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民学コラボレーション2010年度発表会: 第67回 SH情報文化研究会--感性的研究生活(59)

2011/02/04
民学コラボレーション2010年度発表会: 第67回 SH情報文化研究会--感性的研究生活(59)

昨日(2月3日)、第67回 SH情報文化研究会が開かれた。
内容は、私が担当するゼミの発表会である。
「民学コラボレーション2010年度発表会」とさせていただいた。

このゼミは、2005年4月、明治大学情報コミュニケーション学部が新設されたのち、第一期生が2年生に進学した時に始まる。
2005年4月スタートである。初年度は、意気に燃える一期生たちの勢いに押されて、あれよあれよと言う間に進んだゼミだったようにも思う。これは、「問題発見ゼミ」と称される2年生だけのゼミである。面白くて、学生とともに教師である私も夢中で学んだ1年間だった。「問題発見」を主たるテーマにしたもので、座学形式で毎回レポート提出も行ったが、理屈だけでは学生たちの「問題発見能力」が身につくはずがない。学生らから意見を募ったところ「情報コミュニケーションとは何か」というテーマで出版をしたいということになった。学生たちは燃えに燃え夏休みも返上して頑張ったが、予期せぬ事情が生じて、一般に頒布することはできなかった。50部ほど自分たちで印刷製本して、インタビューに答えていただいた学部内の教授の皆さん、学外の優良企業の人事部の方々、および学長室の先生方に配布するだけで終わった。
この1年の活動で、「問題解決能力なくして問題発見はない」ということも肌で感ずることが出来た。やってみてわかる問題点と言うことである。学生たちも大いに問題を発見したに違いないが、教師も「問題を発見した」のである。学生たちの行動を見ていると、教師の目から見れば、当たり前の問題点が問題点には見えていないということがしばしばあった。よく観察し、学生らと話し合ってみると、面白いことに気がついた。ある学生にとって解決の手を知っている事柄であって放置されていれば「これは問題だ。だってこう解決すればもっとよい成果にたどりつくだろう」といとも簡単に言うのである。別の学生で、解決手段を知らないかありそうだとは知っていても自分の手の届くものでなければ、問題らしきものに遭遇しても「まぁ、こんなものだよ。いいんじゃない」となってしまって、「問題」とは全く認知されないのである。
そこで、問題解決能力をすでに持っている民間企業のスタッフの力を借りようとしたのが、「民学コラボレーション」という教育方法である。
「出来る人」と「わからない人」が混在する学習コミュニティは、学齢による輪切り教育(小中高校)や入試成績による輪切り教育(大学)の弊害をかなり緩和するとにらんだわけである。
その後、文部科学省が「コラボレイティブ・マネジメント型情報教育」という名で補助金を出すことになったが、私のゼミが結果としてこのスタイルの先駆けになったことになる。私はご予算をいただいたことはないが、いくつかの大学ではご予算をいただいて似た試みをした。その後、予算がなくなり、この手のプロジェクトは消滅しつつあるが、私だけはもともと手弁当だったので相変わらず性懲りもなく続けている。

ゼミは6年続けているが、民学コラボレーションプロジェクトは5年、民学コラボレーションの成果発表は6回(2009年度は2回発表したので)である。発表の様子は、多忙で書きそびれた1回を除いて、ほとんど毎回このプログにも書いた。
民学コラボ2006年度
民学コラボ2007年度
民学コラボ2008年度
民学コラボ2009年度(中間)

2010年度の発表は以下の通りである。


                記
=================================================================
第67回 SH情報文化研究会「民学コラボレーション2010年度発表会」
-------------------------------------------------------
1.主催
 SH情報文化研究会・気式会社オッコセイ
2.開催日時(予定)
 2010年2月3日(木) 15:00-18:00
3.場所
 JR水道橋駅近く
 東京学院ビル1F教室
 東京都千代田区三崎町3-6-15
 http://www.kaigishitsu.co.jp/company/access.html
4.当日のプログラム
 15:00 開場
 15:15 開演
 (1)飯箸泰宏(問題発見ゼミ担当教員、SH情報文化研究会幹事) 挨拶
 (2)長屋匡和(気式会社オッコセイ社長) 挨拶と活動報告
 (3)つながりアンケートの成果発表
   外山正義(グループリーダ、オッコセイ副社長)、
   大島龍太郎(副ゼミ長)、飯塚友理、小堺彩可
 (4)お祭りサイトの成果発表
   上田雄太(グループリーダ)、皆川正史、田家史也、近田宗輔、大塚仁、
   内藤明日香
 (5)オッコセイホームぺージの成果発表
   金枝大輝(グループリーダ)、林宏美、長屋匡和(オッコセイ副社長)、
   黒田麻友、青木あずさ、酒巻俊哉(ゼミ長)、金山舞子
 (6)酒巻俊哉(ゼミ長) 挨拶と活動報告
 (7)質疑
 17:45 閉会・後片付け
-------------------------------------------------------
研究会会費 無料
懇親会会費 ゼミ生無料、一般参加者3千円

(1)飯箸泰宏(問題発見ゼミ担当教員、SH情報文化研究会幹事) 挨拶
まず、私がゼミの歴史と「民学コラボレーション」の歴史について、簡単に紹介した。

図1 「民学コラボレーション」の歴史
 (図をクリックすると拡大します)
20110203_2


2010年度は、概略、原点に回帰する方針になったこと、また、2009年度は軽視されたために放置されたお祭りサイトやオッコセイサイトのバグが修正されたことなどを紹介した。また、本年度の見どころとしては、アンケート班の失敗に継ぐ失敗という悪戦苦闘の末ようやく成果に到達した活動の報告があることを紹介した。

