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「続編4: "共感とAI"、"AI教材は何から始まる"」第49回日本医学教育学プレコングレス(その14)--感性的研究生活(80)

2017/09/09
「続編4: "共感とAI"、"AI教材は何から始まる"」第49回日本医学教育学プレコングレス(その14)--感性的研究生活(80)

ミニシリーズ:
「SNS中継、映像中継によるプレコングレス【人工知能の発達に対応する医学教育】第49回日本医学教育学--感性的研究生活」--at 2017.08.17
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1. プレコングレスの開催、これからのAI教育など
2. 飯箸によるトリガースピーチ "始まったAI友の時代"
3. 飯箸による詳細説明書の紹介
4. 事前討議《1》: 中本浩之氏 "処理ロジックについて" など
5. 事前討議《2》: 伊藤昌夫氏 "チャペックの R.U.R. " など
6. ディープラーニングは人工知能の全部か/一部か
7. いわゆるヒラメキをAIが提供してくれるか?
8. AIは空気が読めるか、ジャッジは人間優先か・AI優先か
9. Dr. Akira Naito(精神科医、英国在住)との対話: "ヒトは危うい、ましてやAIは?
10. 『問答』を終えて
11. 続編1: 高橋優三名誉教授 "白い巨塔から"
12. 続編2: 週刊プレイボーイ "人間は『命に関わるAI』を使いこなせない?" "AIの暴走=ブラックボックス"
13. 続編3: 授業におけるFBなどのSNSの可能性
14. 続編4: "共感とAI"、"AI教材は何から始まる"
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このスレッドの議論には大きく分けると2つの問題が、重なりながら、別々の角度から取り上げられている。

(1)問診シミュレータは役立つか--その1「共感とAI」
 ①中本 AIの応用で、教育用の問診シミュレーションができる。
 ②高橋・米島 問診の教育では「必要な情報を患者から聞き出す力を磨くこと」と「患者との信頼関係の構築する」が目標になるが、問診シミュレータは前者には役立つ。
 ③中本 「共感」訓練にAIを使用することができるはずだ。
 ④Naito 「共感」力は、上滑りの満足で終わることもある。信頼関係構築の手段であって目的ではないことに注意が必要である。

(2)問診シミュレータは役立つか--その2「AI教材は何から始まる」
 ①中本 AIの応用で、教育用の問診シミュレーションができる。
 ②飯箸 一般にもAIの教育分野での応用で最も手近なのは次の2つである。
   ・実技シミュレーション
   ・プログラム学習
  いずれも古くて新しい課題で、新しい技術が開発されるごとに蒸し返されているが、AIによってようやく本当にできるだろう。
  「問診シミュレータ」は前者の一例であり、他にも多数の実技シミュレーションが可能だ。
  後者「プログラム学習」の実現も広範な可能性が広がっている。
  ビジネスチャンスを隠さずに公開するので、システム事業者は奮って参入していただきたい。

