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スーパーリッチの世界支配と国家の敗北--情報社会学、予見と戦略(40)

2016/05/02
スーパーリッチの世界支配と国家の敗北--情報社会学、予見と戦略(40)

貧富の格差増大、上位62人と下位36億人の資産が同額
CNN 2016.01.18 Mon posted at 13:32 JST
http://www.cnn.co.jp/business/35076360.html
少し古いですが、パナマ文書事件が起こる直前の報告であることに価値があるように思います。
パナマ文書に便乗しようと様々な後追い情報が出てきましたが、大したものはありません。それよりもパナマ文書の影響を受けていないこのような報告のほうがセンセーショナリズムからは自由です。
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ニューヨーク(CNNMoney) 世界の富裕層の上位62人が保有する資産は、世界の人口全体の下位半数が持つ合計と同じ額に達していることが18日までに分かった。貧困問題に取り組む非政府組織(NGO)オックスファム・インターナショナルの報告で明らかになった。
オックスファムは今週スイスで開かれる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に向け、米経済誌フォーブスの長者番付やスイスの金融大手クレディ・スイスの資産動向データに基づく2015年版の年次報告書を発表した。
それによると、上位62人と下位半数に当たる36億人の資産は、どちらも計1兆7600億ドル(約206兆円)だった。
富裕層の資産は近年、急激に膨れ上がっており、上位グループの資産はこの5年間で計約5000億ドル増えた。一方、下位半数の資産は計1兆ドル減少した。10年の時点では、上位388人の資産の合計が下位半数の合計に等しいという結果が出ていた。
また、上位1%の富裕層が握る資産額は、残り99%の資産額を上回る水準にあるという。
オックスファム・アメリカのガウェイン・クリプキ氏は、世界の富が「ピラミッドの頂点に位置するごく一部へ急速に集中しつつある」と指摘する。
富裕層と貧困層の所得格差も拡大を続けている。1日あたりの生活費が1・90ドル未満という極貧ライン以下の生活を送る下位20%の所得は1988年から2011年までほとんど動きがなかったのに対し、上位10%の所得は46%も増加した。
一方で富裕層の税金逃れは総額7兆6000億ドルに上っていると推定される。オックスファムは格差縮小に向け、世界の指導者にこうした問題への対策を改めて呼び掛けた。
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実は、2016.04.28にこの話題をFacebookiに上げたところ、投稿主(私)をそっちのけでコメント欄で熱い議論が沸騰しました。
代表的なやり取りをここに引用します。
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 日本はまだ民主主義社会だと思うけど・・・何故、低所得層が選挙で意思表示したいのか、全く解らない。目先の飴玉が、そんなに美味しいのかね~・・・選挙前になると権力側は飴玉政策ばかり打つのは、効果があると言うことでしょうね。国民も政治家もレベルが低すぎる。原発など日本が率先してやめるべきなのに、他国に催促されるような政権だからな~情けないね・・・・
 この世界は、私有財産の所有が許されているのです。なぜ、私有財産の多寡が問題になるのでしょうか? 論理的に考えてみてくださいな。個人の自由ではありませんか? 納税をしていて、法に触れていなければ、とやかくいう話ではありませんね。 問題になるのは、財産の多寡ではなく、その大幅な増減とその理由でしょうね。しかし、兆単位だろうが、万単位だろうが、本質は同じでしょう。 守られるべきプライバシーがある筈ですね。むしろ、気になるのは、増減の理由、方法、背景、納税の有無、合法的か否かですかね。まあ、いわゆる興味本位でしょうね(笑)。そもそも、このような富の配分の状態が健全か、不健全かは、別の次元の話でしょうね。まあ、あまり健全とはいえないかもしれませんがね(笑)。いずれにしろ、今に始まった話ではありませんよね。
 なぜ、私有財産が許されていると言い切ります?
それは、現行システムを疑いもせずに許容し従属する姿勢です。
そこにこそ。
クリティカルシンキングを適用すべきでは、ないでしょうか?
なお。
これは純粋に討論であり、私個人の政治的な信条や立場やその他を表明するものではないことを、申し添えます。
(^^)  
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さぁ~て、さんざんの議論が出尽くしたところで、私の考えを述べることになりました。
以下がその私の解説です。

