カテゴリー

  • 日記・コラム・つぶやき
  • 経済・政治・国際

« 私のアパター登録--その他、シリーズ外の記事 | トップページ | 第66回SH情報文化研究会&SIGEDU ジョイントフォーラム--感性的研究生活(54) »

「"衝撃"と"セクシーアクション"」 at SEA & SIGEDU ジョイントフォーラム in ウインク愛知--感性的研究生活(53)

2010/08/29
「"衝撃"と"セクシーアクション"」 at SEA & SIGEDU ジョイントフォーラム in ウインク愛知--感性的研究生活(53)

1.第5回 名古屋支部・教育分科会(sigedu)ジョイントフォーラム2010
8月27日(金)、第5回 名古屋支部・教育分科会(sigedu)ジョイントフォーラム2010 が開催された。この会はソフトウェア技術者協会の名古屋支部(SEA名古屋)とSEA教育分科会(sigedu)との合同研究会である。
私は、どういうわけか、今回はSEA教育分科会(sigedu)の代表選手と言う役回りであった。
事前に出回った参加を呼び掛けるメールには、次のように書かれていた。

================================================
□■□ SEA(ソフトウェア技術者協会) □■□ 
□■□ 第5回 名古屋支部・教育分科会(sigedu)ジョイントフ
ォーラム2010 □■□
□■□ テーマ:「ソフトウェア教育と制御理論および設計学」 
□■□

当フォーラムでは、毎年、グローバル化しつつあるソフトウェア開
発の生産性向上や、それを支える技術者の育成をテーマに議
論を重ねてきておりますが、今回のフォーラムでは、ソフトウェア
教育におけるポイントと制御理論に着目し、より高度なレベルの
生産性を可能とするためのコミュニケーションのあり方や、制御
システムについての展望を探ります。
また、「設計学に学ぶ、ソフトウェア教育で本当に必要なこと」と
題して、講演&討論を行ないます。
ソフトウェア開発に関して活発な議論が期待できますので、ソフト
ウェア開発に携わる方をはじめ、技術者育成に関係される皆様
の参加をお待しております。
***************** 開 催 要 領 *****************
■日時:2010年 8月27日(金) 13:00受付開始 - 17:00 終了
  予定
■会場: 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)
      特別会議室 1305
〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4-38
交通: JR・地下鉄・名鉄・近鉄名古屋駅より徒歩約2分
http://www.winc-aichi.jp/access/
■プログラム(予定)
13:00 受付開始
13:20 オープニング
13:30 講演1 「“衝撃”と“セクシーアクション”(仮題)」
    飯箸 泰宏(株式会社サイエンスハウス 代表取締役)
 「セクシーアクション」という用語の解説
 話題提供資料の一節から
 -----------------------------------------------
 視覚的美しさを追求すると、いたるところで2階微分=一定とな
 るカーブが最も美しい。女性のやわ肌のカーブなど。(デザイ
 ナーは、これを)「セクシー曲線」という。
 「加速度の2階微分=一定」のアクションこそ、アクションの美
 学と仮定する。「セクシーアクション」と私は命名する。・・・
 出合頭衝突回避・・・"衝撃"と"セクシーアクション"は裏切ら
 ない・・・。
 -----------------------------------------------
 目次案
 -----------------------------------------------
 1.衝撃、衝撃力、衝撃値
 2.不思議な仕事?ピンポイントアタック
 3.落ちるロケット
 4.安全運転支援
 5.運転支援と危険防止の間
 6.パーソナル・カーの夢
 7.武道家とセクシーアクション
 -----------------------------------------------
14:30 <質疑応答>
15:00 (休憩)
15:15 講演2 「設計学に学ぶ、ソフトウェア教育で本当に必要
    なこと」
    森 孝夫(名古屋大学大学院情報科学研究科 附属組込
    みシステム研究センター 研究員)
16:15 <質疑応答・全体討論>
16:50 (解散)
17:30 懇親会(有志)
■定員: 30名(申込み順,定員になり次第,受付を締め切りま
 す)
■参加費 
SEA会員、学生 ¥1,000、 SEA賛助会員 ¥2,000、 一般
  ¥3,000
 ※懇親会参加費用は別途
================================================


2.私の発表内容
私の発表内容は、過去に取り組んだ自動制御システムの事例である。
事例は3つ。10年おきに1つずつである。最後の事例からすでに10年を経過しているので、4つ目がそろそろあるのかもしれない。
発表の趣旨は、物理学では「衝撃」を正しくとらえていないこと、人が関係するアクションにはセクシーアクションが必要であることを説明した。物理学では「衝撃"力"」という名前で衝撃の際に喪失するエネルギーを計測しているが、人やものが受ける「衝撃」を正しくとらえることはできないことを指摘した。衝撃の実態を比較的良くとらえる物理量は、加速度の時間微分(加加速度)やそのまた時間微分(加加加速度)などで、時間微分の階数はいくらでも増やすことができるものであること、それらを「衝撃1」「衝撃2」「衝撃3」・・・と呼ぶことにして考察することを宣言した。また、人が動作するときに最も美しく感ずるアクション(セクシーアクション)は、加速度の2階微分が一定となるものであるとの仮説も説明した。