"(1)問診シミュレータは役立つか--その1「共感とAI」" に参加している人々は、中本、高橋、米島、Naitoの各氏である。これに対する"(2)問診シミュレータは役立つか--その2「AI教材は何から始まる」" には、中本氏と私しか参加していない。否、私だけが外れた発言をしているのである。
どちらかというと、"(1)問診シミュレータは役立つか--その1「共感とAI」" に参加している皆さんは、医学教育におけるニーズについて議論しているのであるが、"(2)問診シミュレータは役立つか--その2「AI教材は何から始まる」" についてAI技術というシーズが医学教育にどう役立つのかを述べているのである。
どちらの議論も大切であるように思うのだが、絡んでもらえていない私は、空気が読めていないのかもしれない。
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中本浩之
スタッフの中本です。今回のテームは「医学教育の発達に対応する医学教育」です。ただ関連したお話はございましたが、ストレートに議論された内容が少なかったと感じましたので、ここにスレッドを投稿させていただきます。
【現代医学教育の問題点と人工知能】現在の医学教育に特化して、問題点とは?そしてそれを克服する為に人工知能に可能性は感じておられますか?
【トレーナーとしての人工知能】一つの提案です。実に人間的な医療行為として、問診があります。この問診を受ける立場を人工知能として、医療を学ぶ立場の人間が人工知能に向かって問診をします。すると人工知能からは「言っている事が良く分からない?」「言葉が難しい」「聞き取り難い」等評価をされます。人工知能は3歳の子供から90歳の老人まで様々な立場で問診の「音声」「用語」「文脈」を評価し、学ぶ立場にアドバイスを行います。
医療については素人な立場からの提案ですが、実際に医療教育の現場で問題になっている事について、人工知能が可能とする(絶対に無理も含めた)未来について、ご意見をお願い致します。
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飯箸 泰宏
中本さん、面白い提案ですね。
実は、医学教育の一分野に「模擬患者」というものがいます。特殊に訓練された役者さんと思っていただくとわかりやすいと思います。「模擬患者」の問題点は、次のようなところです。
 ・はじめての場合、役者が適切に演じてくれるかどうか事前にはわかりにくい。
 ・役者が疲れたり飽きたりして集中力を失ってしまうこともある。
 ・コストがかかる。
 ・模擬患者役の絶対数が不足している。
 ・模擬患者が勘違い指導教官におもねって、間違い演技をしてしまう。
 ・費用負担する制度が確立していないので、支払われないことや買いたたきが横行している。
"3歳の子供から90歳の老人まで様々な立場で問診の「音声」「用語」「文脈」を評価し、学ぶ立場でアドバイズ" してくれるとすればありがたいことですね。相手におもねって高評価し過ぎてしまうことも避けられるかもしれません。人工知能による模擬患者システムおよび模擬患者ロボットは、これからのAIによる教育の一分野と思います。
もう一つの分野は、プログラミング学習(双六型学習)教材のAI化です。教材の中に適切な分岐点を設けて、適切な分岐先を決定するのはヒトにはほぼ困難であることがわかっています。マイコンブームのころ、私のチームがOEMでこの種の教材を教科書会社等に供給しましたが、コスト圧縮圧力が強まったので、当社が撤退したところ、代わりにやるシステムハウスが絶無となり、日本では絶滅してしまいました。AI化すれば解決可能性が高くなります。
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高橋 優三
問診に関する教育では、2つの面があります。一つは診断に必要な情報を患者から聞き出すことです。もう一つは、患者との信頼関係の構築です。
人工知能の患者ソフトは、最初の目的に、うってつけです。
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中本浩之
例えば、医学を学ぶ人々が自分の限界に直面した時に、その悩みを教師や先輩に打ち明ける事が難しいとします。そのような時に悩みを打ち明けると・・「何処何処の先生に話を聞くと良いです」「この論文を読みなさい」といったアドバイスを貰えると良いのではと思います。まあこれは医学に限った事では無いのでNGかもしれませんが、人間という生身の相手を扱う仕事では必要性を感じます。
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米島 博司
AIの話をするときは、医療提供側だけでなく、患者というか受ける側、学生、その他関連する様々なシーンを含めて、その活用可能性を考えることが重要ですね。
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中本浩之
人工知能は現段階では知識データベースの段階を超えてはいないと思いますが、その段階でも有益ではあると思います。その成長過程毎に有益性を考えると、あまり贅沢な事はこの数年ではありませんので、今を意識しての有用性を提案してみました。ある意味で現実主義的ですが、それも意味はあると考えております。
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飯箸 泰宏
おっしゃる通りです。千里の道も一歩からです。
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中本浩之
他にも書きましたが、【トレーナーとしての人工知能】のつづきです。患者と医師の信頼関係の構築には「共感」が大きな意味を占めるだろうという事からの話です。医療受給者がどう感じているか?これを医療受給者が客観的に高い精度で伝えてくれる事は理想かもしれません。医療受給者の成熟度で抽象的になったり、時に芝居をする医療受給者もいるようですが、それを探る医療提供者には「共感技術」や「共感能力」が高い必要性がありますが、その技術や能力のトレーニングとして人工知能は有効になるのではと考えております。医療受給者に関して事前に得られたデータと過去の事例、仕草などから人工知能は複数の可能性を導き出し、医療提供者に伝える事でベテランの技術や能力ではどう分析するか?を提案したり、医療提供者の判断を評価する事が出来るようになりそうです。これを繰り返す事でベテランの教師から指導を受けるのに同等な「共感技術」や「共感能力」のトレーニングが可能になる可能性もあります。この「共感」を深める事で医師と患者の信頼関係は高くなるはずです。