(2)長屋匡和(気式会社オッコセイ社長) 挨拶と活動報告
気式会社オッコセイの長屋匡和社長が、ご来場の皆さまに感謝のあいさつをして、ゼミの活動と気式会社オッコセイ(気式会社起こせムーブメント)の活動を簡単に紹介した。

(3)つながりアンケートの成果発表
 外山正義(グループリーダ、オッコセイ副社長)、
 大島龍太郎(副ゼミ長)、飯塚友理、小堺彩可
つながりアンケート班は、2度の失敗の後、3度目のアンケートでようやく成果にたどりついた。
・他大学と明治の女子学生の美人度をアンケートで比較しようという企画を立ててが、運よくか運悪くかは別にして、たまたま「ドブスを守る会」事件(通行中の女性に「ドブス写真集を作ろうと思っています」などと声をかけ、女性がいやがって逃げる様子などが撮られている映像を動画投稿サイトなどに公開した事件)が発覚して、世間の逆風を考慮して中止した。しかし、後でよく考えてみると、女性を美人かそうでないかで評価するなどと言うのは差別以外の何物でもなく、やるべきではなかったと考えた。「差別はダメです」(小堺彩可など)
・大規模なアンケートと友人の友人というチェーンの実態の把握のために、メンバーのゼミ外の友人を起点に、その友人の友人、、、という順でアンケートの協力者を広げてみることにした。アンケートを取りやすくするため、ネット上のアンケートサービスを利用したアンケートフォームを用意したりもした。
しかし、この手法は依頼先の人たちにチェーンメールと同じとみなされてしまったようで、警戒されたのか、2-3週間待っても思ったようにデータが集まらなかった。この方式には相当な思い入れがあって捨てがたかったが、思い切って自分たちが手でアンケート用紙を渡してアンケートを集める方向に切り替えることにした。
・3度目の正直は、学生食堂での学生の行動についてのアンケートをターゲットにした。1年生が多いこと、女子は1階に固まる傾向があり、2階、3階になると男子が多くなる傾向がみられた。1年生は学内外の様子が分からないので、居場所としての学食に固まる傾向があり、人類の1万年前ルールに照らして、同じ学食の建物でも男子(狩猟の習性から)は遠くに行く傾向があり2-3階にゆき、女子(家族の近くからできるだけ離れないように近くでの採集にとどまる)は1階にかたまるのではないかと解釈された。(外山正義)
また、クラスの仲間同士で学食を訪れる人が多いのだが、中でも男は男だけ、女は女だけのまとまりが多い。男女のカップルでは、サークルの仲間というつながりが最も多く、男女の交流はクラスよりもサークルの方が多いことをうかがわせるなどの指摘もあった。(飯塚友理)

図2 階層別男女比
20110203_8


図3 男女別の利用
20110203_3


(4)お祭りサイトの成果発表
 上田雄太(グループリーダ)、皆川正史、田家史也、近田宗輔、
 大塚仁、内藤明日香
以前の複雑なサイト構成を簡略化して分かりやすくすること、ページレイアウトをすっきりさせることに注力した。お祭りを扱うライバルサイトは多いので、差別化のためにデータベース化を進めること。便利な検索機能をつけることを発案した。さらに、お祭り登録機能にあったバグの修正にも挑戦した。先輩達に対応してもらった。

図4 お祭りサイト・サイト構成図
20110203_7


図5 お祭りサイト・トップページ
20110203_4


(5)オッコセイホームぺージの成果発表
 金枝大輝(グループリーダ)、林宏美、長屋匡和(オッコセイ副社長)、
 黒田麻友、青木あずさ、酒巻俊哉(ゼミ長)、金山舞子
サイト構成の簡略化とともにトップページのデザインの見直しを行った。以前のトップページのイラストはカラフルだが、滞留的で発展性を感じさせなかった。色合いは若々しい鮮烈なブルーにして、右肩上がりの発展性をイメージするように変えた。

図6 オッコセイ・サイト構成図
20110203_5


図7 オッコセイ・トップページデザイン
20110203_6


(6)酒巻俊哉(ゼミ長) 挨拶と活動報告
最後のまとめとして酒巻俊哉ゼミ長が報告と挨拶を行った。報告の中で、会社経営で実際にお金儲けを試してみるようなことまでは準備不足で進めなかった。もう少しやり方に改善の余地があるのではないかと述べた。
次年度に向けて、反省すべきは反省して改善点をまとめてゆくことを確認した。

NECやNEC東芝で活躍された永松秀通氏、保険業界で勇名をはせていた横田安宏氏、明治大学の廣澤先生、著名なデザイナである松永氏、後藤氏、東行社の古友社長、細谷先輩ほかゼミの先輩たちなども発表会には駆けつけてくれた。
打ち上げのにぎやかだったこと、お酒がおいしかったことは忘れないだろう。
苦労は多かったが、ゼミをやってよかったと学生たちと喜んだ一日だった。

△次の記事: 感性的研究生活(60)
(準備中)
▽前の記事: 感性的研究生活(58)
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琵琶

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