(1)1981年ころ空中物体の自動制御
ご依頼主Rは、ボスの知り合い。もともとの発注主Xは不明。
私は自衛隊からの発注かと勘違いしていたが、実は、違ったのである。
ミサイル? と思ったが、確かめることはできなかった。
私の役割はアルゴリズムの開発だけ、シミュレータで精度を確かめるのは直接の依頼主Rが担当した。
文献を調査すると当時は、Norbert Wienerによるフィードバック制御とその亜流だけだった。位置のずれを見て自分の位置を変える制御である。
その後現れた改良アルゴリズムはわずかに速度を考慮するものだった。
私は、直感的に位置と速度と加速度が必要であることを感じていた。さらには、「フィードバック制御では、高速で逃げ回る相手は捕まらない」と感じた。
私が採用したアルゴリズムは、相手の位置と速度と加速度を予測し、自分の位置と速度と加速度を変化させるというものだった。特に、自分の自分の位置と速度と加速度を変化させるということは、とりもなおさず、加速度を変化させるしかないというのが私の結論だった。爆発物を強くまたは弱く噴射するにしても舵を切るにしても要は前後またはそれに垂直な加速度を変化させているだけのことである。自分で制御できるものは加速度だけであり、速度も位置もその結果でしかないというのが私の考えであった。この確信は、自分がミサイルとなって空中を飛んでいることを想起して予想される体感から得られたのである。
制御は「体感」が大切である。
Photo

私は、「フィードバック制御から予測制御への変更」と「位置や速度の変更ではなく加速度の変更」を提案したのである。空気抵抗などを考慮した式をもとにレポート用紙10枚にも満たない報告書で多額の報酬をいただいたお仕事であった。依頼主Rさんが満足したのだけではなく、その影の真の発注主Xもご満足たったのだろう。のちに、関係者から真の発注主Xは「五角形」だと教えていただいた。

(2)1991年ころ落ちるロケットを正しく飛ぶロケットに
某国では、ようやく誘導制御が解禁となっていた。「島」から上がるロケットは比較的うまくゆくのに、対岸の「浦」から上がるロケットが何度も立て続けに落ちる事件があった。某国は、担当企業のすげ替えを断行したので、その下請け(困った時の琵琶さん)として「浦」に詰めることになった。
驚いたことに、「浦」では、10年前の「改良アルゴリズム」を使用していて、速度を考慮しているものの加速度を考慮していないのである。
アメリカに教えてあげた私のアルゴリズムが某国には伝わっていなかったのである。内心、憤慨しつつ、この仕事に取り組むことになった。
制御とその結果理解の因果律を正しく取り扱うためのOSレベルの動作に苦慮しながら、「浦」からもロケットが人工衛星を宇宙に運ぶことに成功したのであった。
Photo_2

後で知ったことではあるが、この「浦」のロケットとは対照的に「島」のロケットが正しく制御されていたのは、予算規模が違っていて、アメリカから誘導制御用のソフトウエアを高額で購入していたからである。(わざわざ買ってこなくとも、ここに張本人がいるのに、、、とは口が裂けても言えなかった)

(3)1996-2000自動車の安全運転支援
この仕事で、私は初めて「衝撃」や「セクシーアクション」の概念を固めて提案していた。公式にはだれにも受け入れられることはなく、公式の文書には記載されていないものである。
プロジェクトの途中で私のチームとは別に、「衝撃」や「セクシーアクション」を拒絶したチームが作られて2000年度の仕事は競合状態となった。
大変残念なことではあったが、私たちのチームを葬ろうとした競合チームの暴走が、このプロジェクトを中断させることになった。競合チームは、(功を急くあまりだったのか、よほど自分たちに自信があったためなのだろうか)コンピュータシミュレーションを飛び越えていきなり実証実験に進んで、悲惨な事故を起こしたのである。
Photo_3

「速度を一定の減速度で低減すれば所定の位置に停車できる」そんなことは中学生だった知っている、という考えだったのに違いない。車には生身の人が乗ることをすっかり忘れていたのか高い抽象能力ゆえに捨象していたのに違いない。
私の考えである「衝撃」や「セクシーアクション」の概念に沿って実施すれば、生身の人が乗っているとしても、無事安全に停車することが出来るのである。「"衝撃"と"セクシーアクション"は人を裏切らない」のである。
Photo_4

「"衝撃"と"セクシーアクション"」を他の場面にも応用すれば(フィードバック制御ではなくて、予測制御ですぞ)、車線保持(直線およびカーブ)、衝突回避(障害物、停止車両、追突、出会い頭、横断歩行者)、車線変更などのあらゆるアルゴリズムが正しく取り扱えるのである。
Photo_5

結果として、私のチームの作成した報告書とプログラムソースは、公式に国家に納品され、各自動車メーカーへと配布されることになったのである。したがって、現在各メーカーが安全運転のシステムを発表しているが、公式には、その基となっているものは私のチームのアルゴリズムである。