◇ ◇ ◇
<琵琶> 「お金を儲けたい人はいくらもうけてもよいです。ただし、そのお金を持つことによって社会に影響を行使できる程度に応じて社会的負担(税および寄付など)をしましょう」というのが、資本主義的国民国家成立の前提だったはずです。
社会的リッチは、お金儲けの経済活動を行うための必須条件である "社会的安定" を国家に委託する代わりに税負担等の社会的負担を受け入れてきました。社会的安定を責務とする国民国家は、極端な貧富の差と貧富の世襲は、国民としての公平感の喪失および社会的機会の喪失を原因として社会不安の要因となり社会的安定を担保できなくなることから、リッチが自ら予定(許容)する以上の負担を要求してきた歴史があります。つまり、両者は相互依存の関係にありながら利害には対立する部分も内包してきました。
近年は、その利害が大きく解離して、対決の姿勢を相互に鮮明にするまでになってしまったということが、ことの真相だろうと思います。
リッチがスーパーリッチとなって、現状の国家が自分たちの活動範囲に比べてローカルすぎることにいら立ちを覚えており、どちらかと言えば国家はもはやお荷物になり始めているのです。グローバルに活動する資本から見ると個別の国家に税を納めることの意味が薄らいでいるという現実があります。したがって、個別国家に税を納めることが著しくばかばかしく感じられますから、租税回避行動に(これこそ正義だ、と自己正当化しつつ)奔走しているのです。
他方の国家にすれば、そもそもの暗黙の了解が破られ始めていることに強い危機感といら立ちが募っており、国家を超えて手を結び、国家間の協定によって租税回避行動に制約を加えようと躍起になっているというところです。先ごろ結ばれた相互通報義務の協定くらいでは租税回避は沈静化しないでしょうから火種はますます隠微に広がり続けるものと思われます。
さて、現在、スーパーリッチと貧困の問題が取り上げられるのは国家の財政に影響しているということだけではありません。
現代は、スーパーリッチやリッチがグローバル化しているだけではなく、市民もグローバル化していて、意識は「国民」から「地球市民」へとシフトし始めており、国家の枠内で民生観(感)が閉じることがなくなっています。自分たちの生存に対する満足度が国家の枠内で解消できる時代でもなくなっていることも忘れてはならないと思います。これまでは、"国民" としての公平感および出自に左右されない社会的機会均等がある程度担保されれば人々の不満は抑制されてきました。つまり、従来は、「"国民" としての公平感の喪失および社会的機会の喪失を原因として社会不安の要因となり社会的安定を担保できなくなる」と語られていた原理を「"地球市民"としての公平感の喪失および社会的機会の喪失を原因として社会不安の要因となり社会的安定を担保できなくなる」と言い換えなければならない時代になったということにもなります。
"地球市民"の一員であるはずのスーパーリッチとプアハーフの貧富の差は、それだけで社会的不安定要素です。「富める国と貧しい国」という対立軸から"地球市民"の中の貧富の対立という対立軸に徐々に移行していることが人類史的に重要であると思います。下方が大きくて下部の回転トルクが大きいコマは回転速度が上昇すると上下が反転してしまうことがあるように、社会の突然の転覆と言う事態も容易に起こりかねません。リッチやスーパーリッチは、身の危険に常におびえていて、長年、私設警察に守られたシティに住んでなおガードマンを雇ってきました。今は、素直にいうことを聞いてくれない個別の国家には任せておけないために、一国の軍隊にも対抗できる武力を持つ必要に迫られていて、実際に私設の軍隊を持ち、国際的に不安定要因となる武装勢力との戦闘に派遣したりしています(アメリカの退役軍人たちが作る株式会社の軍隊などが有名。アラブのお金持ちはNPO軍隊を擁していて、そのいくつかはアメリカ軍にも戦いを挑むので、アメリカ軍からはゲリラ勢力と呼ばれていたりもする。米国発の株式会社軍隊についてはインドネシアやフィリピンでの非合法軍事活動が露見したこともある)。アメリカ軍もこれらを雇って中東での最も困難な任務などに、彼らを投入しています。私設の軍隊は、実践を経てますます錬度を高めて精強になりますから、いずれ、世界最強とされる米軍に比肩し、やがては国家を超える軍事力となる可能性を持っています。
現状の延長線のその先を見据えてみると、個別国家を見限ったスーパーリッチたちが、社会の安定を手に入れるためにはスーパーリッチのための統一国際軍を創設して、世界を軍事的に支配し、世界を統合する事態に発展しないとは限らないのです。
もっとも彼らが世界を統合して統治してくれると、地球社会の安定を実現するためには、世界政府の行政府が必要になり、莫大なコストを賄う必要に迫られます。とはいえ、それは自分たちの政府なので、リッチもスーパーリッチもその影響力の大きさに応じて"世界政府の"税負担に応じることにならざるを得ないでしょうし、生まれてくる子供に最初から機会の不平等を押し付ける無制限相続は部分的にあきらめることにもなるでしょう。個別の国民国家で実現できなかった国家の理想(野望)は世界政府で形を変えて部分的に実現されることになるという近未来像も描けるということになります。
我々市民は、国家が分立して戦争を繰り返してい続けようと、巨大な暴力によって世界政府ができようと、世界がどう転んでもお金持ちと権力者に管理され、生かされるだけのちっぽけな生き物です。
良いことか悪いことなのか、分かりませんが、人のサガの行き着く先はこんなところではなかろうかと、あくまでも私見を申し上げました。
◇ ◇ ◇

