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「Learn for Life 2018 第一回東京国際教育祭」への参加--感性的研究生活(86)

2018/03/28
「Learn for Life 2018 第一回東京国際教育祭」への参加--感性的研究生活(86)

3月26日-3月27日 Lern for Life 2018 第一回東京国際教育祭(at 広尾学園)
https://learnforlife.jp/
に参加して来ました。
すべては「創造性育成教育」にターゲットが絞られていた。出演された方々が実践していたのは、私が日本で孤立無援で悪戦苦闘してきた教育実践と同じ方向を向いていた。あぁ、私だけではなかったと深い安堵感と共感を得ることができた。やっと世の中が私がやって来たことに追い付いてきたのだろう。心底から、もう一度、教育の現場に戻りたくなって困った。
「国際」と銘打たれている割には、日本人の発表者が多かったが、北欧の事例を紹介する北欧からの発表参加者も6名いて、彼らのもとで学んだ日本人が少なくなかったという事実もある。「世界と言えばアメリカ」というコンファランスが多い中、異色の国際会議だった。
アメリカよりも北欧のほうが思慮深く教育が周到に計画されていたが、演者の話を聞いていると、それは北欧諸国が米露独英という列強に囲まれた小国として、生き残りの道は教育にしかないという強い思いがその背後にあることが伝わってくる。日本だって、実は小国に過ぎない。日本は、米中という経済大国と米露中韓という軍事大国のはざまに浮かぶ小さな笹舟のようなものだ。北欧と置かれた立場に大きな違いはない。いつの世でも、百年先は教育の力が世の中を制している。百年先のための教育が必要なのだ。
予想外のことだったが、日本におけるActive Learner の提唱者だった鈴木寛元文部副大臣が、「自分(鈴木寛元文部副大臣)はActive Learning などと言っていない。Active Learnerが必要だと言っていたのだ。その意図に反して、今日本ではActive Learningを押し付け教育でやっている」と冷静な批判をしたことに強く共鳴した。
これは、私が4月26日に講演しようとして準備中の「お仕着せアクティブラーニングは"人形芝居"--"操られ人形"を育ててどうする?」と軌を一にするものである。
私の講演については、別途皆さんに告知させていただく。

2日間ともに、たくさんの教室を使用して同時並行の講演やワークショップが開かれていたので、とても全部には参加できない。
私は、「基調講演」が行われた地下アリーナに朝10:00から最後17:30までとどまって話を聞いた。(お尻が痛くなって困りました)
懇親会にも参加して、デンマークやフィンランドの教育事情やインドの教育事情も実践されている方々から詳しくうかがうことができた。

初日から、とても示唆に富む講演とプライベートinformationが多く、頭がはちきれそうになった。

26日に行われた、創造性育成教育(Creative 教育)の実践を報告する講演は、次の通りである。

最初のセッションの3名。
●ウッヘ・エルベク氏
 (デンマーク、政党The Alternative党首、カオスパイロット創業者)
●大本 綾氏
 (株式会社レア 共同代表/クリエイティブ・プロセス デザイナー)
●今村 正治氏
 (立命館アジア太平洋大学 副学長、学校法人立命館常務理事(APU担当))

第二セッション
●鈴木 寛氏
 (東京大学教授、慶應義塾大学教授、文部科学大臣補佐官、元文部科学副大臣)

第三セッション
●加藤 積一氏
 (ふじようちえん 園長)
●手塚 貴晴氏
 (建築家  (株)手塚建築研究所 代表 東京都市大学教授)
●新居 日南恵氏
 (株式会社manma 代表取締役)

広尾学園の経営に深くかかわっている熊平美香さん(熊平金庫のお嬢さん)と名刺を交換できたことは大きな収穫だった。
株式会社manma代表取締役新居日南恵さんと再会できたことも大変良かった。
また、こちらも予期せぬことでしたが、別会場で「キュベット(幼児向けプログラミング教具)」のワークショップを行っていたキャンドルウィックの橋爪さんと、ここの有力スタッフになっている慶応大学の修士課程の学生である刑部さんとも親しくお話ができたのもハッピーでした。昼ご飯を広尾学園の学食でいただいているときに橋爪さんと偶然出会って、このワークショップが別会場で行われていることに気づいた次第です。

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3月26日の「基調講演」

第一セッション 10:00 - 11:30
これからの学びのあり方
ウッヘ・エルベク氏(デンマーク、政党The Alternative党首、カオスパイロット創業者)
大本 綾氏(株式会社レア 共同代表/クリエイティブ・プロセス デザイナー)
今村 正治氏(立命館アジア太平洋大学 副学長、学校法人立命館常務理事(APU担当))

第二セッション 11:30 - 11:50
鈴木 寛氏(東京大学教授、慶應義塾大学教授、文部科学大臣補佐官、元文部科学副大臣)

