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「人食い企業」との付き合い方@その2: 波に向かって直角に舵を切れ--社長の条件(45)

2017/12/03
「人食い企業」との付き合い方@その2: 波に向かって直角に舵を切れ--社長の条件(45)

1. 悪い客について、再考。振り返ると悪い客ばかり、そんなぁ~~。
前の記事では次のようなことを書いた。
 ①支払う約束を守らずにお金を払わない客
 ②ただで教えてくれと言って技術者を長時間拘束する客
 ③初回だからただにしてくれ、または半額にしてくれという客(経験上、2回目以降もまともな支払いをすることはない)
 ④別の案件で利益を保証するから今回はただまたは半額にしてくれという客(経験上、そんな別の案件が出てきたことはない)
 ⑤この仕事をやってくれよ、やってくれたら成果報酬を払うからさと言う客(経験上、仕事が完成すると理不尽な難癖をつけて支払いに応ずることはない)
 ⑥技術者の引き抜きにばかり熱心な客
 ⑦乗っ取り工作を仕掛ける客
 ⑧自社の負債を当社に転嫁しようとする客
  ・・・
悪い客の手口には枚挙にいとまがない。
実際、悪い客は意識的に切らないとどんどん溜まってゆく。悪貨は良貨を駆逐するのである。
中小零細企業もないとは言えないまでも、多くは上場企業かその子会社だった。

一つ前の記事では「悪い顧客は単純に切る」ではなく、「相手から断らせるようにしろ」という話を書いた。
これは、「悪い客は少数派である」ことを前提にしているのだが、実は、どうやら周囲はもっときな臭い。
今は、「相手から断らせるようにしろ」だけでは済まない事態を迎えていることを認めなければならない。
時代はとうの昔に変わっていて、実は見かけ上このような「悪い客」のほうがほとんどになっていることに気づかされる。

いや、「悪い客」になったのではなく、多くの客が上記の①②③、、、のようなテクニックを使うようになってきているのである。心底悪気があってやってくるのは少数だろうが、大多数の客がこれらのテクニックを百も承知の上で使うようになっているのである。テクニックなので、本人に「悪気」はない。彼らは「こんな手口に引っかかる奴が悪い」と考えているに違いない。詐欺的ビジネスと言ってしまえばその通りなのだが、「詐欺」そのものではない。違法でない限り、まさしく「引っかかったほうが悪い」のである。
特に「⑥技術者の引き抜きにばかり熱心な客」「⑦乗っ取り工作を仕掛ける客」「⑧自社の負債を当社に転嫁しようとする客」などは、組織的で手が込んでいて芸術的な手さばきを見せるのである。
あまりの鮮やかさに被害に遭った本人も何が起こったのかがわかっていないことが多い。いろいろな会社経営者から助けてほしいと呼ばれるとたいていは後の祭りなのだ。
「儲けは折半」「徳を与えて得を取れ」などの日本古来の商人道が通じない世界になっているのである。

2. 波に向かって直角に舵を切れ
たいていの場合、大海で波にのまれたら生きてゆけないが、経済活動でも同じである。経済活動という海に漕ぎ出た以上は、その波の上を行かなければ生きてゆけない。
社長たるものは、今来ている波と次に来る波を見極めて、それぞれの波に直角に立ち向かうように会社という船の舵を切り、波を乗り越えなければ難破してしまう。ただ逃げようとしても次から次に押し寄せる波からは逃れようがない。下手に逃げようとすれば横波を受けて船は転覆してしまう。
波が嫌いだと言っていたら、経済活動はできない。

