダメ。このまま寝てしまいそう、という時に、ボクはぱっと体の向きを変えて、お父さんの膝から降りて自分のペットにごろんと横になるんだ。いい気持、そのまま、すうっと寝込んでしまうのが最高だよ。
でも、土曜日には、こうやって、寝込みかけてしばらくすると、立ち去ったはずのお父さんの臭いが鼻先を通り抜けたんだ。おかしいな、ゆっくり立ち上がって、体の向きを変えて見まわしてもお父さんの姿はない。玄関は真っ暗だ。どこにいるんだろう、お父さんは? ボクは、お父さんの臭いの強い方に、身を乗り出した。背の低い柵が、ボクのペットが置いてある玄関のタタキの部分と玄関のフローリングを隔てている。お約束だから、いつもは柵は超えないようにしているんだけれど、気になったから、ゆらりと体を空中に舞わせると、難なく柵を超えてしまった。お父さんの臭いは階段の上のほうが強そうだ。ボクは静かに、階段を上ってゆく。音はしない。階段の上は右にも左にもゆける。ちょっと鼻を利かせると、左の方がお父さんの臭いが強い。ドアが少しあいている。ボクは鼻先をドアの隙間に入れると、ちょっと体をくねらせると、ドアがまた少し広がって、中に入ることができた。初めて入った部屋だけれど、どうやら、手前がお父さんのベッドだ。においを嗅ぎながら、ベット上にポンと乗ってみた。おかしいな、お父さんがいない。もぬけの殻だ。隣で寝ていたお母さんが異変に気づいたのか、手を伸ばしてきた。あっ、つかまってしまう。ぎゃぎゃ~ん、ボクは思わず大きな声で鳴いてしまった。お母さんは飛び起きて電気をつけた。こらっ、ダメッ、お母さんの怒り声。ボクはお母さんの怒り声が苦手。あわてて、ドアの外にでる。お兄ちゃんも別の部屋からとび出してくる。わっ、ボクは捕まってしまう。目の前は下に降りる階段だ。ボクはこの階段を降りるってとっても怖いんだ。だって、ツルツル滑るんだよ。尻尾をおしりの下に丸めこんで階段の手前で座り込んでしまう。
下を見ると、あれっ、お父さんが上を見上げている。あ~っ、そうか、お父さんは2階にいたんじゃなくて、1階のどこかにいたんだな。なぁ~んだ。で、でも、お父さんっ、助けてっ。
お父さんが、ゆっくり階段を上ってくる。コ、降参。ボクは、腰を下ろしたまま、両手をあげた。あげた両腕の付け根のあたりの胸をお父さんは両手で支えると、「ダッコ」という。ボクはもう嬉しくなって、耳を後ろにそろえて、口を開けて、舌を出して、尻尾を振ってしまった。
ボクは、ダッコされたまま、一階の玄関に降りて、そのまま、ボクのベットの上に降ろされた。「もっとダッコ」と手を挙げてみたが、お父さんは「もうダメ、早くねんねしな」という。え~、お父さんったら、冷たいんだから。お兄ちゃんがすぐにそばにきて、代わりにボクの背中をさすってくれた。仕方がないなぁ、でも気持ちいい。
・・・、そのまま、いつの間にか、ボクはまた眠ってしまった。でも、、、いいんだ。お父さんのペットをついに発見したッ。この次は、必ず、お父さんの寝床で一緒に寝てやるんだ。
(オイオイ、勘弁してくれ--お父さん より)
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(準備中)
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琵琶
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