第三セッション 14:00-15:30
育児と幼児教育
加藤 積一氏(ふじようちえん 園長)
手塚 貴晴氏(建築家  (株)手塚建築研究所 代表 東京都市大学教授)
新居 日南恵氏(株式会社manma 代表取締役)

第四セッション 16:00-17:30
アートと学び
新田 ユリ氏(日本シベリウス協会 会長)
菊川 穣氏(一般社団法人エル・システマジャパン 代表理事)
鈴木 順子氏(東京芸術劇場 事業企画課長 コンサートホール・ジェネラルマネージャー)
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1日目に気まぐれに撮影した写真をここに掲載する。Learn for Life(東京国際教育祭)の会場の雰囲気が少し伝わればよいと思う。
最初の2つの写真は、今村正治氏(立命館アジア太平洋大学 副学長、学校法人立命館常務理事(APU担当))の講演からです。
3つ目は鈴木寛氏(東京大学教授、慶應義塾大学教授、文部科学大臣補佐官、元文部科学副大臣)の講演資料です。
4つ目は、熊平美香さんが主宰する「未来教育会議」の発表です。学習は生涯終わらないと強調しているところが印象的でした。
5つ目は「育児と幼児教育」のセッションに出演した3人が記念撮影に応じてくれたので私も撮らせていただいたもの。左から新居日南恵さん(株式会社manma代表取締役)、手塚貴晴氏(建築家、(株)手塚建築研究所 代表、東京都市大学教授)、加藤積一氏(ふじようちえん園長)です。

今村正治氏(立命館アジア太平洋大学 副学長、学校法人立命館常務理事(APU担当))の講演1
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(クリックすると拡大表示される)

今村正治氏(立命館アジア太平洋大学 副学長、学校法人立命館常務理事(APU担当))の講演2
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(クリックすると拡大表示される)

鈴木寛氏(東京大学教授、慶應義塾大学教授、文部科学大臣補佐官、元文部科学副大臣)の講演資料
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(クリックすると拡大表示される)

熊平美香さんが主宰する「未来教育会議」の発表
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(クリックすると拡大表示される)

第三セッションに出演した3人
左から新居日南恵さん(株式会社manma代表取締役)、手塚貴晴氏(建築家、(株)手塚建築研究所 代表、東京都市大学教授)、加藤積一氏(ふじようちえん園長)
Img_1133
(クリックすると拡大表示される)

第一日目の第四セッションの後は学内の食堂で懇親会が行われた。

さて、一夜が明けて、Learn for Life 2018 at 広尾学園 の二日目、3月27日(火)も朝10:00からの基調講演を聞いた。
外国勢の講演は飛び切り面白かった。知識を与える教育ではなく、学習する力をつけさせる教育が必要であると口々に訴えていた。

第一セッションについて
オウティ・シヴォネン氏(フィンランド)
ヨハン・ブランド氏(ノルウェー)
レイ・アーウィン氏(イギリス)
第一セッションでは上記3名が参加したが、第二セッションで講演とバネル討論に参加したブリット氏も論旨はほぼ同じだった。
ブリット・デュー・ティエメンスマ氏(デンマーク)
彼らは、すでに国家や民族が生き残るためには、待ったなしに「教える」ではなく、自分から学ぶ生徒と学生を作りだす以外になかったということが次々に明かされた。20年ほど前から生き残りをかけた意識的な教育変革が進められてきたのである。

第二セッション
福田誠治氏(都留文科大学学長)によると、OECD標準「国際バカロレア(IB)基準」の教育を特定の学科(国際教育学科)で始めていて、全員がノルウェー、フィンランド、デンマークのいずれかに半期交換留学に出かけて、その代わりにこれらの国から都留文科大学への留学を受け入れることになっているそうである。
相互に留学生を交換するということは学生を通じて都留文科大学は北欧諸国の大学から監視されている状態になるので、「国際バカロレア(IB)基準」を都留文科大学が手前勝手に日本風にアレンジしてしまうことを完全に封じていることになる。北欧諸国に留学する都留文科大学の学生たちは日本での教育が「国際バカロレア(IB)基準」に達していなければ留学先でひどい困難を感ずることになるだろう。学生たちの留学先での評価はとりもなおさず都留文科大学の教員の採点となって返ってくる。ここまで自ら追い込んで新しい教育に舵を切る姿勢にすがすがしささえ感じた。
ここで育った次世代の教師たちが、教育の現場を劇的に変えていってくれることに大きな期待が膨らむとともに、旧態依然たる日本の教育界で潰されたり片隅に追いやられたりすることのないよう祈らざるを得ない。