3. 友人Aさんの受難
友人Aさんは、某システムハウスの経営者である。彼は、友人たちと一緒に会社を作ったのだが、裏切られてひどい目に遭ったそうである。
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(友人AさんはAさんの)友人の会社の営業に同行して数ヶ月後にその営業先から直接連絡がありまして「Aさんが開発しているのに何故動かないのか?お金を早く支払えと言われたので10日前に支払ったのに納品されない。あなたの顧問先の会社に連絡しても相手にしてくれない」と?これは青天の霹靂でした。
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つまり、Aさんはその友人の取り込み詐欺の片棒を担がせられたようだ。
Aさんによると、その友人は、警官と小学校の先生の子供だったが、「自分がより良く生きる為に他を犠牲にするのは必要だ」とある時期話した事があるそうだ。
「自分がより良く生きる為に他を犠牲にするのは必要だと・・・」これが極端になると反社会性人格障害といわれることになるが、かつて日本では目立つことのない処世術だ。しかし、近年の日本では××義氏や××××ンに代表される処世術として隆盛を見せるようになっている。

4. 日本の商人道
日本の伝統においては、安土桃山時代に始まる近世商業資本の成立以降、商売人は「徳(利益)は与えていただくもの」「利益は折半(取引相手にも利益の半分は渡すものである)」「利益はぼちぼち(自分の取り分はそこそこにする)」「贅沢と華美なるを慎め」・・・という考えが主流だった。石山本願寺(のちの大阪城)の寺内町に市をなし財をなした商人たちが家訓として伝えたものが日本の「商人道」の始まりとされている。のちのビューリタニズムと酷似しており、日本からの伝播かといわれることもある。実は、ビューリタニズムもイギリスにおける近世商業資本の成立に伴うものですから、歴史的な必然性がそこにはあるものと思われる。地上の別々の場所で別々に生まれてなおよく似ているというのは興味深い。ビューリタニズムにはカナリア諸島で活躍していた海洋商人(バスク民族の祖先)の影響の痕跡も感じる。当時のカナリア諸島の民は、日本人などの源流の源流になった南セムの末裔であり、ヨーロッパからインドに広がるインドヨーロッパアーリアンとは異なる遺伝子を持っている。
日本の商人道は、本願寺が信長よって滅ぼされると近江商人、滋賀商人などに細々と受け継がれてゆくが、江戸の元禄バブルのころはいったん影を潜める。
元禄景気が終わると鎖国が強化され海外貿易ができなくなった。日本の商人が活躍できるのは国内市場だけになり、商人同士の無用な争いは商人社会の滅亡につながりかねないことが自明となった。そのため、秩序ある商業活動が見直され、近江商人らを迂回して伝えられた商人道が見直され、各商家ごとの家訓が次々に構築され、「徳(利益)は与えていただくもの」「利益は折半(取引相手にも利益の半分は渡すものである)」「利益はぼちぼち(自分の取り分はそこそこにする)」「贅沢と華美なるを慎め」・・・が再び隆盛になる。「家族仲良く」「健康第一」「火の用心」などが加わったのはこの時期と思われる。江戸中期から後期にかけては儒教や朱子学の影響もみられるようになった。
元禄後の江戸の商人道は、主眼は同一商圏内の客や商人同士が利益を分け合って生きてゆくための自己防衛的な処世術だったので、同一商圏外に対しては排外的な様相も帯びていた。明治期に来日したイギリス商人などは日本の商人に対しては激しい侮蔑の言葉(日本の商人は武士の気高さに比べて、外国人には不当な取引を持ち掛ける卑しい連中、、、)を残してもいる。
ピューリタニズムはキリスト教と合体して新派をなしたが、日本の商人道が仏教(浄土真宗=仏教の一分派)と親密に結びついて成立しているのにもかかわらず仏教分派を形成しなかったのは当該商人たちのよりどころであった石山本願寺が信長によって滅ぼされてしまったことに原因がありそうである。