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Akira Naito
「共感」という事象は漠然とした「経験(心象体験)」が共有された・できた。と感じる事だと思っています。この場合の「経験」は実は医療提供者と医療受給者では 異なるもの である事が通常ですが、異なる中でも 類似した部分だけでも「共有」できた。と感じた時にその「共有体験」を言語的+非言語的に 伝える 技術はトレーニングできる。と思っています。
ただ、臨床において留意すべきなのは、共感をする事はあくまでも「手段」でしかなく「目的」と間違わないようにすべきであるという事で、医療提供者はトレーニングの際に再確認した方がいいと思っています。
共感体験は、医療提供者が、できた。と感じると「多幸感」を得やすく、そこが目的になりやすい性格も持ち合わせているからです。医療において、たとえカウンセリングなどの心理アプローチであっても、共感体験それ自体はゴールではなく通過点でしかありません。
手段という意味は実際には「勘違い」であっても、受給者が共感してもらったと感じる事で信頼感を増し、意識的もしくは無意識に話していなかった内容も話せるようになる。もしくは医療提供者の説明をより熱心に聞きいれようとできる。またモチベーションが上がる。などという、対人コミュニケーションにおけるメリットを得るための手段である。という意味です。中本先生のおっしゃる 信頼関係を高めること と言い換えても良いと思います。
目的ではない。というのは、信頼関係は ある程度 は必要で、もちろん共感できるに越した事はないとも思いますが、できない場合もある事も、人間対人間の出逢いにはある事が通常で、そうした場合においても、医療提供は可能でありまたしている。また、医療受給者のその場での満足度と実際の生活に戻った際に得られる満足度は、時には異なる。からです。
以上、私の個人的な意見ではありますが、共有させて下さい。
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飯箸 泰宏 このスレッドの議論には多様な問題が、少しずつ重なりながら、違う角度から取り上げられていますね。
(1)問診シミュレータは役立つか--その1
 ①AIの応用で、教育用の問診シミュレーションができる。
 ②問診の教育では「必要な情報を患者から聞き出す力を磨くこと」と「患者との信頼関係の構築する」が目標になるが、問診シミュレータは前者には役立つ。
 ③「共感」訓練にAIを使用することができるはずだ。
 ④「共感」力は、上滑りの満足で終わることもある。信頼関係構築の手段であって目的ではないことに注意が必要である。
(2)問診シミュレータは役立つか--その2
 一般にもAIの教育分野での応用で最も手近なのは次の2つである。
  ・実技シミュレーション
  ・プログラム学習
  いずれも古くて新しい課題で、新しい技術が開発されるごとに蒸し返されているが、AIによってようやく本当にできるだろう。
  「問診シミュレータ」は前者の一例であり、他にも多数の実技シミュレーションが可能だ。後者「プログラム学習」の実現も広範な可能性が広がっている。ビジネスチャンスを隠さずに公開するので、システム事業者は奮って参入していただきたい。
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「(1)問診シミュレータは役立つか--その1」の問題は、ニーズ指向で、「患者の気持ちが理解できない医師」が増えている中で、「患者気持ちを理解して、話を聞くことのできるAI」が登場するという皮肉なめぐりあわせをうまく利用できるのかどうかというお話につながる議論です。ニーズに対してはAIはまだ不足しているという結論になりそうです。
「(2)問診シミュレータは役立つか--その2」の問題は、シーズ指向で、AI技術の普及によって、これまで教育分野でうまく解決できなかった課題が解決できるようになることを指摘するものです。人は、新しい技術(AI)を手にしたからと言って、急に新しいニーズを発見することは少ないものです。これまで解決できなかったことを新しい技術(AI)で解決しようとすることが、何よりも先行して行われるはずなのです。新しいニーズを発見するのは技術がそこそこに普及して身近に感じられるようになった後になることが多いものです。
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「(1)問診シミュレータは役立つか--その1」の問題は、ニーズ指向で、「患者の気持ちが理解できない医師」が増えている中で、「患者気持ちを理解して、話を聞くことのできるAI」が登場するという皮肉なめぐりあわせをうまく利用できるのかどうかという話題につながる議論でもある。しかし、ニーズに対してはAIはまだ不足しているという結論になりそうだ。
「(2)問診シミュレータは役立つか--その2」の問題は、シーズ指向で、AI技術の普及によって、これまで教育分野でうまく解決できなかった課題が解決できるようになることを指摘するものである。人は、新しい技術(AI)を手にしたからと言って、急に新しいニーズを発見することは少ない。これまで解決できなかったことを新しい技術(AI)で解決しようとすることが、何よりも先行して行われる。新しいニーズを発見するのは技術がそこそこに普及して身近に感じられるようになった後になることが多い。AIシーズの医学教材は、現状の医学教材を一気に取り換えるようなものではなく、まだら模様で進んでいるAI技術の内、実用になる部分を少しずつ教材にも取り入れてゆくという現実路線を進むはずなのである。
ニーズ指向であっても、シーズ試行であっても、「AIは将来すごいことになるのは間違いがなくても、今すごいわけではない」ということを、肝に銘じておかなければならない。

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琵琶

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