第三セッション
このセッションは、基調講演が行われたB1アリーナの会場を抜け出して、キュベットの実演会場に出向いた。この会場では3歳から小学4年生までの十数名の子供たちがイギリス生まれのプログラミング教具「キュベット」を目指して集まっていた。1時間半ほどの時間のうちの30分ほどで子供たちがたちまちキュベットの使い方を覚えてしまうというあたりも見ものだが、最期には子供たちが付き添いでやって来た親たちに、キュベットを使って解く問題を与えて親にやらせるというところにまで成長してしまうのである。
もともとのメーカーが推奨している基本プログラムに沿って主催者側のインストラクターが進めたようだが、きわめてよくできているプログラムであると感じられた。ただし、日本人インストラクターたちが教師の経験もなく、ましてやプログラムの経験もない方たちなので、せっかく基本プログラムにうまく組み込まれているインストラクションデザインの真意を理解していないために、形だけで魂が通っていない部分がいくつか見かけられた。事後インストラクターの一人に感想を求められたので、それらのいくつかについてはアドバイズをした。

第四セッション
人生100年時代の学びについてのセッションだったが、樋口亜希さん(株式会社Selan代表取締役)と苅宿俊文氏(青山学院大学社会情報学部社会情報学科教授)はこの趣旨で講演をしたが、小林正忠氏(楽天株式会社チーフピープルオフィサー、常務執行役員)はこの趣旨が理解できていなかったようだ。最後に行われたバネルディカッションは、Learn for Lifeの代表が司会を務めたが、肝心の彼も「人生100年時代の学び」の趣旨が分かっていないのか、完全に逸脱して焦点がぼやけて発散したままになってしまった。
2日目の最後のセッションで少々後味の悪い思いをしたが、他は二日間ともおおむね満足な講演とバネル討論だった。

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3月27日の「基調講演」

第一セッション 10:00 - 11:30
世界の新しい取り組み
オウティ・シヴォネン氏(フィンランド、フィンエアー 人材開発ヘッド)
ヨハン・ブランド氏(ノルウェー、カフート!創業者)
レイ・アーウィン氏(イギリス、ノーサンプトン大学)

第二セッション 12:00-13:30
未来を作る教育のために 〜国際バカロレアの提起を受けて
福田 誠治氏(都留文科大学 学長)
ブリット・デュー・ティエメンスマ氏(デンマーク、アブサロン大学 教授法 シニア・レクチャラー)
坪谷ニュウェル郁子氏(東京インターナショナルスクール理事長)

第三セッション 14:00-15:30
留学と学び
船橋 力氏(文部科学省 官民協働海外留学創出プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」プロジェクトディレクター)
鈴木 大樹氏(GiFT シニアダイバーシティ・ファシリテーター)
私は、このセッションを抜け出して、実際はキュベットの子供向けワークショップに参加した。

第四セッション 16:00-17:30
人生100年時代の学び - Unlearn
小林 正忠氏(楽天株式会社 チーフピープルオフィサー 常務執行役員)
樋口 亜希氏(株式会社Selan 代表取締役)
苅宿 俊文氏(青山学院大学 社会情報学部 社会情報学科 教授)

この日も気まぐれに撮った写真からいくつかをここに掲載して、会場の雰囲気をお伝えしたい。

3月27日(火)のLearn for Life 2018の写真集である。
最初の写真はヨハン・ブランド氏(ノルウェー、カフート!創業者)の講演の様子。
次がキュベットの子供向けワークショップの実施風景。バネル上に色の異なるブロックを並べて、思惑通りに四角いロボット(キュベット君)が動いてくれるかという思考錯誤を繰り返しているところだ。
最後は、苅宿俊文氏(青山学院大学社会情報学部社会情報学科教授)の講演風景である

ヨハン・ブランド氏(ノルウェー、カフート!創業者)の講演の様子
Img_1143
(クリックすると拡大表示される)

キュベットの子供向けワークショップの実施風景
Img_1152
(クリックすると拡大表示される)

苅宿俊文氏(青山学院大学社会情報学部社会情報学科教授)の講演風景
Img_1165
(クリックすると拡大表示される)

続いて広尾学園の合唱部のコーラスが行われたが、「手紙 ~拝啓 十五の君へ~ (15歳になるはずの未来の自分に宛てた手紙)」の歌詞が少年や少女の学びと成長の苦悩を切なく美しく訴えいて、旧態依然たる教育のあり方に突きつけた未来の大人からの刃のように感じたのは私だけだろうか。

手紙 ~拝啓 十五の君へ~
https://www.uta-net.com/song/70553/

素晴らしい講演者の皆さん、ありがとうございました。
キュペットのワークショップに来てくれた天才ちびっ子のみんな、君たちはすごかったぞ。
またお会いできる機会があればうれしいです。

 
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琵琶

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