ひとり祈る、牡丹--人生に詩歌あり(16)
2011/05/01
ひとり祈る、牡丹--人生に詩歌あり(16)
本日、父の命日に当たる。
仏壇にあげる花を探して、庭を散策しました。"ぼたん(牡丹)"と"あやめ(花あやめ)"と"しゃが(著莪)"を少しずつ切り取って、ガラスの花瓶に入れて飾りました。大きなピンクの"ぼたん"は亡父が愛した花、"あやめ(花あやめ)"と"しゃが(著莪)"は亡母が好きだった花です。
ひとり祈る 父の丹精 花牡丹
花あやめ しず立つ姿 母に似て
いにしえの 里人の心 しゃがの花
ぼたん(牡丹)ピンク<--クリックすると拡大します(以下同)
父は、マスコミに「花の校長」と書かれ、校庭での花壇指導に熱中していた。その父は、自宅では大柄の花を好んだ。菊作りでは近所でよく知られていた。水戸藩ゆかりの戸定邸(松戸)で行われた菊の品評会で厚生大臣賞をとったのが自慢だった。
菊の道具はすべて愛好家の方に譲ったので、我が家には残っていない。
実は、父が丹精を込めた花の数々の中でも一番の自慢が牡丹だった。現在残っているのは2本だけ。手入れも行き届かないのに、毎年、父の命日に近づくと花を咲かせる。
しゃが(著莪)
母が好きだった花である。あやめの3分の一くらいの背丈である。
足場が悪くて、うまく撮れない。
3回忌--交友の記録(6)では、「牡丹花 父の丹精 子ら拝む」としたが、今年は、格別な行事もなく、たまたま朝早く、家人が家の中にいる間に、牡丹の花の前で一人祈ることになったので、句の表現を変えた。父は、大柄の花を好んだが、牡丹の花を特に好んだ。
以下には、ここ数日に撮りためた庭の花たちの写真をアップする。
さつき3(皐月)美しい絞り
本土寺参道でトラックが通った後、小枝(5センチくらい)が折れて落ちたものをいただいてきて、挿し木にした。挿し木で根付いたさつはきこれだけ。仏様が居心地が良いと感じたから?
たんぽぽ
自然に生えた野の花も刈り取るのが惜しくて咲くに任せている。
クロッカス
庭のあちこちに自生している。ずうっと昔、小さな鉢から庭に植え替えたものが広がったらしい。
歩きながら、カメラだけ手で下げてバチリ。手ぶれでピンボケ。
寒つばき(寒椿)
10月ころから冬の間咲き続けている。今は、今季最後の艶姿。
あまどころ(甘野老)
ユリ科。すずらんのようにも見えるが、別の花です。
ごようのなんてん(五葉の南天)
南天の矮性体で、庭師の方からのいただきもの。矮性の植物を庭師の言葉では「五葉・・・」と言うらしい。「五葉松」からの連想か? 背丈は15センチくらいとひどく小さい。
※その後の情報で、「お多福南天」という正式名称があることが分かりました。
しばざくら(芝桜)ピンク
ここ数年、近隣から側溝にかかって、「どぶ掃除の邪魔」と邪険にされ、妻が目の敵のように刈り取ってしまったので、さびしくなってしまった。でもほんの少し残っている。
松の花
毎年よく咲く。松の木は、庭師の若大将が丁寧に古葉を取り除いてくれる。たまたま、今年はその作業の後なので、見栄えがよい。松の花って、珍しいですか? えっ、松の実なら食べたことがある、ですか。はい、その実は花が咲かなければ実らないのです。
たんぽぽ(白)?
亡母がどこかからいただいたという花。大事にしていたので、そのままにしている。黄色の普通のたんぽぽよりもやや背丈が高い。花弁の形も似ている。花弁の色は純白でおしべだけが黄色である。花が終わると綿帽子を作るがその姿もたんぽぽのまま。しかし、関西にあるというシロバナタンポポと写真で見比べると、花弁が広い、葉の切れ込みがほとんどないなどの違いが目につく。在来種のたんぽぽなのかどうか、私には少し自信がない。
近隣の他の場所では見ないので、少なくとも日本国関東にはない草花に違いない。お分かりの方は教えていただきたい。
どうだんつつじ(燈台躑躅)
妻が好きで苗を買った。3年経つが、しだいに樹勢が衰えている。昨夏の猛暑で特にダメージを受けた樹である。なんとかしなければ。
名前がわからない1
どなたか教えてください。母が好きだった花です。庭で自生しています。
小手毬(こでまり)
母が好きだった花です。昨年庭師の方が極端に切り詰めたので、今年は枝ぶりが少し変です。例年ならばゆったりと広がる枝に白い毬のような花の塊が連なります。
名前がわからない2
どなたか教えてください。母が好きだった花です。庭で自生しています。
小さな庭なのに、散策してみると、まだ、まだ、目立たない花がみつかる。
人の世と似ています。
琵琶
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