直後のからの書き込みは次のようなものでした。
 さすが、年の功と博識と明快な論考で、ディベートの意味がなくなりました。(^^)
スミマセン、場所荒らししまして。m(_._)m
あらー、いつの間にか、ギャラリーがいっぱい、、、でしたか?
ちょっと恥ずかしくなってきました。
(^_^;)


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(準備中)
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琵琶

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国家を翻弄する情報帝国--情報社会学、予見と戦略(39)

2015/01/18
国家を翻弄する情報帝国--情報社会学、予見と戦略(39)

覇権過激派にとりつかれたグーグル
2015年1月17日 23:01
田中 宇(たなか さかい)
https://www.facebook.com/notes/799891643414452/
この方は、自称「陰謀論主義者」なので、どこまで信用してよいのか分かりませんが、世界は確かにグーグルを警戒し始めていることは間違いがない。
中国や中南米の諸国だけではなく欧州各国からも企業分割の要求などが出ている。5年前までのマイクロソフトがそうだったように、である。
いいね! · · シェア
岡里 かおりさんと川畑 満さんが「いいね!」と言っています。

飯箸 泰宏 この文章は、ジャーナリストとしてはあまりにへたくそなので、唖然としています。
文章能力はともかく「陰謀論主義者」 なので仕方がないでしょうが、「グーグルが覇権過激派に取り付かれた」と言っていますが、グーグルを見くびった見方ですね。グーグルは自らの戦略に沿って覇権過激派を雇っているのであって、覇権過激派の一人2人に屈したわけではないと言うことをまずは理解する必要があるでしょう。
文章屋さんとしてはまずは最低限の問題として、3文字略語には注釈が必要ですね。
CFR 米外交問題評議会
http://goo.gl/zhLcTt
CIA 米中央情報局
http://goo.gl/1xnHjV
NSA 米国家安全保障局
http://goo.gl/HtDw9P
外交問題評議会 - Wikipedia
外交問題評議会(がいこうもんだいひょうぎかい、Council on Foreign Relations)は、アメリカ合衆国のシンクタンクを含む超党派組織。略称はCFR。
JA.WIKIPEDIA.ORG
9分前 · 編集済み · いいね! · プレビューを削除

飯箸 泰宏 グーグルはその設立の理念を見れば明らかなように、「もし、世界政府と言うものができるのであれば、その政府が担うすべての情報サービスを我が社が行う」という、(巨大で魅力的な)野望をもっているのである。アメリカとかイスラエルとかの小さな枠内での繁栄を望んでいるわけではないことに注目したい。
グーグルにとっては、個別の国家はそもそも邪魔な存在と言うことになるわけで、アメリカを弱体化し、パンアメリカ主義を排して列強のワン・ノブ・ゼムに引きずり下ろすのは理にかなう行動と言うことになる。
確かに人類史の転換点にお・・・もっと見る
33分前 · 編集済み · いいね!

飯箸 泰宏 連投で恐縮です。
マイクロソフトは秘密裏に情報収集する仕事をしてアメリカの情報機関に売却していると言われていますが、グーグルはその仕事に飽き足らずに「(各国の)インサイド情報の操作」「(反政府運動への)扇動」「大衆情報の操作」にまでその範囲を拡大していると考えられています。


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琵琶

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