「『問答』を終えて」第49回日本医学教育学プレコングレス(その10)--感性的研究生活(74)
2017/08/20
「『問答』を終えて」第49回日本医学教育学プレコングレス(その10)--感性的研究生活(74)
ミニシリーズ:
「SNS中継、映像中継によるプレコングレス【人工知能の発達に対応する医学教育】第49回日本医学教育学--感性的研究生活」--at 2017.08.17
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1. プレコングレスの開催、これからのAI教育など
2. 飯箸によるトリガースピーチ "始まったAI友の時代"
3. 飯箸による詳細説明書の紹介
4. 事前討議《1》: 中本浩之氏 "処理ロジックについて" など
5. 事前討議《2》: 伊藤昌夫氏 "チャペックの R.U.R. " など
6. ディープラーニングは人工知能の全部か/一部か
7. いわゆるヒラメキをAIが提供してくれるか?
8. AIは空気が読めるか、ジャッジは人間優先か・AI優先か
9. Dr. Akira Naito(精神科医、英国在住)との対話: "ヒトは危うい、ましてやAIは?
10. 『問答』を終えて
11. 続編1: 高橋優三名誉教授 "白い巨塔から"
12. 続編2: 週刊プレイボーイ "人間は『命に関わるAI』を使いこなせない?" "AIの暴走=ブラックボックス"
13. 続編3: 授業におけるFBなどのSNSの可能性
14. 続編4: "共感とAI"、"AI教材は何から始まる"
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今回は、プレコングレス全体としての成果はもちろんだが、私個人も高いレベルの皆様との多角的多面的な『問答』を行うことができて、大きな収穫につながった。
極上のコース料理をたっぷりいただいたような心持である。
次には、企画メンバーのFBグループ内で交わされた「秘密の会話」を引用しておきたい。[大西先生へ]勝手に公開することをお許しください。
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飯箸 泰宏
いかにも書きましたが、少し反省点も感じています。
1. プレコングレスの開催、これからのAI教育など
http://shyosei.cocolog-nifty.com/.../08/sns49--65-6d3b.html
私の周辺の参加者から聞こえてきた意見を集約すると3人のトリガースピーチに関係するものが少ないことに気づかされます。
AI導入後の心配をする人は少なくて、AI導入前の現状に不満を抱いている人が多いように感じられました。これはよくある現象で、新しい技術が導入されると現状の問題点が新しい技術で解決できるかもしれないという期待が膨らむので、問題を指摘する声が高くなります。指摘されている問題のすべてが新しい技術で解決できるわけではありませんが、参加者の問題意識に寄り添って、トリガースピーチなどで、問題意識の共通化を図っておいたら、討議がもっと活性化したかもしれません。もっと事前リサーチしておけばよかったと反省しているところです。
ご参考にしていただければ幸いです。
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大西 弘高
医学教育という閉ざされた業界に一人は一応ポジションがありますが、他の二人はそうでないので、文脈が合わなくても仕方ないでしょう。あの場はかなりうまくいっあ方だと思います。
いいね!他のリアクションを見る · 返信 · 2 · 昨日 1:45
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飯箸 泰宏
私が直接耳にした参加者の声を転記しておきます。
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・AI(人工知能)を導入する前に、現状のガイドライン(医療行為の)でいいのか。
・ガイドラインを変更するルールが不透明に過ぎる。
・AI(人工知能)にガイドラインを教えるのだろうか。医療の進歩にタガをはめることにならないのか。
・医師はその現場でそれぞれの瞬間ごとに創意工夫している。しかし、、AI(人工知能)にガイダンスのタガをはめたら、医療の停滞が起きてしまう。
・医師免許試験はマークシートでやっているが、そんなことでいいわけがない。しかもテスト問題を作る側には合格させる人数があらかじめ示されて、それ以下にも以上にもならないように問題を作ることが求められている。年々問題を易しくしないとそれだけの医師が確保できなくなっているので、試験はますます易しくなっている。
・期末などのテストでは、平均が70点になり、2割の学生が単位未了となる正規分布が生成する問題を作れと言われている。ようは教師としてはここまで教えておきたいという内容のテストをすることができない。教える内容を手控えておいて、試験の内容を薄くすれば、良いテストでよい教師と言われる。
・AI(人工知能)にできる教育って人間にできるものと違うのか。
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大西 弘高
判断と意思決定なおける人間、AIの立ち位置をもう少し明示した方が議論が散逸しにくいかもしれません。また、AI時代にMCQを使い続けるのかというテーマは重要ですが、これはなかなか難しい問題ですね。
いいね!他のリアクションを見る · 返信 · 1 · 昨日 9:09
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飯箸 泰宏
AIの判断と意思決定が人に及ばないうちはヒトがこれを行い、AIの判断と意思決定にヒトが及ばなくなったら、AIに判断と意思決定を少しずつ譲ることになると予想しています。
どこまで譲るのかを誰が決めるのか・・・ヒトがコンセンサスをもって譲る範囲を、その時その時、用心深く決めることになるものと思っています。
急にAIにすべてを投げ出すようなことはやってはならないし、そうしないのが人間だろうと思います。
ヒトがコンセンサス・・・人々が高い愛智(哲学)を持っていなければどう考えるべきかもわからなくなりますから、必須になるというのが私の考えです。
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私の発言には粗削りに過ぎないものが多く、これも反省の課題である。
まだ十分な検討ができていないので、未発表のまま心の中にしまっていただけの推論も『問答』のなかではついつられて口に出してしまうものである。私の発言の中にもいくつかそのようなものがあった。
さらに考えを深めて、また、別の場所で討議したり、発表したりするつもりである。
ところで、創造性には『睡眠』とともに『問答』と『瞑想』が欠かせない。
今回は、『問答』万歳! と言っておきたい。
この「『問答』を終えて」第49回日本医学教育学プレコングレス(その10)--感性的研究生活(74)をもって、このミニシリーズはひとまず閉じることとする。
△次の記事: 感性的研究生活(75)
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琵琶
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