5. 勝ち続けた民族と負け続けた民族
自分がより良く生きる為に他を犠牲にするのは必要」は、モンゴロイドに比べればアーリアン(と漢民族)の性質というべきである。海外に出る日本企業が最初に直面するのは海外企業の「裏をかく技術」「人を食う技術」との格闘である。東芝がWHにしてやられたり、日産子会社のカルソニックが1500億ものの借財を負わせられたりするのは、彼らの性格そのものである。
日本で、大々的に「裏をかく技術」「人を食う技術」を駆使して大資本にのし上がったのは孫××氏であるが、その門前の小僧だったホ××××が孫××さんほど巧みではなく言動の稚拙さゆえに有名になった。
しかし、よく見れば、戦後の経済復興を通じて「裏をかく技術」「人を食う技術」は海外貿易をおこなう日本の大手企業にもまたまだとは言え、ある程度は浸透してきているようである。私が「悪い客」として分類したのは「裏をかく技術」「人を食う技術」にたけた客ということにもなる。「裏をかく技術」「人を食う技術」を駆使する中小零細企業は多くない。
人類史的に見るとユーラシア大陸ではモンゴロイドが北方と西域でアーリアンに「裏をかく技術」「人を食う技術」と残忍な武力で一方的に負け続けた時代を通じて、そのフロンティアでは一部の混血が進み、文化的影響も受けて新モンゴロイド(新モンゴロイド誕生の時期は大きく見ると3波あり、最後の波で誕生したものが漢民族=nearly=で前第1波、第2波で現れて散り散りになっていた新モンゴロイドの各部族がこれに合流する)が生まれて、「裏をかく技術」「人を食う技術」を駆使できる大漢民族が成立する。これらの技術に疎い古モンゴロイド(長江文明を作ったミァオ族=猫族)は第二派のあたりで負けてしまうのである。
南セムの流れをくむコーカソイド、バスク族やベルベル人、ドラヴィダ族などはいずれも北セム系のアーリアンに負けてしまう。日本人やオーストロネシア人、アボリジニ、アメリカインディアンなどの古モンゴロイドも源流は南セムなので、負けてしまう側にいるのである。

6. 彼らは違法か
彼らを罵倒するだけではこれからの日本人は生きてゆけない。
彼らが作った法律もこれを模倣した日本の法律も彼らのやり方を違法とするものはない。違法でなければ理屈で止めるわけにはゆかない。彼らは違法ではないのだから。
彼らのやり方はこうだ。まず、ルールを認めさせて我々が納得したら、その通りに実行して、それに従わない君ら(我々)が悪いというのである。ルールは抽象的で、いろいろな場合を含んでいるだろう。まさか、こんなことはしないだろうと思うのは間違いである。まさかと思うことを必ずやってくるのである。まさかと思われることがあったらあらかじめ出口をふさいでおくべきである。ルールに条件を付けて「・・・の場合は契約を解除する」などの付帯事項をつけるべきである。この付帯事項の提案を躊躇してはならない。言い出す前に押し切ろうとするだろうから、「弁護士に相談してから回答する」などと間合いを確保することが大事である。
彼らのやることにアンテナを建て、先回りしてその手順を見抜き、「まさかのこと」を予防するには、相当な労力とひらめきと決断力と瞬発力が必要である。彼らは大学院MBAコースなどで専門的に「裏をかく技術」「人を食う技術」を勉強してくるのである。
日本の中にも「裏をかく技術」「人を食う技術」(MBA流)を駆使する "新モンゴロイド" が生まれている。アメリカに負けて、アメリカの文化を受け入れたためである。日本の "新モンゴロイド" にも我々古モンゴロイドは負けないようにしなければならないのである。
私は自分の会社の経営を、言ってみれば、日本の伝統文化の「商人道」で押し通してきた(*)が、これからは、「裏をかく技術」「人を食う技術」に対抗しうる(乗り越えられる)精神と技術を確立しなければなるまい。まことに気が重いことだ。何よりも、年齢を思うと私にはもう無理かもしれない。
私に続く、皆さんは、気力体力のある限り、「裏をかく技術」「人を食う技術」の荒波が押し寄せてもこれに耐え、波に向かって直角に切り込んでこれを乗り越える力を蓄えてほしい。
それができる人だけがこれからの社長にふさわしいだろう。

(*)私の個人的事情については、別の記事として掲載する。

△次の記事: 社長の条件(46)
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▽前の記事: 社長の条件(44)
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琵琶


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