(4)しかし、安全運転支援は
しかし、安全運転支援は危険ではないかというのが私の思いである。自動運転と危険回避はマシンに任せるべきであり、安全運転支援というような人も機械も同時競合的に操作するようなシステムはどうだろうか。人が操作している最中に機械が強くおせっかいすると運転者はパニックを起こすに違いない。
今、自動車教習所の社長も兼務するようになってみると、ますますその思いは強くなってくる。
車載システムは、自動運転と危険回避をしっかりカバーし、人が安全に運転をしているときは手を出さない仕組みが必要であるように思うのである。
この場合、大切なのは、人の運転できる範囲、自動運転すべき範囲、危険防止行動を起こすべき範囲の境目をどこに置くかということと、それらのつなぎ目が円滑につながる工夫である。

(5)パーソナル・カーの夢
このプロジェクトのさなか、与えられたミッションとは関係なく、ぼんやりと考えていたことがある。現在も変わらないが、当時も自家用車と言えば4-5人乗りであり、その車に多くは運転者が一人で乗っているのである。たまには一人を乗せていることもあるがそれでも高々2人乗りである。実にもったいないではないか、、、。そこで、自家用車は主として一人乗りとして、必要のあるものだけ2人乗り以上にするのがよいのではないかという考えに至ったのである。コンピュータでもパーソナルコンピュータの時代である。自家用車もパーソナル・カーの時代ではあるまいか。それも、自宅から幹線までは自分で運転するが、幹線に到達するとトレインとなって航行するということにしよう。道路のスペースの節約、エネルギーの節約に大いに貢献するであろうし、幹線道路上の事故が大幅に減少することが予想されるのである。目的地があらかじめ入力されていれば、分岐点ではトレインが自動的に分解し、必要な車両だけが脇道に出てゆく制御をおこなえばよいだろうと思うのである。
Photo_6

今では、メーカーによって、一人乗りカーを模索する動きもあるようなので、夢はもしかすると私が生きている間に、近づく可能性もあると思うこのごろである。

3.森孝夫研究員の設計論
大学で学生らに教える設計論のお話だった。他の先生がどんな所で苦労するのかを知る機会は貴重で面白かったが、設計論そのものでの新味はなく、少し残念だった。森先生にとって、このような機会は初めてのようだったので、概論に当たるものだろうと思われたが、別の機会に、教育上の工夫と設計論での新奇性のあるお話しを少し突っ込んで聞くことができるとよいと思った。
またの機会が楽しみである。

4.懇親会
楽しくておいしかった。これがなければ名古屋まで来なかっただろうと思う素晴らしい時間だった。聴衆の方々と運営者のみなさん、発表メンバーが混然一体となって、飲みかつ語り合う機会は楽しくてためになるものだった。私たち夫婦は心からこの機会を堪能させていただいた。
私たちを除くメンバーは、懇親会の後にもアイリッシュパーかスコッチバーに向かうようだった。お元気な方々である(後日談: アイリッシュパブだったそうである)。私は、もうそれほどは若くないので、そのままホテルに向かうことにした。
みなさん、また、次の機会を楽しみにしています。


△次の記事: 感性的研究生活(54)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2010/09/66shsigedu---54.html
▽前の記事: 感性的研究生活(52)
http://shyosei.cocolog-nifty.com/shyoseilog/2009/09/post-5227.html

琵琶

(補1)「鐘の声 ブログ」はリンクフリーです。ただし、「鐘の声 ブログ」の記事の一部または全部を引用または翻案して、公的に発言または発表される場合は、事前にメール等でお知らせください。[→連絡先]
(補2)この記事が含まれるシリーズの記事の一覧は下記(別サイト)のとおりです。
  感性的研究生活シリーズの記事一覧 (GO!)
(補3)ブログ「鐘の声」には、10個ほどのシリーズとシリーズ以外の一般記事があります。シリーズの全体構成やシリーズ別の記事一覧は下記(別サイト)にあります。
  ☆「鐘の声」の全体構成(「鐘の声 ブログ」記事マップ)☆ (GO!)

« 私のアパター登録--その他、シリーズ外の記事 | トップページ | 第66回SH情報文化研究会&SIGEDU ジョイントフォーラム--感性的研究生活(54) »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

国井氏(教養から大学院までずっと同級生)についてお書きになった記事から、ここへ来ました。いつぞや、お会いしたこともあるような気がしますが・・・

「学生のころのサークル」って、TSGですか?

「パーソナル・カーの夢」じつは私、昔から(少なくとも20代から、ひょっとすると子供のころから?)同じようなシステムを夢見ていました。そっくり!

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73834/49284842

この記事へのトラックバック一覧です: 「"衝撃"と"セクシーアクション"」 at SEA & SIGEDU ジョイントフォーラム in ウインク愛知--感性的研究生活(53):

« 私のアパター登録--その他、シリーズ外の記事 | トップページ | 第66回SH情報文化研究会&SIGEDU ジョイントフォーラム--感性的研究生活(54) »

2016年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